美容・健康記事執筆時は要注意！守らねばならない薬機法

女性ライターの多くが得意と感じているであろう、美容・健康ジャンル。ところがあるキュレーションサイトに掲載されていた記事の内容の信憑性が疑われ、問題となって以来、安心安全や効果についての表現が多い美容・健康ジャンルへのルール徹底が厳しくなされています。

そのルールとは薬機法（旧薬事法）、特に医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、再生医療等製品に関する表現についての明確な規制と遵守が記されています。

美容・健康ジャンルを執筆する際にはどのような点に気をつけなければならないのでしょうか。学んでいきましょう。

薬機法とは？薬事法とは違う？

あるキュレーションサイトの問題は著作権上の問題などのほか、掲載記事の内容に信憑性がないことが問題となり各メディアでも大きく取り上げられました。記事の内容に信憑性がないことが問題となるのは、不確実な内容をさも現実のような表現を用いて掲載し、読者に間違った理解を訴求してしまうからです。

そもそも間違った情報を公であるインターネット上に流すこと自体が問題ですが、扱う内容がこと美容や医療など、健康に関するジャンルだった場合には、法に抵触する可能性があります。

その法律というのが薬機法といい、厚生労働省・各都道府県庁や警察が管轄しています。もともと薬機法は薬事法という名称でしたが、2014年11月25日に安全対策中心の法律へと改正されたのを機に、薬機法と名称も変更となりました。

薬機法とは、医薬品医療機器等法の略で、規制の対象となっている医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品、そして再生医療等製品の5種については、特に表現に注意をするよう促されています。

ですから、多くの女性ライターが記述しやすく身近なジャンルである美容や健康については、法令に遵守した内容になっているか常に確認が必要となります。

美容・健康系記事で守らなくてはいけないこととは？

薬機法で規制対象となっている品目のうち、実際の執筆ジャンルに上がりやすいのは医薬品、医薬部外品、化粧品ではないでしょうか。また、食料品においても健康食品やサプリメントなど健康に密接に関係する商品を紹介するような場合は薬機法に抵触していないか気をつけるべきです。

では具体的にどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。薬機法で規制されているのは、「医薬品ではないものを医薬品と誤解させる表現はしてはならない」ということであり、つまり「効果・効能をうたってはならない」ということです。

執筆の際には、「○○を飲めば××になります」、「☆☆を塗れば一晩でスッキリします」などと、薬ではないものを紹介するのに、さも薬のように効果が出るという表現をしてはいけません。

薬機法とは逸れますが、景品表示法という法律では、虚偽や誇大広告をしてはならないとあります。

例えば「○○をすれば、肌がたちまち若返る」といった表現が誇大広告にあたります。直接的な表現のほか、暗示させるものも規制対象です。そしてこれらの表現は法律によって禁止されているため、反した場合は薬機法の場合は行政指導や逮捕になる場合もあります。

薬機法のルールを押さえた美容・健康記事の書き方とは

サグーワークスでの案件では、商品の具体的な紹介や医薬品、化粧品の効果について記すものはそう多くはないと思われますが、青汁の商品比較を行う案件を過去に執筆した経験があるので、今後も効果効能を表現する機会がないとは言い切れません。

美容でいうと、美白化粧品や脱毛器、シミ取りクリームなど美容効果を示す必要があるものは、ごく一般的な表現に留め、効果の範囲を限定することが大切です。例えば、美白化粧品であれば「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」、脱毛器であれば「ワキ・脚のムダ毛の脱毛が可能」という具合です。

また、健康食品や健康器具などの効果効能の記述についても同様です。ビタミン剤であれば「不足しがちなビタミンCが補給できる」といった一般的な表現に留め、「これ一つで必要なビタミンCが十分補え、美白効果も絶大」という効果効能、誇大広告にあたる表現はしてはいけません。

薬機法は消費者に対して正確な情報を与え、事実誤認を防ぐためのものです。美容・健康ジャンル記事はある意味日常生活に結びついたジャンルだけに経験談も含め、書きやすい素材ではありますが、表現の規制があるジャンルだということを念頭におき、正しい情報を伝える送り手として執筆していきたいものです。