ロジカルに物事を考えて「論理的思考」を育てていく方法
わかりやすい文章を書いていくためには自分の経験や勘にばかり頼って伝えてしまってはいけません。主観的な表現になり過ぎてしまったり、情報を裏打ちするデータが欠けたりしてしまうと説得力のある文章にならないものです。物事を論理的に考えることは説得力のある文章を生み出す訓練になります。
きちんと手順を踏んでポイントを押さえていけば、しっかりと身についていくものなのでコツコツと取り組んでいきましょう。では、日常のなかで具体的にどんなことを取り入れられるのか詳しく見ていきましょう。
普段から考えるクセを身につける
物事を論理的に考えるということは、対象となるものについて「理由」を深く掘り下げてみるということです。「何となくそう思う」では読み手の心を動かすことはなかなか難しいでしょう。やみくもに思っていることを伝えようとするのではなく「〇〇なのは××で、さらに〇〇〇だから」といったように根拠となる理由を並べて、筋道を立てて文章を書いていく姿勢が大切です。こうした文章の技術を身につけるには、普段から物事を表面的ではなく多面的・多角的にとらえようとするクセを持っておく必要があります。
練習方法としては、自分が気になることについて「なぜそう思うのか」「理由は何か」「さらに違った見方はできないか」といったことを紙に書き出してみるといいでしょう。テレビでコマーシャルを見たときや本を読んだときなど、ふとしたタイミングでかまいません。走り書きのようにメモを残していく練習をしていくことで、徐々に紙に書かなくても論理的に物事を考えていく姿勢が身についていきます。
説得力を持たせるためには「データ収集」がとても大切
論理的に考えることは、何も物事を難しくとらえてしまうことではありません。あくまで「説得力」を持たせることが肝心であり、むやみに難解な説明をして読み手を煙に巻くことではないのです。説得力を持たせた文章を書くためには、1にも2にも「データ収集」が大切になります。官公庁が示しているデータや新聞などのメディアの報道、学術書など誰もが調べようと思えば調べられる信頼できる情報源を見つけていくことが重要です。
もちろん、テーマによっては情報がなかなか集められないといったこともあるでしょうが、できるだけ客観的なデータを集めることが説得力のある文章を書くことにつながります。データが無く主観的に書かないといけない場合でも「私の経験によると〇〇」といったように、あくまでも情報の出どころをハッキリと示す姿勢が大切です。論理的な文章を書くためには文章を書く時間以上に、データ収集の時間を作る作業を大事にしてみてください。
起承転結を意識してテーマからブレない書き方を心がける
論理的に理由を示せて、それを裏打ちするデータがそろったとしても、文章の構成の仕方がまずいと伝わるものも伝わらなくなって勿体無いと言えます。実際に執筆をするためにはテーマを深く理解するためにも、文章の構成を「起承転結」に沿って考えるようにしましょう。構成を考える作業が大切な理由は、いきなり書き始めてしまうとテーマがブレてしまう可能性があるからです。読み手からすれば、その文章のテーマが何かわからなくなると混乱が生まれてしまい、なかなか理解できなくなってしまいます。
Aという物事を説明しているうちに、いつのまにかBという物事について書いていたということにならないように、テーマを一貫させる必要があります。構成を組み立てるときにはあれこれと欲張って、多くのテーマを入れようとしてはいけません。基本的に1つの文章では1つのテーマで書くことを基本として、起承転結の流れに沿って文章を展開していきましょう。「何を書いている文章かハッキリとわかる」といった状態が論理的に文章を書くということなのです。
こぶたのまとめ
- 論理的な思考を身につけるためには普段から考えるクセを身につけておく
- 「なぜそう考えるのか」の裏打ちとしてデータ収集に時間をかける
- 起承転結を意識して1つのテーマを決めたらブレずに書くことが肝心