Webライターなら知っておきたい!若者言葉の特徴と記事を書くうえでの注意点
若者言葉とは主に10代から20代前半の青少年がよく用い、それ以外の世代ではあまり使用しない言葉を指します。一昔前にはやった「MK5」「ちょべりば」などがその代表例と言えるでしょう。そういった若者言葉は日々生み出されては消えていっています。
それらの言葉に対してWebライターはどのようにかかわっていくべきなのでしょうか。そこで、若者言葉の特徴を挙げながら、Webライターとして注意すべき点について解説していきます。
仲間内でのコミュニケーションに便利!若者言葉の特徴
2012年頃から流行り始めた若者言葉に「まじ卍」という言葉があります。これは普段使用していない人にとっては使いどころがわかりにくく、しかも、明確な意味が存在しない言葉です。「強い、気合いが入っている」という相手を評価する意味合いがある一方で、「調子に乗っている、うざい」といった具合にネガティブな意味でも使われます。
また、「俺ってまじ卍」と自分に向って使用すると「俺ってすごい!」というニュアンスの自画自賛の言葉となります。さらに、女性がペットや衣装などを見てその言葉を使えば「可愛い」という意味にも取れますし、テンションが上がったときに「卍卍卍」と感嘆符の代わりに連呼する場合もあるのです。
この言葉は若者言葉の特徴をよく表しています。多くの若者のコミュニティは極めて閉鎖的であり、毎日同じようなやりとりをしているため、コミュニケーションも伝達の正確さより効率化が求められるようになります。しかも、現代では通信ツールの発達がその傾向に拍車をかけています。LINEなどでは発言に対して即座にコメントが求められます。しかし、とっさに気の利いた言葉を返すのはかなり困難です。
そこで、「まじ卍」などの凡庸性が高くて、何となく印象に残るフレーズが多用されているというわけです。以上のように、若者言葉は仲間内での情報伝達が速くなるというメリットがあるのですが、その一方で、言葉が単純化することで、表現力が乏しくなるのではないかという点が懸念材料として挙げられています。
若者言葉を使って記事を書くリスク
Webライターが記事を書く際、重要なポイントのひとつと言えるのが想定読者の特定です。メイン読者の年齢や性別などを推定し、その読者に合った内容や文体を意識することで記事に対する共感度は高いものになります。そういう意味では、若者が想定読者の場合は若者言葉を駆使した記事を書くのもひとつの手です。そうすることで、若者の気分に寄り沿った記事になる可能性が高くなります。
ただ、ここで注意すべき点がいくつかあります。まず、若者言葉は流行り廃りが激しいため、言葉の選択を間違えるとどうにも古くさい文章になってしまうという点です。それに、記事を書いた時点では古びてなくても、数年後には時代遅れの文章になってしまう可能性があります。そして、何より重要なのは、若者全員が若者言葉に詳しいわけではないという点です。
例えば、女子高生の間で流行っている言葉を使って男子大学生をメインターゲットとした記事を書いても、意味が通じない場合があるのです。したがって、若者言葉はよほどターゲットが絞れていない限り、あまり多用しないほうがいいでしょう。ましてや、それが幅広い年齢層に向けて書かれた記事であれば、どの世代にも通用する公用の言葉で書くのが原則となります。Webライターをしている人はそのことをしっかり認識しておいてください。
正しい日本語にこだわる意味
正式な言葉で記事を書こうと思ったのに間違って「まじ卍」や「エモい」などの若者言葉を使ってしまった、などという人はまずいないでしょう。むしろ、注意が必要なのは古くからの言葉を若者が誤用して使っているケースです。
例えば、平成15年度に文化庁が16歳以上を対象に行った国語世論調査によると、「取り付く島もない」と言うべきところを「取り付く暇もない」と認識している人が全体の42%にも上っています。さらに、「的を射る」に至っては正しく認識している人が33.8%なのに対して「的を得る」と答えた人が54.3%と、完全に逆転現象を引き起こしているのです。これは、若者の誤用が次第に世間全般に広まっている様子を示しているとも言えます。
そして、問題はWebライターも知らず知らずの内にその誤用を正しい言葉として認識している可能性があるという点です。こうした誤用もそれを使う人が絶対多数になった時点で正式な表現となる可能性はあるのですが、それまではあくまでも誤用です。Webライターとしては、幅広い読者に記事の内容を正確に伝えるために正しい言葉にこだわる必要があります。
したがって、使い慣れていない言い回しを使うときなどは、それが本当に正しいのかを調べながら書かなければなりません。言葉は時代とともに変化し、どこまでが正しいかを正確に判断するのは困難な面があります。しかし、つねに公式の言葉を使おうとし続けることが、Webライターとしての能力を高めていくことにつながるのです。
こぶたのまとめ
- 若者言葉は仲間内のコミュニケーションを効率よく行うのに便利
- 若者の共感を得るためにはあえて記事に若者言葉を盛り込む手もある
- しかし、若者言葉には知らない人にとって意味が通じにくいという難点がある
- したがって、よほどターゲットが絞れていない限り、公式な言葉を用いるのが賢明
- 若者言葉の影響で、無意識に間違った言葉の使い方をしている場合もあるので、使い慣れない言い回しはよく調べてから書くことが大切