質を取るか?量を取るか?効率の良い文章上達法

質を取るか?量を取るか?効率の良い文章上達法

webライターにとって文章力の高さはかけがえのない武器です。ゆえに、多くの人が現状よりももっと文章力を向上させたいと考えています。しかし、そこで悩むのがその方法です。果たして文章というのは、とにかく量をたくさん書けばうまくなるのでしょうか。それとも、質にこだわった文章を書いたほうが上達は早いのでしょうか。ライティングでお金を稼いでいる人にとっては非常に気にかかる問題です。そこで、少しでも参考になるように、自分なりの回答を考えてみました。

初心者は断然質よりも量

文章上達のために質と量どちらが重要かという問題に答えを出すには、前提条件が必要となります。それは、書き手がどのくらい文章を書き慣れているかです。例えば、上手いか下手とかいう以前に、書こうとしても文章が全く出てこなくて頭を抱えてしまう人がいます。私も最初はそうでした。意気込んでライターの仕事を始めたものの、制限時間内に記事を書き上げることができずに愕然としたものです。そういったレベルの人に文章の質を意識しろといっても、ますます書けなくなるだけでしょう。

ここで大事なのは、とにかく書くことです。それはちょうど、子供が自転車に乗れるようになるまでの過程に似ています。最初に自転車に乗れるようになるまでは、とにかく何度も転びながらコツを体で覚えていくしかありません。文章もそれと一緒で、とにかく書き続けていけば自然と体がコツを覚えて、ある程度は書けるようになります。書き続けろと言われても書けないから困っているという人は、上手く書こうという意識を捨ててどれだけ下手な文章が書けるか競うようなつもりで文字を書き連ねてみてはどうでしょうか。たとえ、どんなに下手な文章でもそれが真剣に書かれたものであれば、量を積み重ねていくうちに文章力は必ずある程度まではアップしていきます。

中級者以降は量から質への転換が大切

最初は量を書くことで上達した文章も、ある程度のレベルに到達すると停滞期に入ります。そうなると、それ以上闇雲に文章を書いても大幅なレベルアップは望めないでしょう。野球選手が何も考えずに何千回、何万回とバットを振り続けても大した意味がないのと同じです。打力を向上させるにはフォームをチェックしながら素振りをしなければなりません。

文章に置き換えれば、闇雲に書くのではなく、推敲に時間をかけながら記事を完成させていくことに相当します。そうすれば当然執筆量は減ってしまいます。しかし、推敲によって蓄積されたノウハウは次に文章を書く時に生かされ、文章の練度はどんどん高くなっていきます。これが質を意識した文章上達法です。

ただし、この方法論をあまり文章の書けない段階で取り入れても逆効果になりかねません。あくまでも、ある程度の執筆量をこなせるようになってはじめて意味のある方法なのです。その転換をいつ行うべきは人によっても異なりますが、プラチナライターにステップアップした時などは良い機会のひとつとなるのではないでしょうか。

文章読本はピンポイントでの活用がおすすめ

質を重視した上達法と言えば、文章読本の類を読みながら文章の質を上げていくという方法論はどうでしょうか。実はこれも初心者にはあまりおすすめできません。私たちが中学・高校と英語を学習してもなかなかしゃべれるようにはならないのと同じで、体系的な学習は、実践的な能力を身に付ける方法としては効率が悪い面があるからです。文章論を学びたいのではなく、文章力を身につけたいのであれば体系的学習よりも実際に文章を書くのが一番です。ただし、文章読本の類がライターにとって全く無意味だと言っているわけではありません。実践を重ねていくとやがて自分の課題が何なのかが見えてくるようになります。

「文章構成がうまくいかない」とか「文章が全体的に冗長な感じがする」などといったものです。課題が明確となっている時にそれについて書いている本をピンポイントで選んで読めば体系的学習に時間を取られることがなく、高い学習効果が期待できます。このように、文章力を効率よく鍛えようと思えば、その段階によって質と量の学習を使い分けることが大切になってくるのです。

こぶたのまとめ

  • 初心者は量をこなすことが大切
  • ある程度書ける人は質を意識するほうが効果的
  • 文章読本の類はピンポイントでの活用がおすすめ

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みんなの感想文

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  • 自転車の乗り方の覚え方や、野球選手の素振りなど、例えが用いられていて理解しやすいと感じました。特に役立つと感じたのが、文章読本の使い方です。まず課題を設定してピンポイントで選んで読むという使い方が示されていたのが、参考になりました。
  • まだまだライティングの仕事を始めたばかりの初心者なので自分の文章に自信が持てません。ひたすら質より量をこなすことが上達への早道だと分かり頑張りたいと思います。早く質の高い文章が書けるライターになりたいです。
  • 質の良いものを書こうとして気が付けば制限時間が来ていた、という経験を私も何回も経験しました。質にこだわるのではなく、量をこなせば文章力はついてくるとのことなので、これからもいろんな記事に挑戦していきたいです。
  • 初心者なのですが、どうやったって書いたらいいのだろうと頭の中で考えて前に進まずに、「文章の書き方」などと言ったサイトを見ては悩んでました。しかし、この記事は最初になにも考えずにとにかく書くことが大切と書いてあり、それなら自分でも実践できることだったので、参考になった上わかりやすかったです。
  • 自分のような初心者に対する素晴らしいアドバイスだと思います。やはり、何事もとにかく実践あるのみで、それはライターの世界でも変わらないのだと、改めて認識させられました。自分も今後、しっかりと励んでいきたいです。
  • WEBライターの仕事を始めて半年程ですが、ちょうど文章をうまく書けなかったり時間がかかりすぎてしまったりして悩んでいました。こちらの記事に量をこなすことで文章力がアップすると書かれていたので、質より量を大切にして経験を積んでいこうと思いました。
  • 私は素人で、最初に何を書いていいのかで毎回詰まってしまいます。文章もスポーツなどと同じように、数をこなしていく上で自然とある程度のレベルまでは書けるようになるものということを知りました。これからは簡単だと思うものから少しずつ活動量を増やしていき、経験を積んでいこうと思います。
  • ライティングにおける文章力の上達法について身近な例に例えることで、まずは質よりも量、その後に質を高めていく、という具体的な上達法を直感的に理解することができました。私も初心者ですので、まずは量を意識してどんどん文章を書き、文章力を高めていきたいと思わせてもらい、背中を押してくれるコラムだと感じました。
  • 何となく感じてはいたことでしたが、理論立てて分かりやすく説明してくれているので、納得することができました。文章力を上げるには経験を積みながら、それぞれの段階で重要なことを念頭に置いて文章を書くことが大切だと気づきました。
  • 文章を書くのが苦手な人は、思いついたことをなかなか文章にできないので、まずは質より量をというのは納得できました。たくさん書くことができるようになったら、もっといい内容を書こうという気持ちにもなりますし、楽しくなってくると思うので、まずはたくさん書けるように練習するのは、その通りだなと思いました
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