まず基本の型を覚えよう!苦手意識を克服するための書評の書き方

書評を書くのが苦手という人の中には、書評の基本的な構造を理解していない場合が少なくありません。だからこそ、どういう手順で書いたらよいのか分からなくなるのです。

そもそも、書評とは何でしょうか?答えは書き手の立場によってさまざまですが、一介のライターにとってのそれは、間違いなく、特定の本の魅力を読者伝えることです。そのことを前提とした上で、書評の基本構造とその書き方を説明していきます。

その本の魅力は何かを箇条書きで書き出してみよう!

本の魅力を伝えるならば、あなた自身がそれについて理解していなければ話になりません。また、理解していても、言葉にできなければ書評を書くことは不可能です。「面白かった」、「凄かった」、「感動した」だけでは書評とは言えません。何が面白く、いかに凄く、どのように感動したのかを具体的な言葉にする必要があります。そこでまず、書評を書く前に、その作品の魅力を箇条書きにしてみましょう。

仮に書き出したものが、「ユーモアが面白い」、「アクションが凄い」、「主人公の心の強さに感動した」だったとします。しかし、これだけでは多くの作品に当てはまることであり、この作品独自の魅力が伝わってきません。書評として用いるには、もう少し具体性が必要です。

「文化の違いからくる主人公とヒロインのかみ合わない会話が面白い」

「万の軍に対し、創意工夫をしながら敵を打ち破っていく、独創性に満ちたアクションが凄い」

「99%負けが確定しても最後まで最善手を考え続ける主人公の不屈の精神に感動した」

このくらい書けば、この作品独自の魅力と言っても問題はなさそうです。そして、箇条書きにしたこれらの文章が書評を書く上での中核となります。あとは、そこに必要な要素を組み込み、肉付けをしていくのです。

ネタばれに気を付けながら概要を書こう!

書評を書く場合、いきなり魅力について語ってもそれがどんな作品か分からなければ、読者はとまどってしまいます。まずは、作品の概要を説明して、この作品がいかなるものかを読者に知ってもらいましょう。そうすることで、作品の魅力が説明しやすくなります。ただ、それが小説などの場合は、特に注意しなければならないことがあります。

最近では、ブログなどを利用して、個人が本の感想を公開することが当たり前になりました。読者の立場からすると、色々な意見を参考にできてとてもありがたいのですが、中には困ったものもあります。レビューと称しながら、そのほとんどがあらすじで占められていて、終盤の展開までネタばれされている場合があるのです。書いている本人は、その作品の面白さを伝えようとしているだけなのかもしれませんが、ネタばれされた読者にとってはいい迷惑でしょう。

書評におけるあらすじ紹介は、あくまでも、基本的な設定やプロットを説明することで作品の魅力を伝えやすくするためのものです。同時に、作品の導入部分だけを紹介することで読者の期待感を煽る役割も果たしています。くれぐれも説明しすぎて読者の楽しみを奪わないように気をつけてください。

作品の背景について触れておこう!

『作品の概要』と『作品の魅力』。このふたつがあれば、一応書評として成立はします。しかし、書評に深みを持たせるには、そこに『作品の背景』を加えればより効果的です。それは、作者の経歴であったり、作品の誕生秘話であったり、あるいは、その作品が属しているジャンル全体の話だったりします。

例えば、「著者は、デビュー作で文学賞を総なめした新進気鋭の作家です」、「この作品は10年の月日をかけて書きあげたもので、完成に至るまでには様々な苦労がありました」、「我が国のミステリーは諸外国にはみられない独自の発展を遂げてきました」といった感じです。これを書くことによって、その作品が決して凡庸なものではない、特別なものであるということを読者にアピールすることができます。

読者にその作品をおすすめして書評をしめよう!

最後はしめの言葉です。書評は、自分の好きな本の魅力を語れたことによる自己満足で終わってはいけません。その最終目標は、本を実際に読んでもらうことです。したがって、最後に、この本が本当におすすめであることを強調する必要があります。「唯一無二の魅惑の世界をぜひ、あなたも味わってください」とか「自信をもっておすすめできる作品です」などいった言葉がそれにあたります。

基本スタイルを身につけてから応用にチャレンジしよう!

【作品の背景】【作品の概要】【作品の魅力】【しめの言葉】

これが書評における基本スタイルです。書評が苦手な人でも、このフォーマットに沿えば、随分と書きやすくなるはずです。ただし、これはあくまでも基本にすぎません。中にはインパクト重視で、あえて冒頭に【作品の魅力】をもってくる書評もありますし、長文の場合、【作品の概要】【作品の魅力】【作品の概要】【作品の魅力】と繰り返しの構成になっている場合も珍しくありません。まずは、基本の型をしっかりと身に付けた上で、他の書き方にも挑戦していきましょう。

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