同じ語尾を繰り返す文章の問題点とその改善方法

同じ語尾を繰り返す文章の問題点とその改善方法

ライティング経験の浅い人が長い文章を書く場合、ついつい同じ語尾を繰り返して続けてしまいがちです。しかし、読み手からすると、そのような文章は単調で稚拙だと感じてしまうものです。
そうなると、たとえ良いことを書いていたとしても記事の内容がなかなか頭に入ってこなくなります。それを回避するには語尾を変化させ、メリハリをつけることが重要です。

そこで、どのような点に気をつけて書けば語尾の繰り返しを回避できるかについて説明していきます。

同じ語尾を3回以上続けるのはNG

最初に以下の例文1を読んでください。

例文1
人工知能の研究が始まったのは1950年代に入ってからです。
これがいわゆる第1次AIブームと呼ばれるものです。
そして、第2次AIブームが始まったのが1980年代に入ってからです。
さらに、その30年後、2010年代に入ってから世間の大きな注目を集めることになったのが第3次AIブームです。

この文章では、「~です」という語尾が4回連続で続いています。このように、語尾に同じ言い回しが続くと文章が単調に感じられ、読み手にとって内容の理解しづらくなってしまいます。

文章を書く際には同じ語尾はなるべく続けないことが重要です。しかし、同じ語尾の繰り返しが全くない文章を書くのは想像以上に大変なことです。

そこで、文章を書くときは2回連続使用することは許容範囲として、3回以上連続で同じ語尾が続かないようにします。まずはこのポイントを頭に入れたうえで記事を書いてみましょう。

スムーズに語尾を変化させるためには語順の入れ替えが有効

例文1の文章を、3文目の語尾に変化をつけて書き直すと以下のようになります。

例文2
人工知能の研究が始まったのは1950年代なってからです。
これがいわゆる第1次AIブームと呼ばれるものです。
そして、第2次AIブームが始まったのは1980年代に入ってからでした。
さらに、その30年後、2010年代に入ってから世間の大きな注目を集めることになったのが第3次AIブームです。

このように、3文目の語尾を変えるだけでも「~です」という語尾が4回連続で続くのを防ぎ、文章全体が単調になるのをある程度回避しています。しかし、文をそのままにして語尾だけ変化させるのには限界があります。語尾だけを変化させると文章が不自然になってしまう場合があるからです。

現に、例文2の「そして、第2次AIブームが始まったのは1980年代に入ってからでした。」という言い回しも、前後の文との繋がりが不自然になってしまっています。

その場合は、文の語順を入れ替えてみることがうまく語尾を変化させるコツです。そうすることで、語尾の表現を自然な形で変化させることができ、前後の文とのつながりもよりスムーズになります。
それを行ったのが以下の例文3です。1文目と3文目の語順を入れ替えることで、自然な形で語尾を変化させることに成功しています。

例文3
1950年代になると人工知能の研究が始まりました。
これがいわゆる第1次AIブームと呼ばれるものです。
そして、1980年代に入ると第2次AIブームが始まります。
さらに、その30年後、2010年代に入ってから世間の大きな注目を集めることになったのが第3次AIブームです。

「だ・である調」よりも少ない「です・ます調」の語尾のパターン

文章の種類には「です・ます調」と「だ・である調」がありますが、このなかで語尾のバリエーションが豊富なのは後者のほうです。

「です・ます調」の語尾のパターンは「~です」「~ます」「~でしょう」「~ください」程度しかないのに対して「だ・である調」の場合は「~だ」「~である」「~といえる」「~だった」「~ない」「~できる」「~らしい」など、「です・ます調」に比べて2~3倍程度のバリエーションがあります。
したがって、文章を書くときには「だ・である調」のほうが語尾の変化をつけるのは容易なのです。

しかし、Web記事を執筆する場合は「です・ます調」で書くようにと指定されているケースが多いため、限られたバリエーションをフルに使っていかに文章にメリハリをつけるかが大きなポイントになってきます。

まずは「です・ます調」における語尾のパターンをすべて覚え、ひとつの文を異なる語尾で書き分けられるように練習をしていきましょう。そうしておけば、読みなおして3回以上同じ語尾が続いていることに気づいた場合、書き直ししやすくなります。

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こぶたのまとめ

メリハリのある文章を書くためには、語尾の変化をいかにつけるかが大きなポイント

  • 同じ語尾が続くと読み手は単調で稚拙な文章だと感じてしまう
  • 3回以上同じ語尾が続くのはNG
  • 語尾の表現にはどのようなパターンがあるかあらかじめ頭に入れておく
  • 語尾の表現だけを変えるのが難しい場合は文全体の語順を入れ替えてみる

語尾の表現を変化させることを意識して読みやすい文章作成を心がけていきましょう。
 

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みんなの感想文

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  • 文章を読んでいて、文末を気にしたことはなかったのですが、いざ自分が書いてみると、同じ語尾ばっか繰り返していることがありました。「です・ます調」のバリエーションは少ないからこそ、上手く考え不自然にならない文章を書けるようになりたいと思いました。
  • 私自身、文章を書く時に最も意識するのが文章にある語尾の部分です。順番を入れ替えるのは良くやりますが、様々な語尾のバリエーションを知れたのは新たな発見でした。でしょうは今まであまり使って来なかった語尾なので上手く活用したいと感じました。
  • 初心者でまだわからないこともあるので、同じ語尾が3回以上続くとNGという点は参考になりました。また同じ語尾が続くと、読み手は稚拙な文章だという印象を受ける、という話も、確かに言われてみるとそうだなあと思いました。今後語尾にはよく気をつけるようにします。
  • 同じ語尾を連続で使用した際に、文章がどのようにくどくなるのか例文を使用して説明しておりわかりやすかったです。また、どのように変化させれば表現の捉え方が変わるかわかりやすく解説しており、改めて文面による表現方法を考える良い機会になりました。
  • 文章を書いていると、同じ語尾を繰り返して違和感のある文章になっていることがよくあります。同じ語尾が続かないように気を付けたいです。「です・ます」調の語尾のパターンが少ないというのは今まで意識していませんでしたが、確かにその通りだと思いました。新たな発見ができてよかったです。
  • 「同じ文末を繰り返すと読者は単調、稚拙と感じてしまう」ということが例文からよく理解できました。「です・ます調」は「だ・である調」に比べて語尾のバリエーションが少ない、とはそういう風に比較したことがなかったので「なるほど」とひざを打ちました。
  • 「です・ます調」の場合、いつも単調な文章になりがちなことが悩みです。しかし、語尾のバリエーションを増やすことでリズム感が生まれ、メリハリのある文章になることがよく分かりました。「同じ語尾を3回以上続けるのはNG」という具体的なポイントも、今後のライティングの仕事に生かせそうです。
  • 文章の語尾について意識したことがなかったので大変参考になりました。例文を読むと、確かに同じ語尾が続くと読む気が続かなかったので、記事にあったように少なくとも3回の連続は避けるように文章作成したいと思います。自分の書いた文章を見直す際の客観的な指標の一つとして利用したいです。
  • 自分の書いた文章を読み返してみて、「なんだか作文みたいだな」とがっかりしていましたが、その原因が分かりました!語尾の繰り返しが幼稚な印象だったからですね。気にしたことのない観点で、目からウロコでした。
  • 私がこの記事を読んで一番深く印象的に残ったことは、同じ語尾を繰り返すと逆に読みづらくなるという点です。確かに似たような文章が淡々と続く場合、単調的になり読み手も飽きて読む気がなくなってくるのではないかと思いました。
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