「書く」能力を鍛えるためのポイントが詰まったライター必見の1冊

「書く」能力を鍛えるためのポイントが詰まったライター必見の1冊

質の高い文章を書くためには「書く」能力を高めることが大切です。しかし「書く」能力だけでは、自分の思いを相手に伝えきれない場合もあります。そんなときに参考にしたいのが『伝える力』(池上彰著、PHPビジネス新書)です。

ビジネスマンを中心に人気を集めたこの本は、ベストセラーとなっているので、知っている人も多いかもしれません。ここではライターとしての観点から、改めてのこの『伝える力』の魅力に迫ってみたいと思います。

話す能力と聞く能力を鍛えよう

『伝える力』では、「書く」「話す」「聞く」の3つの能力を鍛えることで、伝える力が身につくと紹介しています。この中でライターとして最も重要なスキルは、言うまでもなく「書く」スキルでしょう。けれども「話す」スキルと「聞く」スキルを学ぶことで、さらに文章に磨きをかけることが可能となります。

まず「話す」スキルですが、これはメリハリのある文章へと繋がるでしょう。人と話をする上で、私たちは知らず知らずに文章を構成立てて話をしています。この構成が上手な人の話は、とても心地の良いテンポで相手を惹きつけるのです。つまりこの話し方のテンポをつかむことができれば、それを書く力に応用することが可能となるのです。

次に「聞く」スキルですが、これは説得力のある文章へと繋がるでしょう。まずライターとして文章を書くためには、下調べが必要不可欠です。もちろん自分の得意分野であれば、最小限の情報収集で文章を書けるかもしれません。けれども、より質の高い文章を書こうとすると、必ず「調べる」という作業が発生します。調べるためには本やインターネット上のさまざまな情報に触れることになるでしょう。このとき聞く力を鍛えておくと、膨大な情報の中から重要なワードを的確に判断することができるようになります。

このように一見関係なく思える「話す」「聞く」というスキルの中にも、ライターとして大切な心得が含まれているのです。

ジャンル別!書き方のコツがわかる1冊

『伝える力』をライターにおすすめする理由としては、文章の書き方をジャンル別に紹介している点です。ライターとして活動するにあたって、政治・経済をはじめとするお堅いジャンルから、美容・恋愛といった娯楽要素の強いジャンルまで、幅広い分野に触れることになります。もちろん1つの分野に的を絞って活動しているライターもいますが、ライターの多くは複数のジャンルの仕事を請け負っています。

こういったさまざまなジャンルの文章を書くうえでは、その読み手を意識して作成することが大きなポイントとなります。つまりジャンルによって求められている書き方が異なるのです。この異なる書き方を鍛えるために役立つのが『伝える力』です。本書では、ビジネス文書の書き方だけでなく、誰でも理解できるような簡単な文章の書き方まで紹介されています。つまりライターにとっては、どんなジャンルを書くことになっても応用が可能な、まさに夢のような1冊となっているのです。

また具体的に使ってはいけない言葉や表現なども紹介されています。ライターとしての駆け出しの頃は、この使ってはいけない言葉や表現を意識するだけでも、文章の質をグッと上げることができるでしょう。

文章力をアップさせるための秘訣

『伝える力』の中では、文章力をアップするための秘訣がいくつも紹介されています。書いた文章をプリントアウトして客観的な視点から振り返ってみたり、家族や友人に文章を読んでもらったりするなど、すぐに実践できるものばかりです。

文章力をアップすることは決して難しいことではありません。けれども自己流で続けるのは難しい分野でもあります。そんなときの手助けとなるのが本書なのです。著者である池上彰氏が自らの経験をもとにして書いたこの本には、相手に伝わりやすい話をするためのノウハウが詰め込まれているのです。

ライターとしての活動に興味がある人や、ライターとしてのスキルを上げたい人は、ぜひ1度読んでみるべきおすすめの1冊となっています。

今回紹介した本について

  1. 書籍名:伝える力
  2. 著作者:池上 彰

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みんなの感想文

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はい・・・9人 / いいえ・・・1人
  • 学生の頃に「論文・レポートの書き方」のような本はいくつか読んだのですが、論文やレポートはある程度形式ありきで、内容を伝えるという部分は重視されていないので、紹介されていた池上さんの著作を読んでみたいと思いました。
  • この本については紹介されている内容の通り、とても参考になる記載がいっぱいあります。しかし、既にこの本を読んでしまっていたため、「いいえ」を選択しています。読んでいなければ間違いなく「はい」を選んでいると思います。
  • 話す能力と聞く能力を鍛えることによって、ライティング能力も向上できるとのことで、今後大切に感じていきたいなと思いました。日ごろから相手の立場に立って文章のみならず会話でも分かりやすく伝えることができるようになりたいです。
  • この記事で紹介された本は書く能力だけでなく、話す能力、聞く能力も鍛えることが出来る本ということで、常日頃上手く自分の考えを伝える事が出来ずもどかしい思いをしていたので、この記事の本を購入して参考にしていきたいと思いました。
  • 文章力アップに結びつくポイントが具体的に記されており、読み手が分かりやすい記事を書く時の注意点を理解することができました。また、文章の質を高めるために活用できる書籍の紹介文についても丁寧に書かれていて良いと思います。
  • 良質な記事を作成するためには「書く能力」が必要不可欠だと思いますが、それだけで相手にきちんと伝えられるケースがあることが解かりました。本当に言いたいことを伝えるためには、聞いたり、話したりする能力も必要となる部分が、とても印象的でした。
  • 「話す」力と「聞く」力がライターとしての能力をアップする、という第一段落には疑問を感じました。理由を読んで少しは納得しましたが、根拠としては薄いような気がしました。第二段落の「使ってはいけない表現」や「ジャンル別(伝える相手別)の書き方」には興味が湧き、読んでみたい本だと思いました。
  • もともとこの本を持っていたので、参考になりました。話題の本だったので読んだのですが、この記事に書かれているようなことを意識して読んでいたわけでは無かったので、また一から読み直してみようと思います。書く力が付くような気がします!!
  • 書く力を鍛えるためには、話す力と聞く力を向上させることも大切であるということを事例を交えて教えてくれています。また、解説に定評のある著名人の書籍に基づいた内容になっているため、説得力が増していると思います。
  • ライターがいかに奥深い職業であること、そして成長するためには書く能力だけでなく、話す、聞く能力も必要であることがわかりました。話すことで文章を構成する力が上がること、聞くことで説得力のある文章が書けるようになるという点は、今後のスキルアップに役立てていきます。"
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