ライターの本音【藤田ひかり編】

ライターの本音【藤田ひかり編】

私は個人のクライアントと直接やり取りをして記事を執筆することがあります。いろいろな方がいらっしゃって、執筆後の感想もダイレクトに届くので、こうしたやり取りは非常に楽しいものです。その一方で、クライアントの求めているものをイメージするためにそれぞれのご依頼に応じて具体的なやり取りが必要となるので、なかなか大変です。改めて考えると、依頼を受けた時点で書くべき内容をイメージできるサグーワークスの案件はライターにとって非常にやりやすいものです。

クライアント、webライターにとってより良い募集要項とは?

執筆前の打ち合わせにおける最終目標、すなわち募集要項の目的は、お金を払ってクライアントが得たいと考えている記事の全体像をイメージできるようにすることです。そのために文章のジャンル(コラム、ブログ、体験談、説明文、商品紹介など)、文末表現(ですます調、である調、話し言葉の可否)、目線(第三者目線、専門家目線、主観など)、NG表現の有無(固有名詞の可否、主観表現の可否、ネガティブ表現の可否など)を尋ねて、段落構成をします。

サグーワークスの案件の中にはこの段落構成までをすでに行ってくれているものもあります。段落ごとに固定タイトルがあれば何を書けばいいのかをすぐに把握することができるので、ライターとしては非常に助かります。さらに中にはより具体的に記載すべき内容まで募集要項に掲載されていることがあり、一目見て記事の全体像を想像できるものまであります。

固有名詞NG!その真意は?

一方で募集要項がすでに固まっていることから生じるデメリットもあります。たとえば固有名詞不可の案件。固有名詞とは、特定のものだけに与えられた名称のことで、人名、会社名、書名のみならず、地名や国名、年号なども含みます。たとえば「日本で最も面積の広い県は岩手県です」にも固有名詞が含まれていることになります。固有名詞不可としている理由はクライアントによってさまざまでしょうが、たとえば「特定の会社に迷惑をかけたくない」といった理由であれば、地名や国名、年号については出しても問題ないはずです。

こうした募集要項に出会うと「とある地域」や「とある調査」などとぼかしていますが、「岩手県では」や「イギリスの調査」など固有名詞を出した方が説得力を増すのではないでしょうか?固有名詞の範囲が広すぎるので、できればその範囲をもう少し限定していただきたいというのが本音です。また、「最低限必要」というのも、ぼかせるならぼかした方が良いのか、記事の価値が上がるならば問題ないのか判断に迷う言葉です。

抽象的な言葉はなるべく具体的なものに

クライアントのイメージを聞き取り、段落構成を練るにあたって、通常1文、2文でやり取りが済むことは少なく、時には10行にわたる長文が送られてくることがあります。その内容を第三者に伝えるには、情報を取捨選択して要約することになりますが、要約や抽象化によって内容が伝わりにくくなることがあります。逆にクライアントから短文で伝えられた場合に掘り下げて訊かないと内容を把握できないことがあります。

たとえば「重要」とだけ記載されていても、クライアントがどういった分野、項目について重要だと考えているのかはわかりません。このため、2つ目の本音としては「希望があるならなるべく具体的に記載していただきたい」ということです。もっとも、私が直接依頼を受注する場合、「お任せで!」とおっしゃる方も多くいます。このような時には、私の中で重要と考えるポイントを厚く書くようにしており、サグーワークスでも募集要項に詳細がない場合には自分で判断して執筆しています。

結局のところ、サグーワークスの募集要項に関する不満はないのかもしれません。クライアントの方が求める記事を受け取れるように、ライターが書きやすいように、作成されていると感じます。

こぶたのまとめ

募集要項の目的:クライアントの望む記事の全体像をイメージできるようにすること
希望のある点については、抽象化、簡潔化することなく、なるべく具体的に伝えてほしい。
たとえば固有名詞については、どこまでの固有名詞なら大丈夫かを明記してほしい。

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みんなの感想文

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  • これからライターを目指すとき、実際に活躍している方の本音を知るのはとても参考になります。今回の記事も、同年代の女性の具体的な実体験と仕事へのノウハウが記されていて、自分が同じ状況になったとき、実践的に役立つと感じました。
  • 自分もライターをしていますが、固有名詞NGの案件にはいつも苦労させられていました。しかし、この記事を読んで、固有名詞の判断もグレーゾーンが多いことがわかりました。皆さん同じようなことに悩まされているものだと共感しました。
  • 記事を作成する際に、この固有名詞は使っていいのかなどの疑問を感じることがありました。しかし、サグーワークスでは、具体的にどの範囲までとの記載があるので、わかりやすいと思います。しっかり説明を受けることで記事作成の意欲が沸くので、具体的に書いてあって、ありがたいです。
  • 中傷的な表現を避けるべき理由が分かりやすく例示されていたのでためになりました。また、固有名詞などの使い方に特に気を付けることで、相手方のニーズに合った文章を作成することができることが良く分かりました。
  • クラウドソーシングでライティングをしていますが、指名でお仕事を頂くことがあります。そんなとき固有名詞の扱いに戸惑うことが多かったのですが、なるほど一言で固有名詞といっても、地名や国などに関しては使用可の場合もありえるのですね。今後はクライアントさんに事前確認しようと思いました。
  • ライターの藤田ひかるさんの意見はとても参考になります。固有名詞は、特定の場所に迷惑を掛ける場合もあるので、使用の仕方には注意が必要ですよね。クライアントが出した仕事の要項をライターがしっかり理解する事が大事です。
  • サグーワークスは具体的な依頼内容になっているので、とても記事が書きやすいことが分かりました。また、固有名詞の使用の仕方はプロのライターでも悩んでいることを知りました。私もたまに難しいと感じるので、共感できます。
  • クライアントが期待する文章を書くために必要な事柄について詳しく把握することができました。ウェブライターから好まれやすい募集要項の内容や当工場の注意点についても具体的に示されているところが良いと思います。
  • 内容そのものはとても共感できましたが、具体的に役立てるチャンスはなさそうです。発注する側にとってはきっと有用な記事なのでしょう。「そうそう、わかる」という部分は多かったので、読んでいて何度も頷いてしまいました。
  • 私自身、募集要項について悩む事が多かったんです。固有名詞NGの案件って、本当に困りますよね。もっと具体的に何は良くて何がダメなのか言ってもらえると、書く側としても助かりますね。そういうクライアント側の考えの、しっかりと汲んで書く事も大切という事でしょうか。
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