方法的懐疑~webメディアに携わる人の心構え~

方法的懐疑~webメディアに携わる人の心構え~

メディアに携わる方にとっては情報が命と言えるでしょう。自分が仕入れた情報を元に他人にわかりやすく伝わるように整理・発信することがメディアの役割なので、情報にどう向き合うか?どう接するか?という点については自分なりの哲学や信念を持っている方が多いのではないでしょうか。そんな哲学のひとつとして、デカルトが述べる「方法的懐疑」はメディアに携わる多くの方にとってかなり有効な考え方だと思います。ここでは方法的懐疑とは?という点からメディアに携わる際に持っておくといい心構えについて述べます。

そもそも「方法的懐疑」って何?

冒頭に述べた「方法的懐疑」という言葉はもしかすると聞いたことがない人が多いかもしれません。方法的懐疑とはデカルトが述べた考え方であり、少しでも疑いの残るものは偽りとして廃棄し、全く疑いの余地のない絶対に確実なものが残るかを探ろうとする姿勢を指します。その疑いを晴らすためにさまざまな文献に触れることはもちろんのこと、書物から離れて多くの人々と交流し、自身の目で真実を求め、体験していこうとしていたそうです。わずかでも疑いのあるものは排除しようとする姿勢からは、真理に近づくために有益な情報のみを求めようとする厳格な基準が感じられます。

自分の接している情報は本当に正しいのか?健全な疑いを持ち続ける重要性とは

いきなり冒頭から哲学的な話をしてきましたが、正しい情報を求める、という姿勢は哲学者のみならず、メディアに携わる私たちにも必要な姿勢ではないでしょうか?情報が溢れている現代社会において、ライターとして本当に有益な情報や信用に足りる情報を提供していくためには、インプットする情報の質が非常に重要になってきます。調べたい事柄についてネットで検索すれば膨大な情報にアクセスすることができます。しかし、それらの情報が全て真実であるとは限らないことは広く世の中に知られています。

そこで、情報収集する際には「今知った情報は本当に正しいのか?根拠があるのか?」というように疑いの気持ちを持ちながら情報にアクセスするといいでしょう。このような気持ちを持って情報に触れると自然と情報の根拠を探る姿勢が出てくるため、情報収集の精度が高まる効果も期待できます。

メディアに携わる人にとっての必須能力

膨大な情報の中から抽出した情報に対して懐疑的な視点を持ち、情報を見極め、取捨選択する能力は全てのメディアに携わる方にとって必須の能力と言えるでしょう。というのは瑣末な情報や信頼に値しない情報はすぐに消えていく運命にあるからです。消えていくだけならまだいいのですが、情報の伝播速度の早い現代においては信頼に値しないと言うことが知られると、その先メディアとしての機能を果たすことはほぼ不可能になってしまうこともあり得ます。そうなってしまうとせっかくいい情報を発信したいと思っても見向きもされなくなってしまうため、ライターはおろかメディアに携わる資格を失ってしまうことになるでしょう。そのため、取捨選択能力は必須能力となるのです。

こう書くと難しそうと思われるかもしれません。ですが、きちんと情報元を探りに行こうという意識を持つだけでその能力は高まっていくものです。ライターとして活動していくことを考えている方やメディアに携わりたいと考えている方は、先に述べたようにまず自分が情報に触れた時にその根拠を探ろうと意識してみることから始めてみるといいでしょう。その積み重ねが実際にメディアに携わる立場になった時に必ず活きてきます。

こぶたのまとめ

  • デカルトの方法的懐疑はメディアに携わる人にも役立つ考え方
  • 情報の根拠を探ろうとする姿勢を持つように意識することから始めるといい
  • その姿勢を失うとメディアに携わる立場から退場させられるリスクも

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みんなの感想文

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  • 自分が接している情報の真偽を判断することは、文章を作る際にもとても役立つと思いました。特に、ウェブメディアに携わるうえで、日ごろから情報を収集したり判断したりする能力を身に付けることの大切さを感じました。
  • 方法的懐疑という言葉を初めて知りました。情報の正しさを常に考え疑問を持つことが重要で、メディアに関わる方にとって大切な要素だと理解できました。わたしも記事制作で、このような考えを活かしていきたいですね。
  • 疑わしきは罰せずという言葉がありますが、自らが情報を発信する立場となるライターにとって、情報の取捨選択に対しては、疑わしきは罰する厳しさが必要ということですね。そしてその取捨選択を見極める能力を如何に磨くか、またそれがこの先の自分にどれだけ大切かを教えてもらいました。
  • ライティングの文章の質を高めるうえで、情報の信頼度に注目をすることの重要性が分かりました。特に、読み手に説得力のある記事を書くために、日ごろから信頼のおけるツールを利用した情報収集を欠かさずに行いことが大事だと思いました。
  • 文章そのものの説得力を高めるために、情報収集の際には情報源の真偽にこだわることが重要だと改めて感じました。また、日ごろから取捨選択能力をアップさせることで、ライターとしての信頼度の向上にもつながると思いました。
  • WEB記事ではしばしば問題になるテーマで、自分も気をつけなくてはいけないなと感じさせられました。調べ物というのは大変なので、ついつい目先の情報に飛びついてしまいがちです。しかし、それではいけないのだと教えられました。
  • 正直言って、この記事を読むまで「方法的懐疑」という言葉自体を私は知りませんでした。聞きなれない言葉や哲学的な話も混じっていたので理解するのに多少時間はかかりましたが、誰が読んでも分かりやすいように解説されていたので、ある程度のことは理解できました。メディアに携わる人間として必要なことだと思います。
  • 方法的懐疑なんて言葉あったんですね。ライターにとって、確かに正しい情報を見つける事って重要だと思います。私も良くネットの情報を参考に記事を書くので、情報収集する時は本当に正しい情報なのかしっかり判断しようと思います。
  • 私もまだまだ初級者ですが、ウェブライターの仕事に携わる人間としてプロ意識が欠けているものが多く、反省しました。ほかのサイトの情報を参考にして記事を書くことが私も多いのですが、しっかりと正しい情報を取捨選択したいなと思いました。
  • メディアが流す報道に対して、わたしたちの多くが勝手に「裏付けが取れているんだろう」と仮定してしまいます。それどころか、語られていないことまで勝手に補足してしまう傾向があるので、疑うことを基本的な態度にすることは有効な方法論だと思いました。
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