ちょっとの工夫で大きく変わる!読みやすい文章を書くための技法

ちょっとの工夫で大きく変わる!読みやすい文章を書くための技法

ライターでなくても「文章を書く」ということは、日常のなかで頻繁に経験することでしょう。上司への報告書を書いたり、友人にメールを打ったりと、あまりにも自然に普段の生活のなかにその場面は現れます。そのなかで、自分の伝えたいことが相手に伝わらなかったり、誤解されてしまったりという経験をしたことがある人は少なくないでしょう。そこで今回は「もっとうまく文章が書ければ…」と悩んでいる人のために、文章を書くうえでのちょっとしたコツをご紹介します。

文章は短くシンプルに

日本語の文章は「~する、~した」という述語の部分が最後にくる構造になっています。英語と比較するとわかりやすいですが、英語は主語のあとにすぐ述語が続くので「誰が」「何をした」というのがすぐにわかります。しかし、日本語では最後の最後まで読まないとそれがわかりません。そのため、ダラダラと長い文章を書いてしまっては、何を伝えたいのかわかりにくく、読み手を苛立たせてしまうこともあります。

例えば、以下の文章を見てください。

私は幼い頃身体が病弱でよく入院していましたが、そこで出会う看護師さんはみんな親切でとても優しく、患者のことを第1に考えており、そんな看護師さんに憧れて、私も看護師になりたいと思いました

余計なところを削り取れば、この文章は

私が看護師になりたいと思っている

という内容です。しかし、その合間にさまざまな文が読点で繋がれており、そのせいで文章全体がぼんやりしたものになってしまっています。このように、書きたいことが多い場合には、ひとつひとつの文は短くまとめ、接続詞をうまく使って繋ぐことで、すっきりとした文章が作れます。先ほどの例文も「私は看護師になりたいと思っています。なぜなら~…」といったように、接続詞を使うことで文を区切ることができるでしょう。

ひらがなもうまく使って

最近では、手書きではなくパソコンやタブレット、スマートフォンを使って文章を書く機会も多いでしょう。こういったデバイスなら、難しい漢字でも間違いなく変換してくれますので、漢字が思い出せなくて辞書を引く、なんて手間もありません。しかし、簡単に変換できるがゆえに、不必要に漢字を使用してしまい、そのことが文章をわかりにくくしていることがあります。

例を見てみましょう。

生憎の雨で待ち合わせに遅刻するかと思ったが、彼女も丁度到着した所だった

声に出して読めば違和感のないこの文章も、このように文字に起こされると何だかわかりにくい、と感じる人もいるのではないでしょうか。「生憎(あいにく)」「丁度(ちょうど)」などの副詞まで変換してしまうと、漢字だらけの文章になってしまい、読み手にカタイ印象を与えてしまうことがあります。また「遅刻」「到着」といった熟語を多く使うことも「漢字だらけ」という印象を作りかねません。「遅刻→遅れる」「到着→着いた」など、別の言葉に言い換えることで、文全体の印象を変えることができます。漢字が多い文書は一見スマートに見えるかもしれませんが、読み手にとっては負担になりかねません。文章を作ったあとに「ほかに言い方はないかな?」と見直し、とっつきやすい文章を心がけるようにしましょう。

読点で読み違いを防ぐ

文と文を繋いだり、区切りをつけたり、読点は文章を作るうえで欠かせません。しかし、読点の役割はそれだけでなく、文の意味を限定し、間違った解釈をさせないためにも使われます。

例えば、以下のような文章があるとします。

母は泣きながらキッチンにいる私を呼んだ

この文章だと、泣いているのが「母」なのか「私」なのかがわかりにくく、2通りの解釈ができる文章になってしまいます。「母は、泣きながらキッチンにいる私を呼んだ」このように読点を打てば、泣いているのは「私」だとわかります。「母は泣きながら、キッチンにいる私を呼んだ」と、読点の位置が変われば、泣いているのは「母」だと解釈できます。このように、読点を入れることで文章の意味をコントロールすることができ、読み手に誤った解釈をさせるのを防ぐことできます。

読点をうまく使い、自分が伝えたいことを伝えられる文章を作りましょう。どこに打てばいいのかわからない、というときには音読をおすすめします。文を声に出して読んでみると、必ず文が切れる箇所があります。そこが読点を打つべき場所です。慣れないうちは音読をしてみて、ひとつひとつの文章を丁寧に確認することで、わかりやすい文章が目指せます。

自分本位にならない!

間違った文法を使っているわけではないのに、言いたいことが伝わらない、という人は、ここで紹介した技法を使うことで、文章が大きく変わるかもしれません。1番大事なのは「読み手のことを考える」ことです。読み手を無視した文章はひとりよがりで、ただの自己満足の文章で終わってしまいます。文章を短くする、ひらがなを使う、読点を打つ、こういった読みやすい文章を書くための技法も、読み手のことを無視していたらすべて空回りに終わってしまうでしょう。「小学生にわかる文章」と「大学生に伝わる文章」では、自然と使う言葉や漢字が変わってくるはずです。「誰が自分の文章を読むのか?」ということを考えるクセをつけていけば、自然とわかりやすい文章を意識できるようになるのではないでしょうか。

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みんなの感想文

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  • ライティングを行う際にどうしても読みにくい文章になってしまうので困っていました。しかしこの記事では読みやすい文章を書くためのコツが分かりやすく書かれており、非常に勉強になりました。これから、文章を書く際はこの記事を意識していきたいと思います。
  • 読み手の事を思いながら文章を書くことがとても大切だなと改めて感じました。自分では頭の中で情景を描きながら文章を作成していても、句読点や主語を正しく使わないと間違った印象を与えてしまいますね。シンプルかつわりやすい言葉選びをしていこうと思います。
  • 実際の文章例でちょっとした工夫で読みやすい文章になることを知り、とても為になったし自分もすぐ実践できそうだなと思いました。句読点の使い方次第で読み手の読みやすさも変わるようなので今後はしっかり配慮していきたいです。
  • 自分本位にならない、という部分を読んで、ライターの仕事は文章を通してコミュニケーションを円滑にする、という事を改めて認識しました。シンプルな文章の部分も、それを裏付けてくれている気がして、自分のライター活動の参考になりました。
  • 読みやすくするために、あえて「ひらがな」を使うというのは目からウロコでした。できるだけ漢字が多いほうがいいと思いこんでいました。あまり漢字が多すぎるとかえって読みにくくなってしまうので次から気をつけたいです。
  • 相手側のことを考えて文章を組み立てる大切さを学びました。実際にスマートフォンでは変換機能に頼りすぎて、漢字ばかりの文章になっていたかもしれません。別の言い方に直して読みやすくすることを普段から心掛けていこうと思いました。
  • 読みやすい文章を書くときのコツがこちらの記事で色々わかりました。読み違いを防ぐためにも読み返してみて、わかりにくい文書はしっかりと訂正することが大切ですね。文章が自分本位になって読みにくい事が自分自身も結構あるので文章を書くときには気をつけたいです。
  • 私は文章を書く上で、一文が長くなりすぎないように日頃から気を使っています。しかし、ひらがなも上手く使うという所までは気が回らなかったので参考になりました。確かに記事の例文にある通り、あえてひらがなを使った方が読みやすくなる場合はありますよね。
  • 分かりやすい文章を書くのは難しいと思っていました。ですが一文を短くしたり、使用する漢字を少なくするなど、すぐに実践できるコツを知ることができました。ライティングはもちろん、日常のメールでも使用できるテクニックなので、ぜひ使ってみたいと思いました。
  • 文章を短くしたり、ひらがなを使ったりするだけでも読みやすい文章になるようなので、早速実践してみようと思います。また自己満足の文章にならないように読み手のことを考えてわかりやすい文章が書けるようになりたいです。
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