文章力を鍛えるシリーズ5<文章は簡潔に書く>

文章力を鍛えるシリーズ5<文章は簡潔に書く>

シリーズ5回目のテーマは「文章は簡潔に書く」です。簡潔に書くというのはただ短くすればいいというわけではなく、必要な情報をちゃんと盛り込んでいることが必須条件となります。今回はそのテーマに沿って例を出しつつ、簡単に解説していきます。

長い導入部分はいらない

記事の形式として大体タイトルの次は100~200文字程度の導入がありますが、おそらく多くの人は読み飛ばしています。特に『確定申告のやりかた』のような「事象の説明」ではなく、『ゲームのアイテムの場所』のような「一言で済む問いの答え」を探している読者にとっては導入なんて全く必要のない部分です。

ブログ運営の経験がある方はご存知でしょうが、ネット記事における読者の滞在時間は短いとほんの数秒、長くても1分ほどの平均値です。しかも数秒で別ページに離脱(ページを離れること)する読者の割合はどのサイトでもかなり高く、その記事を読むかどうかを読者は一瞬で判断します。

長い導入があるとそれだけで嫌気がさして消えていく読者も多いのです。探せばいくらでも似たような記事がある時代なので、第一印象が悪い場合は他の記事を探した方が早いと判断されてしまうわけです。簡潔に書くこと、そして結論は最初に出しておくことが読者への第一印象をよくするポイントだと言えます。

主語を見失わないように1文は短くする

実際に読むにあたって1文の長さは50文字以内がよいと言われています。ちなみに今の1文がその範囲に収まる文字数です。「1文が長い文章=悪い文章」というわけではありませんが、長引くほどに主語が曖昧になりやすくなるのは間違いありません。まずは例を挙げてみましょう。

これは想定されていた読者に対し、より効果的でわかりやすい情報を提供することで、情報メディアとしての成長を促して最終的に読者層の拡大を目指すことを目的とした資料です。

全部で81文字になりました。最後まで「資料」という主語を出さず、とにかく1文内に情報を詰め込んだ文章です。文章の意味はちゃんと伝わりますが、さすがに長すぎてわかりにくいのは確かですね。ではこれを修正してみます。

この資料は読者層の拡大を目的としたものです。より効果的でわかりやすい情報を読者に提供し、情報メディアとしての成長を促します。

2つの文章に分け、主語となる部分を一番最初に持ってきて明確にしました。この方が間違いなくわかりやすい文章です。ポイントは「主語を明確にする」ことなので、まずはメインの主語と動詞を長い1文から切り離しましょう。

冗長な表現とは?

過去の記事で何度も注意してきた冗長な表現。つまりは無駄で長ったらしい文章ですが、そもそもそれはなんなのかということです。まずは下に例を挙げてみます。

私の知り合いにはとても頭のいい人がいる。彼はとても頭がよく、計算がとても速い。他の人では到底できないような計算も暗算で一瞬で出来るくらい頭がいい。

とても頭の悪そうな文章になりました。ほとんど同じ内容を繰り返し3回も、しかも3文に分けて言っています。これを修正してみましょう。

私には一瞬で暗算できる頭がいい知り合いがいる

重複する内容やそこまで重要ではない情報を削るとここまで簡潔にできます。読み手が感じる印象もかなり変わってくるでしょう。この例はかなり極端なものですが、記事において冗長な表現になりがちな原因はほとんどが「文字増し」です。

なんとか規定の文字数まで増やそうとした結果、主語を何度も出したり同じ内容を繰り返したりすることで文字数を無理やり増やすのです。もちろん文章として美しくないですし、ルール違反でもあるので校正段階で間違いなく突っぱねられます。雑な文章にはライターの意思が反映されるので、あからさまな文字増しはしてはいけません。

▼読者に伝わりやすい文章は簡潔な文章です。
サグーワークスに無料ライター登録をして実践していきましょう
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こぶたのまとめ

  • 長い導入は第一印象が悪く、読者が逃げていく
  • 主語を簡潔にし、1文はなるべく50字以内に収める
  • 文字増しで冗長な表現にすると読者はすぐに手抜きに気付く

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みんなの感想文

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  • 「文章は簡潔に書く」ということを例を用いて説明されており、大変わかりやすい内容でした。確かに、自分が書くとなるとうまく説明しようとして長い文章になりがちです。 自己満足の文章にならないよう、ぜひ参考にしたいと思いました。
  • この記事を読んで、自分の書いている文章だとドキッとしました!文章が無駄に長くなっていることが気になっていたので、自分の問題点に気づくいいきっかけになりました。人を引き付ける文章が書けるかたは、簡潔でわかりやすい導入文を書いているのに、納得です。わたしは結構長ったらしい導入文ばかり書いていました。
  • 私が書いた文章を後から見返すと冗長な表現がよく使われています。どんなに良い文章でも長すぎると読む気が失せてしまいますよね。できるだけ文章は短くシンプルな方が書き手の気持ちが伝わったり、まとまった文章になることがありますね。
  • 私自身もサグーワークスのお仕事で「冗長な表現」で、記事が承認されなかったことが多々あります。この記事を読み、無駄に長い表現はなんだか格好悪い文章になることがわかりました。記事を書いた後に、自分で「長たらしい文章がないか」のチェックを怠らないように注意しようと思います。
  • 文章を書く上で大切な基本となる部分をよく理解できました。この記事を読んで文章作成すればあまり経験がない方でも質の高い記事をつくれると思いました。僕ももう一度基礎から勉強し直しレベルの高い記事を書けるよう修行します。
  • 文章力を鍛える上で、すごく参考になりました。ついつい1文が長くなり、書いては消しての繰り返しでした。どこで切ればいいかもよくわからず。導入文も読んでもらう上で大事な部分なので、上手に書けるようになりたいです。
  • 一文は50字以内が読みやすいという部分がとても参考になりました。さらに、主語の部分を最初にもってきたほうが読者にはわかりやすく、曲解も防げるのもその通りだと思います。シンプルな文章を書くのは難しいと常々感じていますが、頑張って挑戦してみます。
  • なるほどなと思うことばかりでした。自分では客観的に文章を書いていると思っていましたが、人が普段記事を見ているときの着眼点までは考えられていませんでした。さらに、ダメな文章の例に対して修正した文章を提示してくれていて、大変分かりやすかったです。
  • ライティングする際に、一文一文が長くなってしまうことが私にもあったなと思いました。なぜ長くしてしまってはいけないのかが分かりやすく書かれていたので、今後のライティングをする際に参考にしたいと思いました。
  • これまでの自分の文章を振り返ってみると長い前書きを書いてしまいがちだったので、冗長な表現にならず気をつけたいなと感じました。またこの記事で紹介されたテクニックを参考に簡潔な文章を書けるように心がけたいです。
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