意外に間違いやすい!Web記事における敬語や「ら抜き言葉」の用法
記事を書く際に意外とミスをしてしまうのが、ら抜き言葉や尊敬語などです。
分かっているつもりでもついつい間違った使い方をしてしまうことがあります。そこで、基本的なミスを減らすために、これらの用法についてまとめてみました。
『ら抜き言葉』と『らが必要ない言葉』の簡単な見分け方
ら抜き言葉は若者を中心として急速に広がっている言い回しで、日本語の乱れの象徴としてしばしば取り上げられています。
「食べられる」、「見られる」、「来られる」という可能の表現において、それぞれ「食べれる」、「見れる」、「来れる」といった具合に『ら』を省いた言い方です。言葉とは時代によって変化するものであり、広く普及している以上、もはや誤用とはいえないのではないかという声もあります。
しかし、話し言葉はともかく、書き言葉としては未だに違和感を覚える人が多い表現であり、少なくとも記事を書く時は、より広く認知されている用法に従うべきです。そこで問題なのは、『走れる』、『読める』、『通れる』といった言い回しです。これらは正しい用法ですが、『ら』は含まれていません。『ら抜き言葉』と『らが必要ない言葉』は一体どうやって見分ければいいのでしょうか?
それには、動詞の後ろに『よう』をつけてみると簡単に区別できます。
例えば、『食べる』、『見る』、『来る』には、それぞれ『食べよう』、『見よう』と『来よう』と後ろに『よう』をつけても意味が通ります。それに対して、『走る』、『読む』、『通る』は後ろに『よう』をつけると意味が通らなくなってしまいます。
このように、末尾に『よう』がつけられる動詞だけ、『られる』という表現が可能だと覚えておけば、ら抜き言葉を間違って使うケースも少なくなるでしょう。
ら抜き言葉以外にもある!日常的に使われる誤用表現
日本語の乱れとしてよく取り上げられる『ら抜き言葉』ですが、実は、それ以外にも気になる言い回しはあります。例えば『い抜き言葉』で、『分かっている』、『寝ている』、『起きている』などをそれぞれ『分かってる』、『寝てる』、『起きてる』と『い』を省く表現です。日常会話では当たり前のように使われていますが、文法的には完全な誤りです。
また、『さ入れ言葉』などという誤用もあります。『言わせていただきます』、『預からせていただきます』というべきところをより丁寧表現しようとして、『言わさせていただきます』、『預からさせていただきます』と余計な『さ』を入れるしまう表現です。これらの表現は日常的に広く普及しているため、記事を書く際にも無意識に使ってしまいがちなので注意が必要です。
他にも、違和感が大きいため一般にはあまり広がっていないですが、『書ける』、『読める』というべきところを『書けれる』、『読めれる』と余計な『れ』を足してしまう『れ足す言葉』などというものもあります。
尊敬語と謙譲語の違い
敬語も間違えやすい表現のひとつです。ただ、丁寧語に関しては、通常の言い回しを『ですます調』に変える程度なのでさほど問題はありません。気をつけなければならないのは、尊敬語と謙譲語です。
尊敬語の場合は、相手に敬意を払い、相手側を立てる表現をするためのものです。それに対して謙譲語は立場が上の人間に対して自分がへりくだる表現をする必要があります。
つまり、敬語を正確に使いこなすには、それが自分のことを言っているのか相手側のことを行っているのか常に意識する必要があるのです。その視点が抜け落ちていると『食事ができましたのでどうぞいただいてください』などという具合に相手を立てるべきところで相手を下に見たものいいになってしまいます。
ちなみに、この場合は『食事ができましたのでどうぞ召し上がってください』が正しい表現です。『いただく』が謙譲語で『召し上がる』が尊敬語です。このように、日本語においては同じ意味の動詞でも尊敬語か謙譲語かで表現の異なるものがあります。以下はその一例です。
まずは、これらを覚え、使い方を間違えないようにするのが敬語を扱う上でのポイントです。以上は尊敬語と謙譲語の特別な言い方ですが、それ以外には以下のルールがあります。
尊敬語『お~になる』
・先生はプリントをお配りになりました
・彼女はケーキをみなさんとお分けになりました
謙譲語『お~する』
・今から私がプリントをお配りします
・私はケーキをみなさんにお分けしました
この基本ルールをしっかり覚えておけば敬語を使う際に、尊敬語か謙譲語の用法を混同して使ってしまうこともなくなるでしょう。
正確な情報を伝えるのに必要な正しい文法
言葉というものは、もともと不安定で、特に日常会話では、正式な文法を無視して変則的な使い方が無限に広まっていくものです。しかし、記事を書く場合は、より多くの人により正確な情報を伝えるために正しい文法に基づいて文章を書く必要があります。
そのためには、時には初心に帰って言葉の使い方について学び直してみる必要もあるのではないでしょうか。
▼サグーワークスでたくさん記事を書いて、正しい日本語の使い方を身につけていきましょう
こぶたのまとめ
- 動詞の後ろに『よう』がつけられない動詞は『ら抜き言葉』ではなく、『らが必要ない言葉』
- 日本語の乱れと言われるものには『ら抜き言葉』以外にも『い抜き言葉』、『さ入れ言葉』などがある
- 尊敬語は相手を立てる表現で謙譲語はこちらがへりくだる表現
- 文章を書く際にはどちら側が主体になっているかを意識するのが大切。
記事を書く時は正しい日本語を使って正確な情報を読者に伝えるように心がけましょう
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みんなの感想文
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- ら抜き言葉やい抜き言葉は、話し言葉をそのままライティングしてしまった結果だと思うので、話し言葉を書き言葉に直してからライティングしていきたいと感じました。尊敬語と謙譲語もあまり違いがわからなかったけどわかるようになったので良かったです。
- 「ら」抜き言葉や、「い」抜き言葉など、自分にとっては全く盲点でした。こんな細かいことを気にしてライティングしているということに感心させられました。自分も正しい文章を書けるように、細かいところにまで気を遣いたいと思いました。
- とてもわかりやすく、何度も相づちを打ちながら読みました。知りたい、覚えたいと思いながら、踏み込めずにいたので、時期をあけてまた読みたいと思います。ライターとして基本だとは思いますが、だからこそ使いこなせるようになりたいです。
- 普段の喋り言葉と文字にした時に誤用表現になってしまう場合があるとは思っていませんでした。これから、ライティングをする際に気を付けつつも、ついうっかり使用してしまうことがあるので、これからも気をつけたいと思いました。
- 尊敬語と謙譲語の違いについて高校で学習したときは今ひとつピンとこなかったのが正直なところです。記事を読んで丁寧に説明されていたので使い分けることができそうです!ら抜き言葉はよく注意しますがそもそもらがいらない言葉についても知ることができました。
- 昔から国語は嫌いであまり勉強してこなかったので、こういう凄くわかりやすく説明してくれる記事は凄くありがたいなと思いました。基本から尊敬語、謙譲語など物凄くわかりやすい記事だったので、何度も読み返したくなる記事でした。
- ら抜き言葉という表現はメディアなどでも聞いたことがありました。しかし、いぬき言葉やさ入れ言葉など様々な間違いやすい表現があるということを知ることができたことが収穫でした。細かなミスに気を付けていきたいです!
- 文章を書いていると時々「ら」を入れるべきか迷う場合があるので、「よう」を付けることで判断できるというのは、とても面白い情報でした。迷った時にはぜひ試してみたいので、もっとたくさんライティングをして、迷う場面に遭遇したいです。
- ら抜き言葉と尊敬語・謙譲語の使い方は記事作成の上で最も注意したい言葉遣いの一つであり、これらの使い方を間違えてしまうと記事作成能力が低いと判断されてしまう可能性があるので、常に言葉遣いは気を付けていきたいです。
- 普段、文章を書くときに「ら抜き言葉」を意識していませんでした。「ら」が必要な言葉と必要ではない言葉の見抜き方が分かったので応用できそうです。「い抜き言葉」「さ入れ言葉」「れ足す言葉」も改めて確認することができました。