書いてすぐに読まれるとは限らない!記事の鮮度を保つための言葉の選択

書いてすぐに読まれるとは限らない!記事の鮮度を保つための言葉の選択

記事を書いている時は忘れがちですが、書き上げた文章を読者はすぐに読むとは限りません。極端な話をすると10年後に読む可能性だってあるのです。したがって、「来週からはいよいよロンドンオリンピックが始まります」などと書いてしまっては記事自体が古いものだとすぐに認識されてしまいます。個人ブログならそれでも別に問題ありませんが、企業のページに掲載されるような記事としては失格です。実際に古いか新しいかは別にして、古臭く感じてしまう記事は鮮度を失い、その商品価値を失ってしまいます。記事としての寿命を延ばすには、古さを感じさせる記述は排除し、なるべく普遍性を高める必要があります。そこで、具体的にどうすればよいかをまとめてみました。

相対性時間表現は記事の寿命を縮めてしまう

『明日』、『去年』、『今から3年前』などといった記事を書いている日を起点とした相対的時間表現を使うと記事はみるみる内に古びていってしまいます。普通、読者はその記事がいつ書かれたかなどということは意識しません。書かれている情報さえ正しければ問題ないからです。しかし、そこに「3年前の東日本大震災以降」などと書かれていたとしたらどうでしょう?それを読んだ時点で、その記事がいつ書かれたものかを読者がダイレクトに意識してしまい、古くて価値の低い情報だと無意識の内に感じてしまいます。その時点で、記事としての商品価値が下落してしまうのです。これはたとえ、そこに書かれている情報が現時点でも通用するものであっても同じです。人は大抵のことをイメージで判断するので、古さを感じさせる表現があると全体の情報も古びたものだと思ってしまいます。また、逆の場合も考えられます。「去年の法律制定以来」と書いて読者がその法律ついて知らなければ、いつ制定されたものかが分かりません。しかも、執筆の日の1年後に記事を読んだ場合などは、制定した年を誤解してしまう可能性もあります。これでは、正確な情報を読者に伝えるという記事本来の目的を果たせなくなってしまいます。したがって、記事の中でいつ起きた出来事かを表現する時は、「2014年」、「5月」、「16日」という具合に絶対的時間表現を使うのが鉄則です。これならば、その言葉によって記事の鮮度を失うことはありませんし、なにより正確な情報が伝えることができます。

未来の話題には触れないのが無難

絶対的時間表現を使う場合でも未来の話をする場合には注意が必要です。例えば、「そのビルは2016年5月に完成予定です」などと書いては相対的時間表現を使った時と同じで、
予定日を過ぎてから読むと記事が古びたものに感じてしまいますし、予定が変わってしまえば情報そのものが意味をなさなくなってしまいます。したがって、予定事項については極力触れないのが正解です。しかし、困ってしまうのが記事のテーマ上、先の予定に触れざるを得ない場合です。例えば、福祉関係の資格について書く場合、来年から受験資格の変更が決定しているケースがあります。テーマの一角をなすこの情報に触れないで記事を書くと読者にとって不親切です。あるいは、あえてその情報に触れずに、「受験資格については年度によって変更する場合があるので必ず最新の情報を確認してください」と注意を促す書き方をするという手もあります。しかし、試験資格の変更予定などは決定してから覆ることはまずないので、「2017年からは受験資格は変更になります」と書いた方がより親切です。どちらにしろ、2017年になると情報が古くなってしまうのは同じなので、それならばなるべく新しい情報を取り入れた方が賢明でしょう。

すぐに最近ではなくなってしまう『最近』の話題

『最近』、『近年』といった言葉も極力避けたい表現です。理由はもちろん、数年後に記事を読んだ時に内容がずれてしまからです。特に、『最近』というのは一般的に1年以内を指す言葉であり、読み手が記事を読んでいる時点では『最近』ではなくなっている可能性はかなり高いでしょう。一方、『近年』の方は現在を起点として数十年の幅を想定して使う人もいますが、辞書には「ここ数年」とあります。こちらも、『最近』ほどではないにしろ後から読んだ時に記事が古く感じてしまうという問題があります。しかし、これに関しては、ケースバイケースだという側面もあるのです。例えば、「最近は○○がブームですが」といった文章の場合、数年後に読むとすでにそのブームが終わっていて時代のずれを感じてしまうケースの方が圧倒的に多いでしょう。一方、「近年、高齢化社会が進むにつれ」といった文章ならどうでしょうか?高齢化社会の進行が5年や10年で終息するとは思えないので、おそらく数年後に読んでもさほど違和感はないでしょう。このように、『最近』、『近年』に関する問題は、単にその言葉を使うかどうかより、数年後に読んでも時代のずれを感じさせないトピックスなのかという点が重要になってきます。「最近、すっかり春めいてきました」などといった季節の話題などは選んではいけないトピックスの筆頭です。季節感を出したいので入れてほしいとクライアントから依頼があった場合は別ですが、そうでなければ1ヵ月程度で話題がずれてしまうものは、真っ先に選択肢から排除すべきです。

未来の読者になったつもりで記事をチェックしよう

Web記事というのは、毎日更新されるニュース記事とは違い、どれだけ長く読まれ続けるかというのもその価値を計る尺度のひとつになります。したがって、記事を書く際には、数年後にその記事を読むことを想定して、言葉選びをする必要があります。一度書き上げたら、数年後の読者になってその記事を読み返してみてください。そうすれば、選択すべきではない言葉や表現にも気付きやすくなるはずです。

こぶたのまとめ

記事の寿命を縮めてしまうN言葉やトピックスはNG

  • 「明日」とか「去年」とかいった相対的時間表記を使わない
  • それがメインテーマでない限り、未来の予定には触れない
  • 「最近」、「近年」といった言葉も極力使用しない方が好ましい
  • クライアントのリクエストがない限り、季節の話題も避ける

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