“文章力”を身につけたいなら!?実例を挙げて解説します
ライターとして活躍するなら必須となるのが、“文章力”。とはいえ、文章を書くこと自体は――好き嫌いはあるとしても――ほとんどの人にできるでしょう。ならば、“文章力”とは何なのか。誤解を生じるおそれがなく、端的に言いたいことだけをまとめた文章を書ける力のことです。ここではそういった“文章力”を身につけるために必要なことについてご説明します。
読みやすい文章とはどんなものか?
次の3つの文章は、すべて悪文です。どこが悪いかわかりますか?
× 昨日私は母と買い物に行ってかわいらしいバッグが見つかったのでそれを買った。
↑ 読点が1つもないので、どこで文章が切れるかわからないですよね。
× 母と可愛いバッグを探しに出かけた昨日の私は、自分の趣味に合うお値打ちなバッグを見つけたので、買った。
↑ 主語にいろいろとくっつきすぎていますね。
× 昨日、私は、母と買い物に行って、最初、ピンクのバッグがいいなと思っていたんだけど、そのうち黄色も素敵だなと思い始めて、迷っているうちに、店員さんがブルーを勧めてきたので、最終的には、オレンジ色のバッグを購入した。
↑ 文章が長すぎるので、何を言いたいのかわかりません。
たとえば、上記の文章を次のように直してみてはいかがでしょうか?
○ 昨日、母と買い物に出かけた私は、自分の好みに合うピンクのバッグを見つけたので、それを購入した。
適度に読点が挿入されているため、意味がどこで切れるのか明白ですね。また、2文だけなので、意味を把握するのに苦痛を伴うことはありません。このように読みやすい文章とは、1) 適切に読点が含まれており、2) 修飾語と被修飾語の関係が明確で、3) 余計な部分がない文章のことなのです。
人の書いた文章に触れよう!
こういった読みやすい文章は、市販されている本や新聞などで多く見られます。このため、“文章力”を身につけたい人がまずすべきことは、一般的に優れているとされる文章を日常的に目にすることです。こういった文章に慣れ親しむことで、次第に自らの文章として使えるようになります。
こういった文法的な誤りのない文章に関しても、好きな文章・嫌いな文章といったものがあるかもしれません。しかし、最初から選り好みしていては、基本を身につけることができません。まずは多くの文章に目を通すようにしてください。そのうち、その文章のどこが好きなのか、逆に、どこが嫌いなのかにも着目できるようになります。そうすれば、自分が書く際のポイントとして活用することができます。
自分の文章をチェックしよう!
基本が身についたなら、今度は実際に様々なテーマで文章を書いてみてください。最初は自分の興味のあることが良いでしょう。アウトドアが好きな人は、たとえば1人キャンプの仕方を書いてみてください。
書き終わったら、今度はその文章をチェックします。自分で書いた文章は良く見えるものですから、1日、2日置いて見てみるとよいでしょう。
- 読点は程よくついているか。
- 意味のわからない個所はないか。
- 4行以上続いてしまっている文章はないか。
- 「て・に・を・は」は適切か。
- 話し言葉と書き言葉を使い分けられているか。
- い抜き言葉・ら抜き言葉は含まれていないか。
- 難しい言葉を避けるなど、読み手を意識した文章になっているか。
チェック項目をあらかじめ書き出しておくことで、第三者にチェックしてもらっているのに近い結果が得られるでしょう。頑張って書いた文章でも、いざチェックしてみると真っ赤になってしまうかもしれません。しかし、その経験は誰もが経るものです。へこまずにそのチェックした個所を直していくことで、理想に近い文章を書けるようになるでしょう。
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みんなの感想文
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- 文章を書く上での最低限必要な知識を学ぶことができると感じました。どう書くことで魅力的になるのか、どう書くと分かりづらくなるのか、例を複数見比べることで理解できます。これをもとに自分の文章を見返すことで、より良い文章を作成できるようになると思います。
- 読みにくい文章の例が、具体的な例と共に挙げられていて、とても分かりやすかったです。読み易い文章の例文にも、具体的になぜ良い文章なのかという説明があり、大変勉強になりました。自分の文章のチェック方法など、すぐにでも応用できるノウハウが簡潔に書かれていたので、今後の参考にしたいと思いました。
- 人の文章を読んでみて勉強することや、改めて自分が作成した文章をチェックするのはとても基本的なことだと感じました。だから、こそ一番大切だと思います。自分も、日ごろから文章のチェックをしっかりし、ミスなどに気づけるようにしたいです。
- 文章力の向上はライターにとってすごく重要なことなので、興味を持って記事を読むことができました。基本的なポイントから、自分自身の文章のチェック方法までまとめられていて参考になりますし、今後にも役立ちそうです。
- 読みやすい文章とはどういうものかを具体例を挙げて説明してくれているので分かりやすいです。自分も悪い例みたいな文章書いてしまいがちだな…と反省(*_*;自分の文章を客観視するためのチェック項目などもあって、参考になります。
- 小説を読むのは好きでしたが、そこから学ぼうと思ったことは無かったので、たくさん文章を読む事で自分の文章力がアップ出来るとは思いませんでした。今度からはダラダラと読むのではなく好きな文や嫌いな文を見つけて、自分が書く時の参考にしてみたいと思いましたし、たくさんの文章に触れたいと思いました。
- わたしも文章力が無いことを普段から気にしているので、内容そのものよりも、自分以外にも文章力を上げようと努力している(していた)人がいるというのがわかってちょっと励みになりました。読書は好きなのですが、あまり文章力を磨くために読むというような、文章に注目した読み方をしてこなかったので、これからはちょっとずつ気にかけて読むようにしたいです。
- わたしもライティングの仕事をはじめ、非承認を受けることもあり、自分の文章を読み返すようにはしていましたが、チェックするポイントが整理されていると、より効果的に読み返すことができるかと思い、重要なことと思いました。
- 私の文章をこの記事を読んでから振り返ってみると「て、に、を、は」の使い方が曖昧だったので今後改めていきたいなと思いました。また話し言葉と書き言葉の区別がついていない時があったので推敲を重ねていきたいです。
- 1日以上、文章を置いてみて後から読む、これって大事な事なんだなぁと痛感しました。自分でもライティングして非承認で戻ってくる文章を読むと、なんだこりゃって思う文章になっている事が多々あります。1日経たずともそういう事に気付けるくらいにはなりたいです。