ライター仕事の現場から、取材で気をつけるポイントは?~レポート編~

ライターの仕事として、さまざまなイベント・催し物会場に出向いてレポートすることがあります。そんなときに押さえておきたいポイントをいくつか挙げてみました。

現場でスムーズな取材をできるようにしておく

レポートを依頼されたときにまず考えたいことは、その取材現場に、レポートをすることが正しく伝わっているかどうかです。取材のセッティングを、依頼をくれた編集部の人間に任せている場合は、事前に入念に確認をしておきましょう。

取材現場の種類によって、さまざまなパターンがありますから、自分が常識的に考えていることが通用しない場合もあります。人の出入りや持ち物等、セキュリティが緩い現場もあれば、厳しい現場もあります。できれば、当日の取材現場を案内してくれる担当者が誰かを確認して、その人の電話番号を訊いておくと良いでしょう。もし万が一何かがあった場合、すぐに連絡できる体勢にしておけば慌てることもありません。

必要なものを事前に伝えておこう

私はフリーライターとして音楽業界の取材をすることも多く、大型フェスやアーティストのライヴ会場に行き、レポートを書くこともあります。ライヴ会場での取材の際、事前に確認しておきたいのが、セットリスト(曲目リスト)をもらえるかどうかということです。自分が良く知っているアーティストならともかく、あまり知らないアーティストのライヴ・レポートをする場合は、できるだけ事前に曲目を知っておきたいのです。

代表曲や新曲をどのタイミングで演奏するのか? それに対してお客さんの反応はどうだったのか? これらは詳細なレポートを執筆するために必要不可欠な要素です。音楽ライヴのレポートを書く際には、できるだけ事前に「セットリストをもらえますか?」と伝えておきましょう。

その場にあわせた取材方法を取るようにしよう

ライヴ会場で一番気になるのが、どんな位置で取材できるか、ということです。例えばライヴハウスでおこなう場合は、席というものはなく、どこからでも観ることができます。だからといって、ライヴを楽しもうと、ステージ付近では取材することはできません。なぜなら、レポートのためのメモを取る必要があるからです。そのため、陣取る場所は、できれば観客の邪魔にならない壁際で、なおかつライヴの臨場感を感じられる場所がベストです。

ホールやスタジアム、野外会場の場合には、関係者席やPAテントの中で取材できる場合もありますが、基本的にライヴレポートのためにそこまで細かいセッティングがされていることはありません。パソコンを持って行って即日レポートをすることもありますが、現場では電源を借りることはほぼできません。いかに会場スタッフの手を煩わせずに取材するか、というのは常に考えておきましょう。

リアルタイムで執筆したりメモを取る場合も、注意が必要です。照明が落ちて真っ暗になっている会場の中でパソコンやスマホの灯りがついていると、演出の邪魔になってしまうこともあります。そういった時のために、はノートとペンを持って、メモを取る準備もしておきましょう。

イベント全体の雰囲気を大切に伝えよう

首都圏では、毎日のようにどこかしらでイベントがおこなわれています。特に週末になると、大会場で色々なイベントが開催されます。音楽ライヴとワークショップ、子ども向けのアトラクション、そしてグルメ等、総合的に楽しめるイベントも多くなっています。そんなイベントのレポートを頼まれたなら、イベントの内容だけでなく、会場へ行くまでの電車や道路で見かけた人々の様子や、会場付近の熱気まで伝えるようにすると良いでしょう。

例えば、「会場には家族連れも多く、レジャーシートを敷いて、周囲の飲食ブースで買ってきたグルメに舌鼓を打っている様子だ」等、現場での雰囲気を伝えることで、より臨場感のあるレポートになります。

個性を出した レポートでチャンスを作ろう

レポート取材は、同じ光景を見ていても書く人によって着眼点も違えば、表現の違いもあり、ライターの個性が強く出るものです。その分、自分の文章をアピールできるチャンスだと思って取り組むようにしましょう。読者が「この書き手の文章面白いな」と思ってくれたら、きっと次のチャンスが巡ってくるはずです。

この記事をシェアする

みんなの感想文

この記事は役立ちましたか?
はい・・・8人 / いいえ・・・2人
  • 取材など現地に出向いてのレポートを書く際は、主観ではなく客観的な立場を忘れず大切にすることが重要なんだなと気づかされました。自分の文章は振り返ると独りよがりになりがちだったので、今後気をつけて文章を書きたいと思います。
  • 在宅でライティングをしているので、正直なところ、ライヴ会場やイベントでの取材レポートの記事はあまり参考にはなりませんでした。最後のほうに、文章の個性について言及していますが、取材レポートでどのように個性的な文章を作成するのか、もっと具体例を挙げていただければ参考にすることができたと思います。
  • あまりレポートを行なって作業するようなライティングの仕事はしていないので、私の役には立ちませんでした。ただ内容は、レポート取材の方法に付いて詳しく書かれていたので、将来的に何か役立ちそうだと感じました。
  • ライターさんはレポートを書く際に、あらかじめ記事をおもしろいものにするためのポイントやコツを心得ているということが理解出来ました。私も、記事をより良くするため、ただ流れで書くのではなく要点をまとめることを心がけたいと思いました。
  • イベントなどについてのレポートをライティングするときに押さえた方が良いポイントについてでした。自分がこのようなシチュエーションで文章を書くことは想定したことがなかったので、その場合の「心得」として読みました。実際に取材にでかける前の準備段階でやっておいた方がいいことについては、特に参考になりました。
  • 私はまだ現場に出かけるような仕事はできませんが、レポーターとしての気構えや必要な準備など丁寧に教えていたガキとてもありがたく思います。事前の準備は当然でしょうが、レポーターとしての目線を忘れすことなくイベントを見つめるその視線にプロフェッショナルを感じます。
  • 取材前の下準備がいかに大切かということを感じました。何があっても大丈夫なように、いろんな場面を想定しておく事。そして取材がスムーズにいくように現場の雰囲気をつかんでおくように心がけたいと思います。そして自分らしい魅力的な文章を作りたいです。
  • 取材に当たる時、事前の準備がとても重要であるということがわかりました。取材はある意味一発勝負なので、その場でしか得られない情報をなるべく多く得るためにはどのように取材するかの見通しを持っておくことが不可欠であることにとても納得できました。まさに備えあれば憂いなしなのだなと思います。
  • レポート取材の経験が無いので、この世界ではこのようにするのか、ということが学べる記事でした。イベントの記事を書く時のアドバイスもなるほど!と思う点が多く、もし自分がイベント記事を書くチャンスがある時に覚えておこうと思います。
  • 今は在宅でwebライターの仕事をしていますが、ゆくゆくは外に出て仕事をしてみたいと考えています。そうなったときに取材は避けては通れないことだと思います。しかし初めてだと、どう取材をしていいのかなどがわかりません。この記事では、取材をする前に準備しておくべきことなどが書かれていて勉強になります。
ページトップへ戻る