「三段論法」と「起承転結」を意識した論理的な文章の書き方
文章作成があまり得意ではない方の根本的な原因は、語彙力が不足していたり言い回しがワンパターンであったりと様々です。
自分の文章を読み返してみて変な文章になっていたり、自分でも何が言いたいのかわからない文章になっていてもどう直せばいいかわからない。そんな方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「論理的で読みやすい文章」を書くにはどうすればいいかを「三段論法」と「起承転結」をテーマにライティング初心者向けに解説していきます。
そもそも論理的じゃない文章とは何なのか?
筋が通らない文体、ただ事実を述べているだけの文体、そもそも論じているとは言いがたい文体、読みにくい文章は色々あります。テーマに一貫性のない内容だったり書き手の主張がなかったりしてもまとまりのない文章になるでしょう。
語彙力不足や単調な言い回しといったいわゆる「下手糞な文章」と「非論理的な文章」は意味合いが少し違ってきますが、まず最初に理解すべきポイントは同じです。それは文章というものには「結論」が必要だということです。ここでいう結論とは主張でもありテーマでもあります。そして文章を書くには何かしらのテーマが必要です。
ではそのテーマをどうするのでしょうか。ずばり「論じる」のです。論じるとは「とある事象に対して順序立てられた思考・意見・言説をまとめる」ことを意味します。この「順序立てられた」という部分が大切であり、順序なしの文章はまとまりません。
文章の基本構成「三段論法」を覚えよう
三段論法とは推論の方式のひとつで、「大前提→小前提→結論」という3段構成で結論を導く論法です。
【前提】ソクラテスは人間である。
【結論】ゆえにソクラテスは死ぬべきである。
これは三段論法の有名な例文です。【前提】という言葉だと少しわかりにくいかもしれませんが、つまりは「なぜその結論になるのか」ということを意味します。
ここで大切なのは「前提のない文章」からは結論は生まれず、仮にそこから結論が生まれたとしたらそれは説得力に欠けるということです。しかし、確固たる前提に基づいて導き出された結論は説得力があり、それは論理的な文章となります。
非論理的な文章の多くは前提と結論が破綻しているものが多く、結論を明確にできていないのです。言い換えれば、書き手の主張(結論)を読み手に納得させる文章こそ論理的な文章であると言えるでしょう。
「起承転結」をしっかり意識しよう
起承転結は論理的な文章というよりも「文章そのものの基本」です。しかし、これを守れていない文章は論理的になりません。起承転結は一般的に【問題提起(テーマ)→議論(なぜなのか)→結論(まとめ)】といった流れになります。ここで言う「承・転」の部分は「議論」にあたりますが、これは「テーマを違う角度から見る(仮に~だとしたら)」「話を展開する」といった意味合いです。
また、三段論法の構成も起承転結のルールにのっとっていると言えるでしょう。仮に文章そのものが簡素なものであっても、起承転結の流れさえしっかりしていれば文章としてしっかり成立します。
まとめ
結局のところ論理的な文章とは何なのか、それは「結論を裏付けて納得させる」文章のことです。そして納得させるには材料が必要になります。その材料こそ三段論法の「前提」の部分であり、論理的な文章には欠かせない要素なのです。文章を客観的に見て、どういう理由ならその結論に納得できるかを考えてみるのもいいでしょう。
納得させるには自分本位な文章ではいけないため、その目線はとても大切になります。それを踏まえた上で、文章作成に慣れていない方はまずは起承転結を全体で意識し、要所に三段論法を活用してみましょう。
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みんなの感想文
はい・・・9人 / いいえ・・・1人
- 論理的な文章が少し苦手で、よく「内容が薄い」と言われるので早速実践してみます。起承転結は意識していても文章がダラダラしてしまうので、次回からは三段論法も取り入れたいです。語彙力は色々な文章を読んで高めていけたらと思っています。
- 論理的な文章とそうでない文章の違いを知ることができたので、非常に勉強になりました。今まで曖昧だった三段論法もしっかりと確認することができたのも大きな収穫です。また、起承転結のある文章を書くことの大切さも知ることができました。
- 「三段論法」という言葉を初めて知りました。起承転結もきちんと表現できれば読み手は文章にひきこまれていくんだなと感じました。結論の裏づけをきっちりと文章にして、読み手を納得させる文章を作っていきたいです。
- この記事を読んで初めて三段論法という文章の構成方法を知りました。文章を書く時に、構成を初めに意識して書くことがほとんどなかったので、とても参考になります。意識して文章を書く事で内容がよりわかりやすく、伝えたい事が整理されるのでとても効果的だと感じます。これからはそれを意識して文章を考えたいと思います。
- 筋の通らない文章や、事実を述べているだけの文章では、相手に伝わりにくいと言う事。また基本構成の算段論法と言う言葉の意味を理解して、文章をまとめられたらるように心がけたいと思いました。とても参考になり文書力が上がりそうです。
- 起承転結については何となく知っていましたが、三段論法という構成は初めて知りました。論理的な文と、非論理的な文の違いが分かりやすく説明されている点が良かったです。起承転結・三段論法を上手く使いこなせるように努力したいです。
- 記事に書かれている論理的な文章は結論を裏付けて納得させる文章だ、というのはその通りです。ただ読んでいる側とすると「論理的な文章」「読みやすい文章」「納得させる文章」は違うように感じます。とくにいろんなことを論じている文章は違和感を覚えることも多く、記事の考え方は読みやすい文章に関する様々な考え方のうちの一つにすぎないと思いました。
- 普段、何気なくSNSの投稿やブログを書く中で、漠然としていた文章の書き方が明確にわかりました。思い返してみると、「あぁ、面白いな」と感じる投稿や文章は、「三段論法」と「起承転結」がしっかり活用されているものばかりです。今後、自分自身の文章力向上に繋がる、興味深い記事でした。
- 三段論法の部分は少し私には難しく感じましたが、私なりの解釈ではまず結論を考えて、それに向かって文章を組み立てて行くと言う事なのだと感じました。かなり当たり前な事ですが、この基本を毎回しっかりとキレイに行うというのが結構難しいので、基本を見失わずに記事作成を行って行こうと思います。
- 文章がいつもワンパターンになりがちで、文末にばかり気を取られています。もっと内容をしっかりと見直したいと思いました。事例が多く分かりやすかったですし、国語の授業を受けなおしているようでとても楽しかったです。