算用数字と漢数字!文章における数字表記の使い分け

日本語には、ひらがな、漢字、カタカナと複数の表記方法があり、使い分けが文章を書く上のポイントになります。その中でも間違いやすいのが、算用数字や漢数字などの数字の使い分けです。

念のために説明をしておくと、算用数字は『0、1、2、3、4、5』と表記するアラビア文字のことで、漢数字は『零、一、二、三、四、五』という具合に漢字で表記した数字のことです。
この使い分けは一見簡単なようにも思えますが、突きつめて考えてみるとどちらを使えばよいか迷ってしまうケースが多々あります。そこで、基本に立ち返って文章における数字表記の使い方についてまとめてみます。

縦書きと横書きにおける数字表記の違い

日本語とは本来、縦書きが基本でした。しかし、現代日本において縦書きを行うケースはほとんどありません。手紙ですら最近は横書きが多数を占めるようになっています。実は、これが数字表記に混乱をもたらしているのです。

文章を縦書きで書くと数字はすべて漢字になります。縦書きではあえて算用数字を使用することはあっても、漢数字で書いてはいけないものは基本的にはありません。したがって、数字はすべて漢字で書いておけば事足りるのです。

Webライターの仕事で縦書きの記事を依頼されるケースはまずないでしょうが、縦書きと横書きでは数字の表記方法が違うということは覚えておいてください。

熟語や固有名詞は漢数字で、カウントするための数字は算用数字

横書きの文章は、縦書きと違って算用数字と漢数字が入り乱れているわけですが、ライターの仕事をしているのであれば、表記の法則を理解して正しく使い分ける必要があります。

その中で分かりやすい法則のひとつは、熟語や固有名詞はすべて漢数字で書くというものです。『一石二鳥』、『四国』、『山田一郎』などを『1石2鳥』、『4国』、『山田1郎』などと書くことは絶対にありません。このあたりは常識の範囲内でしょう。すると残りの問題は、カウントする数字はどう表記するのかという話になります。

1個、2個、3個などといった場合です。1時、2時、3時なども同様にカウントされる数字ですね。見ての通り数える数字は基本的に算用数字で表記します。ただ、例外はあります。1234567890120000円といった大きな数字は読みにくいので、1234兆5678億9012万円という具合で間に『兆』『億』『万』の漢字を挿入するのが普通です。

特殊な言い回しは漢数字が無難

ここまでは比較的明確に分類が可能ですが、中には算用数字を使うべきか漢数字を使うべきか微妙なものもあります。例えば、『群衆の中のひとりの女性』、『ふたりの世界に浸っていた』といった表現です。これは、固有名詞でも熟語でもないですが、カウントのため数字かといえば微妙です。

『この本はおすすめの一冊です』などの言い回しもそうですが、数字に特別な意味合いが込められた表現は、『一人の女性』、『二人の世界』という具合に漢数字を用いた方が無難です。

また、明らかにカウントの数字の場合でも『ひとつ、ふたつ、みっつ』といった日本古来の数え方は『1つ、2つ、3つ』よりも『一つ、二つ、三つ』の方がしっくりきます。『一代目、二代目、三代目』なども同じです。ただ、この辺りは習慣の問題で絶対的な法則とまでは言えません。

どちらでもよいケースで重要なのは統一感

こうして見ると、簡単そうな算用数字と漢数字の使い分けも色々と難しい問題が含まれていることが分かります。その中にはどれが正解だと言い切れないものもあります。

ここで大事なことはあくまでも原則を重視することと、どちらとも言いかねるケースでは、表記を統一することです。
どちらとも言えないからといって、同じようなケースで漢数字と算用数字を混ぜて使っていると読者は違和感を覚えてしまいます。記事を書く際には読者が読んで引っかかりを感じないように工夫をすることが大切です。

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こぶたのまとめ

縦書きの場合は基本すべて漢数字を用いる
横書きの場合は原則に従って算用数字と漢数字を使い分ける

  • 熟語や固有名詞に使われる数字は漢数字
  • カウントするための数字は算用数字(ただし大きい数字は『兆』、『億』、『万』を挿入)
  • 数字に特別な意味合いを持たせたものや日本古来の数え方は漢数字の方が自然

算用数字と漢数字のどちらを使うべきか曖昧なものはどちらかに統一する

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みんなの感想文

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  • 普段何気なく使っている漢数字と算用数字の使い分けを知ることができ、大変勉強になりました。さまざまな場面ごとにどちらを使えば良いのか記事がまとめてあったので、今後自分でもライティングをするときの参考にしたいです。
  • 算用数字と漢数字は、自分自身でもどちらを使用するか迷ってしまうことがあるので、こちらに書いてある内容はとても参考になりました。特に「ひとり」といった表記はどちらにするか迷っていたのですが、これからは、特別な事情がない限り無難な「一人」に統一していこうと思います。
  • 算用数字と漢数字の使い分けがよくわかりました。数字表記の基本は理解していたつもりでしたが、迷うこともあって、一つの指針になる記事として参考になります。とくに、重要なのは統一感だという指摘は、今後の文章作成においてポイントになりそうです。心がけたいと思います。
  • 算用数字と漢数字にてニュアンスがずいぶんと異なることがよく分かりました。たしかに、見た目のイメージもずいぶんと異なってくるのですね。また、どちらでも良い時は統一感を出すという考え方についても共感できる部分がありました。自分もそのことを心がけたいと思います。
  • 確かに、算用数字か漢数字かは使い分けで非常に悩んだことがありました。統一感は意識しておりましたが、あらためていわれてみると、意識していないと間違ってしまいそうです。しかしライターとしての意識してないといけない、知らないといけない最低限のことかと思います。頭の片隅に留めておきたいと思います。
  • 算用数字と漢数字の使い分けは全く意識していないことだったので、非常に興味深い記事でした。使い分けの方法についてもしっかりと解説があり、分かりやすかったです。今後文章を書く際は数字表記の使い分けにも気を付けようと感じました。 漢数字と算用数字、今まで漠然と使い分けていました。使い分けの方法、特に大きい数字の表記方法は知ったからには今後守っていきたいと思いました。記事にお願いがもうひとつ、全角数字と半角数字の使い分けがわかりません。そちらの使い分けもぜひ知りたいです。
  • 数字の書き方については、基本、横書きは算用数字で、縦書きは漢字で、と言う事を知っているので特別参考には、なりませんでした。ただ、縦書きでも算用数字で書く人が多いので、多くの人には役に立つ内容だと思います。
  • 今まで意識して算用数字と漢数字の使いわけなんてしていなかったので、すごく参考になりました。確かに適当に使ってしまうと統一感がなくなってしまうので、今後は気をつけて使いたいと思います。横書きが主流だったので、縦書の時の使い方も勉強になりました。
  • なんとなくで対処していたところがあるので、明文化してもらえて、分かりやすかったです。四字熟語などは一般常識としてわかっていましたが、それ以外のものは結構あいまいにしていたので、参考にしたいと思います。また、統一感というのも記事投稿時の最終チェックをする際には注意していこうと思います。
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