AIは日本語で文章を書けるのか?ライター業の行く末について

私たちライターに求められるものはいろいろありますが、基本的には「オリジナルの文章」を書くという点にその価値は集約されています。オリジナル、つまり今までにないものを造りだす能力というのは私たち人間の知能を持ってしてできる所業であり、機械ではできないとされてきました。しかし現代社会ではどうでしょう。Facebookや将棋の試合などでも話題になっているAIは果たして文章を書けるのでしょうか。もしクオリティの高い作文能力を有していたらどうなるのでしょうか。今回はAIの作文能力と、それがもたらすものついて解説していきます。

人工知能「AI」について

そもそもAIとは?

「Artificial Intelligence」の略であり、コンピューター上で人間のような知的な活動をさせることを目的にした技術です。身近なところだとスマホの音声認識や漢字変換(くせを覚える)などもAIのひとつです。自動操縦や自動変換などといった「自動~」と付くものは基本的にAIだと思って問題ありません。AIの特徴は「学習する」ことであり、先述の漢字変換はユーザーがよく使う単語変換を覚えて予測候補に出やすくしたり、自動操縦(オートパイロット)は危険を察知・認識してそれを回避しながら自らの判断で操縦します。

AIにできること

最もわかりやすい言い方をすれば、「人間では時間がかかる作業を一瞬で、しかも正確に行える」ということでしょう。

  1. 正確性の求められる作業(審査員、データ入力など)
  2. マニュアル化しやすい作業(受付、案内など)
  3. PC運用において高い情報処理能力が求められる作業(システム関連、情報収入など)
  4. 専門知識を元にした判断が求められるもの(法律関係、税関係など)

これらは既に人間ではなくAIによって運営されているものもあり、10数年後には人間の職を奪う可能性も示唆されています。例えばソフトバンクのAIロボットのPepper(ペッパー)やiPhoneのSiriなど、AIとの対話は既に実現しています。ヒューマンエラーのような不測の事態も起こらないため、最終的には人間が管理してはいますが正確性を求められる分野においてAIの活躍はほぼ約束されています。

AIが書く文章と人間が書く文章

AIの作文能力

ココで本題です。「AIは果たして日本語で文章を書けるのか」という点ですが、結論から言うと可能です。実は既にAIライターが活躍しています。アメリカの有名大手通信社であるAP通信では人間顔負けの文章を書けるAIが導入されており、1秒間に2000本という凄まじい速さで記事の執筆が可能です。年間10億本もの記事を作成した実績もあります。言語の壁という概念も存在せず、膨大な量の言語データをあらかじめ取り込むことで法則性や自然な文法などを学べるようです。

正確さ・クオリティ・スピードの両立

AIの特徴であるこの「正確さとスピード」、しかしそれにクオリティは伴っているのかという問題。記事の作成は本来は単純作業ではなく、自然な文章で読み手を意識した文章構成にすることで初めてクオリティが約束されます。そこに更に「読み手の興味を引く要素や筆者の独特な個性」が入っていることで記事はよりよいコンテンツとなり得ます。しかしAIが得意としているのは「決められた法則やテンプレート通りの作業」であり、文章的には問題ないが面白くはない文章が出来上がります。コラムやインタビュー記事のような筆者の個性がでる記事などでない限りはAIの無機質な記事でもいいかもしれませんが、逆に言うとそれ以外はAIに勝てる要素がないともいえます。

人間に出来てAIに出来ないこと

AIの判断は全て「データベース」の情報によって行われているので、データがない物事は何も判断できないのです。そして先述の「おもしろい」という感情は人間の感性に依存しているため、AIには理解できないでしょう。人間との違いはそれらであり、完全な「無」の状態から何かを創造したり独特な面白いものを造るのはAIには不可能なのです。また、データが存在しない事柄に対して「わからないことを質問できない、欲がない」というのもAIの特徴です。
最初から結果は見えていたかもしれませんが、情報処理能力で人間がAIに勝つのは絶対に不可能です。AIが行っているのは所詮はデータをもとにした「マネごと」であり、AI自身は先発として何も生み出していないのです。創造力という点において人間に勝る存在はおそらくいません。しかしライターの作業もほとんどは単純なものであり、それら全てがAIに成り代わってしまうと人間の執筆業務の9割はなくなるでしょう。昨今のAIの普及はめざましいものがあり、共存していく上でのお互いの干渉ラインはどうなっていくのか、より進化したAIとの共存は可能なのか、それはまだ誰にもわかりません。

こぶたのまとめ

  • 今後を生き抜く上でライターに求められるのは「人間臭さ」。とにかく色々な経験をしよう。
  • AIは万能ではない。学習できるといっても、データがなければ何もできない。
  • 身の回りにAIはたくさん溢れている。便利だが、依存してそれなしでは何もできない状態になるのは避けよう。

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みんなの感想文

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  • AI(人工知能)について非常に分かりやすく書かれていて、読み応えがありました。ライターとしてやっていく上で、人間だからこその魅力的な文章を作れるような努力を重ねることが大切なのではないかと感じました。
  • あんまり興味がわかない内容でした。なので、しっかり理解できなかったのかもしれません。人工知能がライターに取って代わる、なんてことを考えたこともないです。10年以上は、ライターの需要はあり、増えていくと思います。
  • AIが記事を書く、ということをまるで考えたことがなかったので驚きました。確かに、私たちよりも正確で早いスピードをもって記事作成が行えるAIは、今後文章作成において活躍するかもしれませんね。最後のまとめにあった、私たち人間は経験した「人間臭さ」を武器に勝負していくという点が面白かったです。
  • ペッパーやSiriと言われれば何となくわかりますが、漠然とAIそのものについては先の未来のような気がして、10数年後と言われてもピンときませんでした。でも「文章的には問題ないが面白くはない」文章が出来るというところはなるほどと思いました。
  • AIはテレビやネットなどで進歩を目にすることはあったのですが、文章面でもここまで脅かす存在があるとは思わず驚きました。しかし個性のある人間味あふれる文章というものは未だに発明できず面白いものだなと感じました。
  • AIと言う言葉を初めて知りました。駆け出し初心者ライターの私には内容が難しく、理解するのに苦労しました。人間は感情があって、AIにはないという事なのですよね。素人なので難しい事はわかりませんが人間の私は自分なりにお仕事頑張ろうと思いました。
  • AIで文章を書くなんて思ってもいなかったので、とても興味深い記事でした。人間にしかできない文章作成、それを目指して仕事をする事の大切さを思い知らせれた気がします。自分が文章を書く時に、機械的にならないように気をつけます。
  • AIは社会システム即ち「心理学などを含まない定義での科学」なので、そもそも社会システムに組み込まれる万人と比較する程切り離せるものではありません。インターネットを通じて調べておもしろい文章を私たちが書くということ自体が、AIを通じて私たちと一緒にライティングすることですよね。
  • ライター業を始めてまだ日が浅いですが、この仕事はなくならないのか?という漠然とした疑問がありました。今回の記事にはAIが執筆していくことに関してわかりやすく書かれていて、ライターとして生き残っていくには、人間だからこそ書ける独創的で面白みのある文章を書けるようになる必要があるんだと、再認識させられました。
  • AIについてあまり知らなかったのですが、今回の記事はすごく読みやすくてためになりました。ライターのお仕事と重ねてどんどん話題を広げていく点が、やはりプロの方は違うなと思いました。わかりやすく読みやすく、この記事を読んだだけでライティング力アップの秘訣を少し学んだような気がします。
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