ライター仕事の現場から~インタビュー編~

ライターと一口に言っても、ただ文章を書くだけが仕事ではありません。むしろ、文章を書くに至るまでに必要なことがたくさんあります。今回は、インタビュアーとしてライターに必要な心がまえを教えます。
対面取材が苦手でも、がんばってインタビューをしてみよう
ライターの仕事は多岐にわたります。ただ単に文章を書くだけでなく、インタビュー取材をした内容を文章に起こし、編集した原稿を作る場合もあります。編集部からの取材依頼を請け、取材日時の調整をして決定したら、取材相手のことをよく調べ、内容を精査した上でいざ当日の取材に臨みます。取材相手はジャンルによってさまざまですから、いかに相手の立場に立って話を引きだすことができるかが重要です。
じつは、ライターの中にはこうした対面取材をすることが苦手、という人がけっこう多いです。というのも、もともと人と会わずに自宅でパソコンを使って仕事をすることができるからライターになりたかったという人がいるからです。
しかし、やはり取材をしないことには、書く原稿も限られてきてしまいます。私の知人のライターに、人とコミュニケーションを取るのが大の苦手、という男性のライターがいましたが、やはりインタビュー取材を抜きにしてライター業を続けて行くことは無理があり、勇気を出してインタビュー取材もしてみることにしました。すると、最初は緊張して話せなかったものの、少しずつ慣れてきてどんどん会話するのが楽しくなってきたそうです。今ではインタビュー取材をする方が多くなっています。
対面取材がちょっと苦手だな、という思うのは、取材される側も同じのようです。よく考えたら誰だって初対面の人と向かい合ったら上手く話せないですよね。私の場合は、ときどき大物タレントさんにインタビューする機会がありますが、できるだけ「相手も同じ人間だ」と思うようにして臨んでいます。自分が緊張しているな、と感じたときにはできるだけ会話の中で自分から無理にでもたくさん笑うようにしています。
もちろんシリアスな話のときは真面目に話をしますが、笑うことで相手もガードが緩んでくることもあります。緊張と緩和をうまくコントロールして話せるようになると良いでしょう。
多くのスタッフに囲まれても委縮しないように
こうしたインタビューの現場には、たいてい編集部の人が立ち合いとして同行します。そして、取材相手にもマネージャーが同行するのはもちろん、レコード会社や映画会社の宣伝スタッフなどが来る場合がありますので、話を訊いている間も多くの人に囲まれています。そうした状況に緊張して萎縮してしまうと、あまり良い取材にはなりません。できるだけ明るく元気良く、相手を圧倒するくらいの気持ちで臨むことが大事です。
急なアクシデントに見舞われることもあります。例えば、私は以前ある映画に出演する俳優さんのインタビュー依頼を請けて取材現場に向かいましたが、途中でなぜか他の映画出演者が合流して席に着きました。「あれ?」と思う間もなく、取材が始まりました。
じつはこの取材は映画の出演者を集めた対談取材だったのです。こんなアクシデントは予想もしていませんが、映画全体の内容を細かく調べておいたことで、なんとか対応できました。後で訊いたところ、取材を手配した人のミスだったようでしたが、冷や汗が出た取材でした。こんなことはめったにないものの、どんなことがあっても取り乱した姿は見せないようにすることで、後々の信頼につながります。
また、インタビューのときに使う道具もしっかり準備しておきましょう。一番大事なのはレコーダーです。昔はテープレコーダーで録音することが多かったですが、現在はデジタルレコーダーが主流です。中には高音質のDSDで録音できるものもありますが、たいてい1万円程度のレコーダーで充分役に立ちます。私は、レコーダーが故障したときのために、念の為もう1つサブのレコーダーでも録音しています。何ごとも備えあれば憂い無しです。
リラックスした気持ちで臨もう
インタビュー取材は、相手が有名であればあるほど、つい緊張して硬くなってしまうものです。そんなときでもできれば、普段家族や友達と話しているようにリラックスした気持ちで取材現場に臨みましょう。そうすればどんな取材対象からも、きっと良い話が訊けるはずです。
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みんなの感想文
はい・・・10人 / いいえ・・・0人
- ただ文章を書くだけでないライター職の現場を知ることができ、非常にためになりました。特にインタビュー時に複数の人が同席するといった情報は、実際にライターとしてインタビューをしないと知ることのない情報であり、今後ライターを目指す人間にとっては貴重なものでした。
- インタビューの大切さ、そしてどういう姿勢で臨めばいいのか再確認できました。実際に記事を書く上で、家にいるだけでは分からないことがたくさんあります。しかし、わたしは取材に行ったことが無いので、このような記事は私の今後に大変役立ちます。
- まだ全く経験したことのない「インタビュー取材」についての記事でしたが、将来自分にもそんな仕事ができるのかもしれないと思って読むと、とてもワクワクしました。誰かと出会うことが、そのまま仕事になるというのは、責任もありますが、素敵な仕事だと思います。
- ライターの仕事に対面取材もあることを初めて知りました。仕事も多岐に及ぶようなので、リラックスすることから良い記事が書けるのも、納得が行きます。日常のコミュニケーションも大切にしなければいけないなと感じる記事でした。
- 対面取材をすることはありませんが、初対面の人と接する際に参考になる内容でした。明るく元気よく話して笑顔があれば確かに相手の緊張をほぐすことができます。仕事でも私用のときでもこの方法を試してみようと思います。
- 今までライターといえば文章を書いていればよいものだと思い込んでいましたが、この記事を読んでライターの仕事の広さを知ることができました。文章を書く以外の仕事に対する心構えも分かりやすく書いてあったのも良かったです。
- 自分はインターネット上で記事を書くことしか経験がないのですが、本業のライターになると人と関わりを持つ機会が多くなるのだな、と参考になりました。もしも今後このような機会ができた時には、この記事を思い出しリラックスした状態で取材に臨もうと思います。
- ライターのお仕事=自宅と言うイメージが記事を読んで驚きました。インタビュー取材と言うお仕事がある事を初めて知り私はお話しするのが好きなのでいつかそういうお仕事も引き受けられる日が来たらいいなと楽しみになりました。
- インタビューの仕事も、ライターの一つの仕事だという事を知りませんでした。今まで記事しか書いた事がありませんが、こういった事にもチャレンジしてみたいという気持ちが出てきました。人との関わりを持つ仕事なので、ここに書かれた注意などはしっかり頭に入れておこうと思います。
- ライターのインタビューのお仕事はリラックスして臨むことが大切だという事がよく分かりました。私も緊張しやすい方なので、インタビューをする機会があればリラックスして相手を圧倒出来るように臨みたいと思います!