今更聞けない?「てにをは」ってなあに?

今更聞けない?「てにをは」ってなあに?

ライターを目指している方なら、どこかで一度は「てにをは(てにおは)」という言葉を目にした事があるのではないでしょうか。「文章を書く時は『てにをは』が大事!」「『てにをは』一つで意味が変わる」などとよく言われます。ところで、この「てにおは(てにをは)」って何?と改めて聞かれると明確に答えられない方も多いかもしれません。

そこで今回は、今更聞けない「てにをは」の意味と、その使い分けについてお伝えしたいと思います。

そもそも「てにをは」とは

「てにをは」とは、もともとは漢文を読む際に漢字の四隅にふられた「ヲコト点」に由来しています。ヲコト点を左下から右回りに読むと「てにをは」となる事から名付けられたと言われています。

現在では助詞の使い方が不適切であったり、話のつじつまが合わない事の比喩として「てにをはが合わない」などと使われる事もあります。

「てにをは」は日本語特有のもの

外国の方に「日本語は難しい」と言われる理由の一つに「てにおは」の使い分けがあげられます。
たとえば英語の場合、そもそも「てにをは」にあたる「格助詞」がありません。be動詞がそれに近いような気もしますが、主語が「I」ならいつでも「am」で、文脈によって変わる事はありませんよね。余談ですが、英語の場合は「前置詞」が「てにをは」的な役割をになっていると言えます。逆に日本人が英語を訳す時に難しさを感じるのはこのあたりにも原因かもしれません。

さて、日本人であれば自然に使い分けているこの「てにをは」ですが、きちんと使えているのかと聞かれると自信の無い方も多いかもしれません。なぜなら、英語の前置詞などと違い、「てにをは」を適当に使っていても文章の意味自体が通じないという事はほとんど無いからです。だからこそ「てにをは」をきちんと使えるかどうかが、ライターとしての資質に大きく関わるとも言えます。

「てにをは」一つで意味が変わる?

「てにをは」一つで意味が変わる?

良い文章、分かりやすい文章を書く為に「てにをは」の使い方が大切だと言われるのは、それ一つで伝わる意味やニュアンスが変わってしまう場合がある為です。
いくつか例をあげて見てみましょう。

(例1)
・父に頼る
・父を頼る

どちらも「頼る」という行動と相手は同じですが、上の「に」の表現の方がより直接的で近い雰囲気を感じます。
反面、下の「を」を使うと、距離的または心理的に少し遠いようなイメージが出ますね。昔のアニメ「母をたずねて三千里」は、まさに遠距離感が出ている代表と言えます。

(例2)
・紅茶でいいです
・紅茶がいいです

飲み物を聞かれたとき、上記のどちらで受け答えをするかで聞き手の印象は変わります。
上の「紅茶『で』いいです」の場合は、なんとなく投げやりというか本意ではないような感じを受けてしまいます。
逆に下の「が」を用いると「私はまさに紅茶が飲みたかったんです!」という気持ちが伝わりますよね。飲み物を聞かれた際は、「が」で答えるようにするとより良い関係が築けるかもしれません。

(例3)
・オムライスは美味しいね
・オムライスが美味しいね

たとえば誰かが作ってくれた食事をいただく時、「オムライスは美味しい」と言うと、単にオムライスが好きなのかなという印象を受けます。最悪の場合「私の用意した他の料理は口に合わなかったのかしら」と思われる可能性もありそうです。
では「オムライスが美味しいね」の場合はどうでしょう。他の料理もおいしいけれど、特にオムライスが美味しいという感じがしませんか。

このように、たった一文字の「てにをは」には文章全体の印象を左右してしまうパワーがあります。こう言うとなんだか大層だなと尻込みしてしまいそうですが、逆に言えばそれひとつで相手に与える印象を変える事ができるとも言えます。「伝える」事を仕事とするライターにとってはぜひマスターしておきたいところです。

「てにをは」マスターになるには?

では、どうすれば「てにをは」の使い方を極めて、分かりやすく伝わる文章を書けるようになるのでしょうか。その為には、まず良質な文章をたくさん読む「インプット」が不可欠です。今の時代、ネットで手軽にたくさんの情報が存在するため、たくさんの文章を目にする事ができる反面、その質も玉石混淆なのが実際です。

「読みやすい・理解しやすい」と思う記事は、おそらく「てにをは」の使い方を含め、構成や分量も適切である確率が高いです。そういった良質な文章を読んだ上で、次は実際に自分で文章を書く「アウトプット」を数多く行いましょう。自身のブログがあれば格好の練習になりますし、せっかくなのでクラウドソーシングのWebライティングを利用すれば、報酬ももらえて一石二鳥です。

ぜひたくさんの文章を書いて、魅力的な文章を書ける「てにをは」マスターになれば、Webライターとしての自信も信頼度もぐんと高まりますので、ぜひ頑張ってくださいね。

▼サグーワークスのライターになって「てにをは」の正しい使い方を実践しよう!
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こぶたのまとめ

  • 「てにをは」とは、漢文を日本語に読み下す為の「ヲコト点」から派生したもの、助詞などの総称。
  • 「てにをは」は日本語特有のものである
  • 「てにをは」一つで文章の意味が変わるので、使い方には配慮が必要。

たくさんの文章を読み、少しでも多くの文章を書いて「てにをは」マスターを目指しましょう!
 
 

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みんなの感想文

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  • 「てにをは」一つで、文章の意味が大きく変わってくるというところが参考になりました。それに、確かに何となく適当に使っていたこともあります。読みやすい文章にするためには、この「てにをは」をマスターしなければいけないのですね。
  • 日本語の「てにをは」という使い方は日頃から気になっていたのですが、改めてこういった記事で具体的に詳しく説明してくれると理解が深まり助かりました。この記事を参考に今後は日本語の使い方を改めたいなと感じさせてくれて良かったです。
  • 正直てにをはという言葉を知りませんでした。てにをはの使い方によって、文章のニュアンスが変わってくることを知りました。良質な文章を読むことや自分で文章を書くことによって、てにをはの使い方が上手になり、読みやすい文章が書けるようです。なので、もっといろいろな文章を読もうと思います。
  • 「てにをは」この文字を間に使うだけで、同じ様な意味合いでも、全く違う表現になると言う事がよく判りました。判りやすく上手く相手に伝えるには、この4文字を使い分ける事を重点に置いておくと間違いないと思いました。
  • 「てにをは」という言葉はよく聞くのですが、その内容をしっかりと説明しろ、と言われると出来ないのが正直なところです。「てにをは」についてしっかりと分かりやすく解説がなされているのでとても勉強になりました。
  • 「てにをは」の意味は知っていましたが、深く考えたことはあまりなかったのでこれからは強く意識をしていきたいです。「紅茶がいいです」と言うべき場面で、「紅茶でいいです」と言ってしまった経験があるので気をつけたいです。言葉一つで意味の取り方が変わる日本語って面白いです。
  • 「てにおは」がどういったことに由来しているのかが勉強になったので、読んでよかったです。私は「てにおは」を理解しているし、それができていないと指摘されたことはこれまでないですが、それを間違ってしまうと確かに意味が大きく変わってくるので注意が必要ですね。
  • 「てにおは」をマスターすることで、ライターの質を上げることができるという点はその通りだと思います。文章を読み返しみて一文字変えるだけで印象が大きくことなることに気が付くことは良くあります。印象に残る記事を残すためにも、「てにおは」は是非とも覚えたいスキルです。
  • 「てにをは」の説明、具体的な使用法、大変分かりやすい内容でとても参考になりました!たしかにちょっとした一文字で文章が大きく変わってしまうので、気を付けて文章を見直し、正しい使い方をしなければいけないと改めて思いました。
  • 日本語ならではの格助詞について、分かりやすく説明されていた点が良かったです。ほんの一文字で、伝わり方が変わるところが難しいところでもあり、面白いところでもあると感じました。質の高い文章作りに欠かせないポイントだと思います。
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