口約束はあてにならない!?取材依頼の現実

私は、映画や音楽など、エンターテイメント関連の取材をおこなっているライターです。日々色々な案件について色んな方とやりとりをしていますが、中には適当なことも多いのです。

スケジュールを空けて待っているのに・・・返事がこない

ライター業をしていて一番思うのは、取材や書き原稿の執筆依頼をもらっても、口約束は本当にあてにならない、ということです。

例えば「〇月〇日に取材をお願いしたいんだけど、その日空いてますか?ぜひお願いしたいんです!」などと訊かれて「大丈夫ですよ!」と返事をしたものの、その後一向に何も言ってこない、メールをしても全然返事が返ってこないなんてことは日常茶飯事。スケジュールを空けて待っている方は肩すかしです。言ってきた方とすれば、案件を振ってあげようという気持ちで言ってくれているのでしょうが、まだ具体的に詳細が決まっていない段階で言ってくるため、案件自体が立ち消えになったりしていることもあるようです。

また、「この日にインタビューをお願いしたいんですけど、何時なら大丈夫ですか?」と細かい時間を訊いておきながら、その後全く連絡が途絶えることもあります。時間の折り合いが合わなかったということなんでしょうけど、それならそれで、予定が合わなかったことを一言伝えてくれても良いですよね。

急いで納品したのに掲載されないことも

取材の依頼を受けるときに、条件を提示されることもあります。音楽のライブ・レポートを依頼されたときなどは、「明日の昼までにWEBサイトに掲載したいからできるだけ急いで原稿を上げて納品してほしい」と言われることもあり、寝ないで朝までかかって納品することもざらにあります。そうした最大限の努力をして原稿を送ったにも関わらず、メールの返事もなければ掲載もされず全く連絡もない、なんていうことも度々ありました。

「もしやお蔵入りなのか!?」そう思っていた矢先に突然数週間後に掲載されたりします。どうやら原稿チェックや写真のチェックが遅れてそのような状態になるようですが、徹夜で原稿を書いたこちらはバカバカしくなってしまいます。

オイシイ話で喜ばせておいてほったらかし!?

たまに、こちらが嬉しくなるような話を持ってきてくれる人もいます。「じつは今、こんな企画を考えている」「その際にはぜひ〇〇さんに依頼したいと思っています」なんていう場合、大抵は話自体立ち消えになってしまうことが多いです。

以前こんなことがありました。某メディア関係の方にある集まりの会場で対面し、名刺交換させてもらったときのことです。その方とは初対面ですが、私の書いた記事を読んで頂いたこともあったようで、名前も知ってくれていました。そして「じつは、ある出版社の編集部の方から〇〇さん(私のこと)に執筆依頼をしたいので、ご紹介頂けませんか、と言われているんです。先方に連絡先を教えても大丈夫でしょうか?」と言われたのです。

もちろん、願ってもない話です。すぐにOKを出してその編集部が出している雑誌やWEBサイトについても詳しく教えてもらいました。しかしその後、待てど暮らせどその人からも編集部の方からも連絡は来ないまま。あちらから紹介したいと言ってきたにも関わらず結局連絡はありませんでした。その後もそのメディア関係の方とは度々顔を合せていますが、その話はなかったことになっているようです。

エンタメ系WEBサイトの乱立で仕事が煩雑化している

こうした状態に陥るのは、どこの編集部も忙しくて1つのことに細かく関わっていられないということが原因にあると思います。口約束とはいえ依頼を受けたり、原稿の納期を伝えられたり、好条件の話を訊かされたこちらからすれば、「なんていい加減なんだ!?」と思ってしまうことも多いですが、WEBや雑誌の編集部の人たちの忙しそうな姿を見ていると、相手がどう思っているかを考える間もないのだろうな、と少し同情したい気持ちにもなってしまいます。

エンターテイメント系のWEBサイトの乱立により、とにかくたくさんの情報を載せないといけないため、毎日の仕事が煩雑化しているのです。ライターの方は口約束が反故にされたり、メールが返ってこなかったり、せっかく書いた原稿がすぐに掲載されなくてもあまり怒ったりせずに「まあ、そういうもんだよね」くらいの気持ちでドーンと構えていた方が良いかもしれませんね。

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みんなの感想文

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  • とても参考になりました。本気で仕事をしたいなら、多少のトラブルは覚悟すべきかもしれません。また、エンタメ系WEBサイトの乱立というところには大いにうなずけました。最近、ライター募集の記事が増えたように思います。
  • 口約束の恐ろしさ、それから空しさがよく伝わる記事でした。さらに、甘い考えを持って仕事をすべきではないと痛感させられました。万が一、トラブルに巻き込まれた時には、是非思い出したい記事ですから要チェックです。
  • 実際に取材をされてそれを記事にされるのを仕事としている方の体験は、そんなことがあるのか、という驚きや新しい発見を与えてくれます。口約束の仕事でガッカリすることが多くても、在宅ワークとしてのライティングならどうだろう、という視点が加わればもっと興味深く読めたように感じました。
  • この記事を読んで、いくら口約束でも約束に変わりはなくしっかりと守るべきだと思いました。それと同時になかなか自分の思い通りにいかないのが仕事であり、みんな忙しくつらい日々を乗り越えているんだなと感じました。
  • 記事を書くことって資料を集めたり、何度も推敲したりで大変だと思うのですが、書いた記事が使われないこともあると知って驚きました。ライターは1つの記事で没頭せず、寛容な気持ちを持っていないと務まらないのかなって思いました。
  • ライターさんの声を聞くと様々なトラブルや問題点があるようで大変そうだなと感じました。またルールも様々あるようで、自分も今後ライターを続けるうえで該当するようなケースがあったときは気をつけていきたいなと思いました。
  • 取材依頼をやっていきたいなって思っていたので、凄く参考になりました。気をつけないといけない事が書かれている記事だったので、自分も気をつけないといけないなと感じました。エンターテイメント系のWEBサイトの現状を知る事が出来る記事でした。
  • たとえ口約束であっても、約束は約束なので守られなければ不安になるし嫌な気分になってしまいますが、実際にこうしたことはよく起こるものなのだと思っておくことで気持ちを落ち着かせることができると思いました。あまりひとつのことに期待しすぎず、悠長に構えることが大切なのかもしれません。
  • 経験者だからこそ分かることはたくさんあるでしょう。この記事に書かれていることもその1つだと思います。フリーライターの仕事をしていく上で大変な面を垣間見ることが出来てよかったです。何事もメリットばかりではないのだなと実感しました。
  • ツイッターやまとめサイトでこういうトラブルの話はよく見かけますが、どこか他人事として読んでいた気がします。けれども、本当はそうではないのですよね。明日は我が身ということを、きちんと考えなくてはいけないなと感じました。
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