語彙力を高めるための読書術!量を増やすための本と質を磨くための本

文章を書いている時、しっくりとくる言葉が思い浮かばずに、悩んでしまうことってありませんか?あるいは、同じ言葉の繰り返しになって文章が単調になってしまうという経験は?
それらの原因は、語彙力の不足にあります。

これを高めれば、表現力も豊富になり、オリジナリティの高い文章を書くことができるようになるでしょう。しかし、語彙力は、どうようにして身につけていけばよいのでしょうか?そのことについて考えていきます。

辞書や用語集を用いた学習

語彙力を高めるには、読書が一番だという話をよく耳にします。しかし、問題は何を読むかです。単に、言葉をたくさん覚えたいというのであれば、辞書を読むのが一番です。

時間の合間に辞書を開いて、順番に読んでいき、分からない言葉があればチェックを入れてその意味を覚えていく。これを地道に繰り返せば、かなりの言葉をインプットすることができます。
また、特定の分野の単語を覚えたいのであれば、その方面の用語集を読んでいけばよいでしょう。辞書や用語集と言えば無味乾燥なイメージがありますが、楽しく読めるように工夫を凝らした良書も存在しますので、そういったものを選ぶのが長続きするコツです。

ただ、たくさん言葉を知ったからといって、それで表現力が豊かになったと言えるのでしょうか?
ライターを目指しているのであれば、少なくとも人並み程度には言葉を知っているはずです。そこから、さらに新たな知識を上乗せするということは、一般にはあまりなじみのない言葉を中心に覚えていくということになります。

難しい言葉をたくさん覚え、それらを駆使すれば、確かに見た目はオリジナリティあふれる文章になるでしょう。しかし、読者にとってみれば、それは読みづらい文章にすぎません。いくら表現の幅を広げても、文章の意味が読者に伝わらないのでは本末転倒です。

それでは、ライターにとって難しい言葉を覚えるのは意味のないことでしょうか?決してそんなことはありません。知っていて使わないのと、知らないで使わないのは大違いだからです。

難しい言葉を知っていれば、今度はそれを平易な言葉に言い直すにはどうすればよいかを考えることになります。そうしたことが表現の幅をひろげることにつながるのです。ただ、それはそれとして、語彙力をより高めようと思えば、知っている言葉の数を増やすこと以外にもしなくてはならないことがあります。

名文を読むことによって得られるもの

前述した通り、難しい言葉を知っても、その言葉が読者に伝わらなければ、真の意味で表現の幅が広がったとは言えません。それに、難しい言葉を多く知っていれば、それで語彙力が高いというわけでもないのです。
確かに、多くの言葉を覚えることは。語彙力を高めるための基本条件ではありますが、それがすべてではありません。ひとつの言葉をどれだけ深く理解し、その言葉を自在に使えるかということも語彙力を語る上では欠かせない要素です。

例えば、「官能的」という言葉を辞書で引くと「性的な感覚をそそるさま」と書かれています。それだけを覚えていたのでは、「官能的」という言葉の使い道はかなり限定されてしまうでしょう。しかし、実際には「官能的なメロディ」とか「官能的なエンジン音」といった辞書の掲載されている意味からは想像しがたい使い方をする場合が多々あります。
こうした用法は辞書では身につけることはできません。実際に、生きた文章を読むことが必要です。

そこでおすすめしたいのが、文豪や名コラムニストと呼ばれる作家の作品です。彼らの文章は、ひとつひとつの言葉を実に巧みに扱っています。
それらを何度も読み返すことで単語ひとつひとつに含まれる深い意味が理解できるようになり、表現の幅も広がってくるでしょう。

語彙力はふたつの側面から鍛えるのが効果的

繰り返して言いますが、知らない単語を覚えるだけでは、豊かな表現力を身につけることはできません。語彙力というものは、量と質の両方が兼ね備わって初めてその力を発揮するのです。

したがって、本格的に語彙力を高めたいのであれば、辞書や用語集による量の学習と、名文と呼ばれるような生きた文章を繰り返し読むことで得られる質の鍛錬をバランスよく行うことが大切です。毎日少しずつでもよいので、それらを根気よく続けていくことが後々大きな力を得ることにつながってくるでしょう。

▼語彙力を高めたら、サグーワークスで実際に知識を活かしたライティングをしていきましょう。
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こぶたのまとめ

<質>
言葉の意味を深く理解し、自在に使えるようになる。
文豪やコラムニストの文章を読む

<量>
辞書や用語集で知っている言葉の量を増やす
 

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みんなの感想文

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  • 語彙力という言葉を初めて知ることができ、ますますライターへの興味が湧いてきました。それは言語能力を上げられることで今までに、なかった自分なりの表現を書くことができ、同時に知識を身に付けることができるからです。
  • 確かにただ難しい言葉を覚えるだけではなく、誰もが分かりやすい言葉で表現することが一番大事なんだと気づかされましたが、実際にどのような本を読んでいくべきなのかが分かりにくかったです。結局、文豪や名コラムニストの本を読むべきだというのは、一般的な意見であまり参考になりませんでした。
  • 語彙力は、知っている言葉の量だけでなく質が重要だと言うことに納得させられました。たしかに、上手な言い回しをするためには、表現力も伴っていないと不可能です。その表現力を上げるために、名文やコラムなど読むことの重要性もわかりました。自分で実感して初めて語彙力になるのだと思うようになりました。
  • 語彙力が乏しい私にとってはありがたい記事でした。語彙力を鍛えるための方法が分かりやすく書かれており、非常に勉強になります。実際に文章を読むということはよくやっているのですが、辞書を読むということは全くといっていいほどやっていないので、これからやってみようと思います。
  • 語彙力を増やすために名文に触れた方がよいという基準がありました。確かに名文に触れると語彙力の増加に役立ちそうですがどんな名文についての記述がなかったため、あまり参考になりませんでした。名文の具体例や筆者が読んだことのある名文を記述してくれたらとても参考になったと思います。
  • 単純な言葉としての意味という語彙力の持つ表面的な値打ちだけでなく、ニュアンスを活用して文学的に活用する方法まで説明してあったので、自分自身の語彙力を高めるモチベーションのアップにつながるような内容だと思います。
  • 語彙力を高めるには、どうしたら良いのかと言う事の答えが、当たり前というか、ありきたりの内容だったのが残念でした。もっと「あー、そういったことをすると良いのか」と思えるような、意外な結果、内容が記載してあれば良かったと思いました。
  • 私、国語科の現代文・古文の教科書・副教材の会社に勤めておりましたので、おっしゃりたいことはよく分かります。例えば、古文の単語帳でも、ただ、見出し語の単語だけを覚えていても文中の意味を読解することはできません。学習の際に、派生語・関連語まで学習して、テストを繰り返して覚えるから、読解力・語彙力が高まるのです。前職で出版している評論用語集や漢字プラス語彙でも読もうかと思います。ありがとうございます。
  • 今の自分にとても為になるものでした。豊かな表現力を身につけられるように本を沢山読んで、色んな表現で文章を伝えられるようになりたいと心から思わせて頂きました。本当にありがとうございます。毎日少しつづ自分の時間に本を読みたいと思います。
  • 語彙力というと難しく捉えがちですよね。とても身につけたい力のひとつですが、辞書や名作を生活の合間に読むのは大変ではないかと思います。初心者でも読みやすい本などを紹介してもらえたら、努力する一歩になると思います!
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