『スター社員になるための「働き方」の教科書』ー仕事で輝きたい人、必読の一冊

『スター社員になるための「働き方」の教科書』

会社員であれフリーランスであれ、仕事をする以上は成果を出したいし、存在感を発揮して輝きたいと思うのではないでしょうか。とはいっても、頑張りすぎて空回りしてしまうこともあれば、独りよがりになっていることに気づかないこともあります。なかなか認めてもらえず、へこんでしまうこともあるでしょう。そんなとき、仕事で輝く人になるためのヒントをくれるのが『スター社員になるための「働き方」の教科書』です。

この本のユニークな点は、働く人を「ルーキー社員・レギュラー社員・スター社員」という3ランクに分け、心がまえや仕事ぶりを提示していることです。例えば「時間」という項目では「勤務時間を大切にするのがルーキー社員、早朝の時間を大切にするのがレギュラー社員、お客さまとの時間を大切にするのがスター社員」という形で、各ランクのあるべき姿を具体的に浮かび上がらせてくれます。

タイトルに「社員」という言葉が入っているため、組織に属している人向けの本と思われるかもしれませんが、フリーランスも含め、すべてのビジネスマンに役立つ内容です。ぜひ手に取ってみてください。

自分を客観視してステップアップできる!

冒頭でもお伝えした通り、本書は「ルーキー社員」「レギュラー社員」「スター社員」という3ランクの社員を設定し、それぞれの心がまえや仕事ぶりを比較するかたちで展開していきます。しかし、決して「ルーキーがダメで、スターがよい」といっているわけではありません。初めて社会に出た新人に、いきなりスター社員のように仕事をしろといっても、それは無理な話といえるでしょう。

ルーキーにはルーキーの、スターにはスターの働き方があることを前提として、「自分の立場や仕事ぶりを客観視してとらえてステップアップを目指そう」というのが、著者の意図するところです。仕事ぶりや心がまえを表現する文章にはユーモアがあり、項目によっては思わず笑ってしまうものも多くあります。読んでいていやな気持ちになることがないのは、著者の人柄ゆえかもしれません。

考えてみれば、組織や社会において自分がどのような働き方をしているのかは、なかなかとらえにくいものです。しかし、3ランクの社員のあり方が提示されることで、「ルーキーの心がまえはできている。では次はレギュラーを目指そう」「お、スター社員の働き方ができているとは、自分もやるな」などと、冷静に振り返ることができます。

自分のあり方がわかればこそ、新たなランクに進むことが可能です。社員ランクの設定は、その指針でもあります。

もちろん、提示されている各社員のあり方は著者独自の観点です。考え方が少し違うなということもあって当然です。その場合は「では自分ならどう振る舞うのか」という視点で読むと、より考えが深まっていきます。

部下を持つ人のヒントにも!

部下を持つ人にとっては部下を育てることも仕事のひとつですが、言うほど簡単ではないことも事実です。そんなときにも、この本はヒントになるに違いありません。部下の仕事ぶりを3ランクの社員と照らし合わせて読むことで、次のステップへどう導いていけばよいかが明らかになるからです。

部下に本を見せながら具体的にアドバイスするという方法もありますが、それよりも、自分自身がスター社員のあり方を体現してみせるのもおもしろいのではないでしょうか。部下にとってお手本がそばにいることは、大きな刺激になるはずです。

さらに、お手本となりながらもスター社員以上を目指したいという人に向けて、スター社員の上位概念「ミラー社員」のあり方も提示されています。ミラーは、文字通りビジネスマンの「鑑」。本書の最終章は、スター社員とミラー社員の仕事ぶりを対比させながら、働くことの意義について考えさせられる内容となっています。

仕事で輝くためのアドバイスが満載

社会人としてのキャリアやポジションに応じて、働き方は変わります。本書の設定を借りれば、ルーキー社員からレギュラー社員、スター社員、そしてミラー社員へ。それぞれのランクでの仕事ぶりを示しながら、ステップアップするためにはどうしたらよいか、何を変えていけばよいかをこの本は具体的に教えてくれます。その根底にあるのは「人はどんな場所でも輝くことができる」という著者の信念です。

実は著者は、自身で会社を興した経営者です。売り上げと組織を拡大していくために試行錯誤を繰り返し、時には失敗も重ねてきました。また、「自分自身がスター社員であった自信などない」と正直に告白しています。だからこそ決して上から目線ではなく、仕事で輝きたいあらゆる人に役立つ内容となっていると感じるのです。ぜひこの本で仕事に対する心がまえを見直し、アドバイスを活かしてみませんか。そして、仕事で輝く人になりましょう。

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