冗長な表現を撃退!スマートで伝わりやすい文章にするには?

冗長な表現を撃退!スマートで伝わりやすい文章にするには?

分かりやすい文章を心がけていても、ついつい使ってしまいがちなのが冗長な表現です。たとえば、「使いすぎることは良くないことです」という表現を「使いすぎは良くありません」と書き換えるだけで、ぐっと理解しやすくなります。

冗長な表現とは、具体的にどのような表現を指すのでしょうか?また冗長な表現を削り、スマートな文章にするためのコツとは何でしょうか?ライターが陥りがちな落とし穴を具体例とともにご紹介します。

回りくどい表現を削ろう

まずは次の例文を読んでみましょう。

(1)空を飛ぶということは、人間という存在が昔から抱いてきた夢だった。
(2)頑張れば、実現できないわけではない。

長くて読みづらい印象ではないでしょうか。続いて、次の文章を読んでみましょう。

(1)空を飛ぶことは、人間が昔から抱いてきた夢だった。
(2)頑張れば、実現できる。

どちらの文章も、冗長な表現を削除したために、ぐっと読みやすくなりました。具体的なコツを確認してみましょう。

(1)の表現は、不要な「という」が挟まっていました。似た表現に、「するもの」「すること」などがあります。このような表現は文章を長くし、分かりづらくしてしまいます。なるべく使わないように意識しましょう。

また(2)の表現は、二重否定と呼ばれています。「ない」を連続して使うことで、伝えたい内容のインパクトや説得力が低くなってしまうため、できる限り肯定文で表現するようにしましょう。このように、回りくどい表現を削るだけで、一気に読みやすい文章へ早変わりします。

重複には要注意!

同じく避けたいのは、重複表現です。具体例を見てみましょう。

(3)私は自分の子どもと初めての散歩に出かけた。
(4)昨日の先生のコメントのおかげでヒントを得た。

テンポが悪く、伝わりづらい文章ですよね。これを修正してみましょう。

(3)私は子どもと初めての散歩をした。
(4)昨日の先生のコメントからヒントを得た。

(3)では、「自分」と「子ども」、「散歩」と「出かける」に意味の重複があります。前者は、前後の文脈から誰の子どもか理解できる可能性が高いため、「自分の」という情報は省きましょう。また「ぶらぶら歩くこと」という意味を持つ「散歩」という言葉には、外に出かけるという意味合いも含まれています。こちらも不要な情報は省くと良いでしょう。

(4)では、「の」という助詞が連続するためテンポの悪さがあります。同じ助詞は最大2回の連続にとどめることがコツです。「が」も連続しやすい傾向があるため、注意しましょう。

余計な表現がないかチェック!

スマートで分かりやすい文章にするためには、1文中でも1段落中でも、なるべく不要な表現や情報を省くことが大切です。たとえば次の文章を読んでみましょう。

(5)リンゴというものは、バラ科リンゴ属の樹木に実る果実のことです。日本では、明治時代から栽培され始めるようになりました。有名な産地としては、青森県や長野県が挙げられます。旬としては、品種にもよりますがだいたい秋から冬にかけてくらいです。

まずは各文章の余計な部分を削除してみましょう。

(5)リンゴは、バラ科リンゴ属の樹木に実る果実です。日本では、明治時代から栽培されています。青森県や長野県が、有名な産地です。旬は品種にもよりますが秋から冬くらいです。

このように、各文章の回りくどい表現や重複表現を削除するだけで随分読みやすくなりますが、さらにチェックしたいのが、段落の主旨から外れた表現がないかどうかです。たとえばこの段落の目的が、リンゴの産地と旬を伝えることだとしたら、さらに次のように調整できます。

(5)バラ科リンゴ属の樹木に実るリンゴは、青森県や長野県で多く生産されています。旬は品種にもよりますが秋から冬くらいです。

リンゴという品種の説明を最低限に抑え、「明治時代から栽培されている」という不要な情報を省くことで、主旨が伝わりやすい段落になります。このように、1文だけでなく段落全体でのチェックも欠かさないようにしましょう。

こぶたのまとめ

  • 冗長な文章は、長くて読みづらく、相手に主旨が伝わらない
  • 冗長な文章を避けるコツは、回りくどい表現を削除すること
  • 具体的には「こと」、「もの」や二重否定、重複表現を避ける
  • 1段落中の不要な文章を削除することもポイント

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