異色ラッパー自伝『怒れる頭』!サラリーマンの強み

サラリーマンの強みを自覚しよう!異色ラッパー自伝「怒れる頭」を解説

テレビ番組や動画サイトの影響もあり、ラッパー同士が技術を競い合う「MCバトル」が大流行しています。とはいえ、いまだに「ラップといえば不良の文化」だと思っている人は多いでしょう。

しかし、2017年の全国大会「UMB」優勝者であるDOTAMAさんはサラリーマン経験のある異例のラッパーでした。そして、DOTAMAさんはバトルにサラリーマンとして学んだことを活かしているといいます。自伝「怒れる頭」からは「サラリーマンの強み」を学べます。

「怒れる頭」は苦労人ラッパーが成功するまでの自伝

サラリーマンと兼業していた田舎のラッパー

DOTAMAさんは栃木県で、真面目な両親のもとに育ちました。田舎町で厳しい家庭という、ヒップホップからは程遠い環境であったにもかかわらず、若かりしDOTAMAさんは音楽に目覚めていきます。とはいえ、ラッパーとして生計が立てられるのはほんの一握り、まして田舎で暮らすDOTAMAさんは音楽だけで収入を得る自信がありませんでした。高校卒業と同時にDOTAMAさんは地元のホームセンターに就職し、サラリーマンとラッパーの「2足のわらじ」を履く生活が始まります。

バトルに役立ったサラリーマンの仕事とは

仕事が終わればすぐクラブへと向かい、ライブをして不眠のまま職場へ向かうという苦しい生活が「怒れる頭」では語られます。それでも、DOTAMAさんは徐々にヒップホップ界で名前を知られるようになり、MCバトルやテレビ出演をきっかけとして人気ラッパーの仲間入りを果たすのでした。

本書でDOTAMAさんはサラリーマン時代に学んだ「数字を見ること」がいかに役立ったかを解説します。ホームセンターで売上をデータ化し、売れ筋商品を見極める作業がMCバトルにも応用できると気がついたのでした。サラリーマン生活を知らないラッパーとはまったく違う発想で、DOTAMAさんはMCバトルの強者となっていきます。

サラリーマン経験があったからこそDOTAMAさんが分かったこと

どんなときでも数字は嘘をつかない

「数字を見ること」について詳しく掘り下げると、サラリーマン時代にDOTAMAさんは「数字は嘘をつかない」という点を学びました。表層的な印象ではなく、数字を追えば店の経営状況は明確に分かります。

そこで、DOTAMAさんはMCバトルでも、対戦相手をデータで分析できないかと考えるようになりました。相手がどんなタイプのMCでどんな言葉をよく吐き出し、どんな戦術に弱いかを徹底的に調べ始めたのです。そして、シミュレーションにしたがってバトルを行ううち、DOTAMAさんの戦績は良くなり、全国大会で優勝するまでにのぼりつめました。

壁にぶつかったら数字を大切にする

サラリーマンを続けていると、毎日が単調に思えることもあります。また、仕事で結果を出す筋道が見えずに悩む時期もあるでしょう。しかし、「怒れる頭」でDOTAMAさんが実践したように、壁にぶつかったときほど「数字」や「データ」を大切にしてみるのがおすすめです。暗い気持ちで仕事をしていると、発想はどんどんネガティブになっていきます。しかし、数字だけはいかなるときも客観性を保っています。思考が袋小路におちいったときには、決して「嘘をつかない」数字にヒントを求めてみましょう。

「怒れる頭」はサラリーマンにこそ読んでほしい

自由奔放に生きているラッパーと、会社のために働くサラリーマンとでは大きな差があるように思う人もいるでしょう。しかし、「怒れる頭」はサラリーマンにこそ読んでみてほしい一冊です。DOTAMAさんがサラリーマン時代に学んだスキルが、いかにヒップホップの世界で役に立ったかが描かれているからです。

会社に通う繰り返しの毎日で、見えなくなっている「サラリーマンの強み」を客観的に教えてくれる一冊だといえるでしょう。DOTAMAさんはサラリーマンの経歴を忘れずにヒップホップ界で努力したからこそ、頂点に立つことができました。数字と向き合い、目標に向かってコツコツと頑張るサラリーマンは、実は強く誇り高い仕事なのです。

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