忙しい人に読んでもらえるのは、「起承転結」と「序破急」のどっち?

忙しい人に読んでもらえるのは、「起承転結」と「序破急」のどっち?

携帯電話やインターネットが普及したことで、現代人は昔の人と比べて時間が少なくなったといわれています。どこでも仕事ができるのは大変便利なことですが、その分個人のプライベートな時間が少なくなってしまっては本末転倒です。

しかし、私たちwebライターは記事を書いて報酬を受け取っている以上、そのような忙しい読者相手にも最後まで文章を読んでもらう努力をしなければなりません。webライターの社会的使命の一つに、読者に対して正確で役に立つ情報を与えることがあるからです。

文章を構成する方法には「起承転結」と「序破急」がありますが、これら2つのうちどちらが忙しい現代人に読んでもらえる構成方法なのか検証してみました。

起承転結の概要とメリット

起承転結とは中国の漢詩が元になっている基本的な構成方法の一つです。序破急と異なり、学校で習ったことがあるという人が多いのではないでしょうか。

この構成方法の特徴は、「起」「承」「転」「結」の4段落から構成されている点で、「起」では文章の冒頭でその世界に読者を引き込む役目を果たします。

「承」は「起」で引き込んだ世界観をより深める役目を果たすもので、文章の内容を膨らませるための部分です。物語の魅力を伝えるために重要な役割を果たします。

「転」はそれまでと異なる視点から物事をとらえて、文章に変化を与える部分です。「転」があることで、結末がどのように締めくくられるか予想されにくいため、最後まで読者に飽きさせません。

最後の「結」はその言葉どおり、物語を締めくくるための部分で、これまでの内容をふまえて筋道の通った結論を書くことが求められます。読後の感想に大きな影響を与える部分ですので、慎重に書く必要があるでしょう。

起承転結で文章を書くメリットとしては、「起」や「承」で取り上げた題目を「転」で一度大きく展開することで、読者に興味を持たせたまま最後の「結」まで読んでもらうことができるという点です。

序破急の概要とメリット

序破急とは日本の伝統芸能である「能」や「雅楽」などの楽曲を構成するときに使われる言葉でしたが、現在では文章構成にも使用されます。

起承転結が4段落構成であるのに対して、序破急はその言葉のとおり「序」「破」「急」の3段落構成である点が特徴です。

「序」の段落では、起承転結の「起」と「承」の部分にあたる、文章の導入及び世界観の広がりを表現します。

「破」は文章の本論を語る部分で、序破急という文章構成において、最も大切でかつ情報量が多くなければいけません。また、文章の内容や構成によっては、起承転結の「転」の役割を同時に果たすこともあります。

そして、最後の「急」において起承転結の「結」と同様に、文章を締めくくります。

序破急で文章を書くメリットは、起承転結と異なり3段落構成であるため、読者が簡潔に内容を理解しやすいという点です。文章によっては起承転結における「転」の部分がなくても成立するので、それまでの内容を変化させる必要がありません。文章の導入文である「序」の部分から結論の「急」まで素直に読み進めることができる方法だといえます。

忙しい人に読んでもらえるのはどっち?

以上のことから、現代人のように日常生活が忙しくて、文章を読む時間がまとまってとれない人に向いているのは序破急の方だといえるのではないでしょうか。

起承転結は「転」があるため、読者を最後まで飽きさせない反面、4段落構成であるので結論まで読み進むには時間がかかります。それに対して、序破急では3段落構成であるメリットを活かして、導入文から結論までスムーズな展開をすることが可能です。内容によっては「転」の部分を省略して構成することもできるので、時間がない読者にも理解しやすいといえるでしょう。

この2つの構成方法はどちらにも一長一短がありますが、おおざっぱに分類すると、時間があるときに長文を読むときは「起承転結」、時間がないときに導入文から結論まで一気に読んでしまいたいときには「序破急」が向いているといえるのではないでしょうか。

こぶたのまとめ

  • 起承転結は4段落構成。「起」と「承」で作った話を「転」で変化させて「結」で締めくくる
  • 序破急は3段落構成。「序」で話に引き込み、「破」で本論を語り、「急」で締めくくる
  • どちらにも一長一短があるが、忙しい現代人に読んでもらいやすいのは、3段落構成でスムーズに読める序破急の方ではないでしょうか

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