掛け持ちバイトだと自分で税金を払う必要があるの?

掛け持ちバイトだと自分で税金を払う必要があるの?

不況が続く中、ダブルワーク、トリプルワークをしている人も珍しくないですよね。私自身も一時期4つの仕事をかけもちしていたので、「私はクアドラプルワーカーと呼ばれるのかな」なんて考えていました。

複数の仕事を掛け持ちしていると、主な稼ぎ処ではきちんと税務処理をしてもらえていても、他の職場では自分で税務処理をする必要が生じてきます。

「働けば働くほど税金が増えていき、結局意味がない」などと皮肉られることもある日本ですが、きちんと税務処理をしておかないと延滞税を求められることもあるので、正しく処理しておきたいところです。

掛け持ちバイトをする理由は?

ダブルワーク・トリプルワークをする理由はなんでしょうか。収入の安定を求めてバイトを掛け持ちする人が一番多いかもしれません。他の人との関係で思うようにシフトが決まらず、収入が減ってしまうと望むような生活ができなくなります。必要に迫られ、睡眠時間を削ってでも働かざるを得ないこともあるでしょう。

ほかにはやりがいを求めてバイトを掛け持ちしている人もいるでしょう。特にライターの仕事ならば、自分の得た知識をわかりやすく他人に伝えるというやりがいもあるはずです。気分転換に環境を変えて働いてみたい人もいるでしょう。または、暇な時間を有効に活用するためにバイトを掛け持ちする人もいます。ただし、休養時間や趣味の時間まで削られてしまう可能性があるので、ほどほどにしたほうが無難です。

また、バイトを掛け持ちすると税務処理上注意すべきことが生じる点には注意しましょう。

税率が変わらないように収入を調整したほうがいいの?

累進課税制度の日本では、収入が大きいほど税率が上がります。そのため、目先の利益にだけとらわれると損をしてしまうかもしれないと不安に感じる人もいるでしょう。私自身も累進課税制度を正しく理解するまでは、税率の変わるあたりで収入を調整したほうがいいのだろうと考えていました。知人から「税率が違ったみたいで、40万円多く払わされたよ」などと聞いたこともあったので、収入目当てでダブルワーク、トリプルワークはしないほうがいいと考えていたのです。

しかし、実際にはダブルワーク・トリプルワークでも税率を気にして収入調整をする必要はないでしょう。これからその理由を説明していきます。

所得税の税率は所得金額に応じて7段階に分けられており、平成30年度では、195万円、330万円、695万円、900万円、1800万円、4000万円が基準になっています。その各段階に控除額が設けられています。

たとえば195万円であれば税率は5%、控除額は0円なので、195×0.05=9.75(万円)が所得税です。196万円であれば税率は10%、控除額は9万7500円なので、196×0.1-9.75=9.85(万円)が所得税です。1万円収入が増えたとしても1000円しか税金が増えないように、税率が変わったからといって、それだけで損をすることはないといえるのです。

ちなみに、所得とは収入金額から経費を引いた金額なので、所得=年収とは限りません。

出典元URL:国税庁 No.2260 所得税の税率

会社員は所得税に無頓着!?

「税率が変わると損をする」といううわさを信じてしまうのは、所得税についてきちんと理解していないからかもしれません。正社員として会社勤めをしていると、普段あまり所得税を意識しない人もいるでしょう。所得税は毎月の給与や賞与から天引きされており、基本的に自分で支払うものではないので、無理もありません。

この天引きは、「源泉徴収」といわれるもので、あらかじめ概算で徴収しておく制度です。源泉徴収を行う段階では概算にすぎないので、11月から1月下旬に年末調整を行い、納めた税金が正しいかを再計算し、源泉徴収票が配られることになります。年末調整で、納税の清算が行われるので、会社員が自ら税金を納める必要はありません。

もっとも、年末調整は同時期に1つの会社でしか行われません。そのため、バイトを掛け持ちしているような形態だと、サブのバイト先では年末調整が行われないので、自分で確定申告をしなければならなくなります。

確定申告の仕方

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間で支払うべき税金の額を計算して、確定申告書等の必要書類とともに税務署に申告・納税する手続きです。場合によっては、確定申告を行うことによって納め過ぎた税金が還付金として戻ってくることもあります。

確定申告を行うためには、まず申告用紙や源泉徴収書、生命保険料控除証明書など必要書類を準備します。そして、申告書を作成して、3月15日までに提出します。

期限内に確定申告をしないと所得税に加えて無申告加算税を求められることがあります。そうなると、かえって損をしてしまうので、正しく申告するようにしてください。なお、月に1度のペースでしか副業をしていない場合など、掛け持ちバイトをしていてもその所得が20万円以下であれば確定申告をしなくても大丈夫です。

こぶたのまとめ

バイトを掛け持ちする場合の注意点

  • (サブのバイト先では年末調整が行われないので)副業の収入が20万円を超える場合には確定申告が必要

確定申告をしないと無申告加算税等を払わなければならないので注意しよう!

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