仕事で判断に迷ったら『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』を読もう

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

仕事をしていくなかではさまざまな判断を求められます。職種や業種、役割は違っても、仕事は大小さまざまな判断の積み重ねで進んでいくものです。

判断するにあたって論理的に考えて結論が出る場合は問題ありませんが、いくら考えても正解がわからないときは困ってしまうでしょう。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』は、そういった迷える人にヒントを与えてくれる本です。

そこで、この本が書かれた背景や概要、この本の魅力について解説します。

経営判断には論理だけでなく直観も必要

この本が書かれた背景としては、日本の会社の意思決定が有効に行われていないと著者が感じていることと、世界のエリートが美術関係の機関が提供している経営者育成プログラムで学ぶ機会が増えたことがあげられます。

著者は、有効な意思決定ができない理由として、論理に頼りすぎた経営判断になっているからだと分析しています。論理的な分析を行って判断を行うことは当然のことだと感じている人は多いでしょう。本書の中でも紹介している通り、論理的に間違っている判断は失敗につながります。ポイントは、論理的に正しい判断をしても、成功につながるかどうかわからないケースが増えていることです。

著者は、世の中が複雑になってきたため、以前は有効だった「論理的に正しい判断が成功につながる」という方程式に頼るのは危険だと指摘しています。

有効な経営判断を行うためには、「サイエンス」だけでなく「アート」の要素が欠かせないというのが著者の主張です。サイエンスは論理、アートは哲学や美意識、直観ととらえるとよいでしょう。論理的に正解を導けない問題については直観による判断が大事になる、直観を鍛えるためにはアートが欠かせない、ビジネスにおける判断では美意識を鍛えることが必要だ、というのが本書に書かれていることの概要です。

今回紹介した本について

今回紹介した本については、内容を理解して仕事のなかで活かしていくことができます。活かすポイントは2つです。

1つ目は、仕事上の判断を迫られたときに役立てることです。判断をする場合、どうしても「正しい言動を選択しなければならない」といったプレッシャーを感じます。そうなると、自由な発想が浮かびにくくなるものです。また、「上司にあとで判断の理由を説明しなければ」と感じながら行う判断は、どうしても論理に頼った判断になります。理由は、無責任な判断をしたわけではないと言い訳できるからです。

ただし、論理に頼った判断は硬直的になり、よいアイデアは浮かびにくくなります。一方、この本が伝えている「サイエンス(論理)」と「アート(哲学、美意識)」という2つの要素を考慮して判断する方法では、過度なプレッシャーを感じず自由な発想で判断できるようになるでしょう。論理による正しさには限界があるということを知っておけば、直観に頼ることに迷いがなくなります。

2つ目は、普段の過ごし方、意識の仕方の指針として活用することです。的確な判断をするためには、サイエンスとアートをバランスよく身につけることが重要になります。これまで論理に頼りすぎてきたと感じる人は、美術や哲学を学ぶことで「アート」の要素を強化可能です。

「正しい答え」にとらわれすぎないことが大切

仕事のなかで迫られる判断のなかには、論理的に考えても結論がみえないものもあるでしょう。そんな場合には、直観に頼って判断することも悪くはありません。ただし、直観による判断が成功につながるようにするためには、直観を鍛えることが大切です。

さらに、正解が得られないと判断できるレベルの論理的思考ができることも欠かせません。しかし、日々仕事に追われながら判断力を向上させることは難しいと感じている人もいるでしょう。そういった人は、『世界のエリートはなぜ「美意識」鍛えるのか?』を読むことによって、直観を鍛えることの大切さと、鍛え方について手軽に学ぶことができます。

正しい答えがみつからずに判断に迷うことが多い人は、この本を読んでみることをおすすめします。

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