アドラーに学ぶ!周囲の人とうまくやっていく方法とは?

アドラーに学ぶ!周囲の人とうまくやっていく方法とは?

フロイト、ユングと同時代を生きたオーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラー。彼とその後継者たちによってその理論が発展していった「アドラー心理学」は、日本でも関連する書籍がベストセラーになるなど注目が集まっています。

特に岸見一郎氏の『嫌われる勇気』では、その理論を平易な言葉でわかりやすく解説しています。アドラー心理学で取り扱うのは主に対人関係に関する悩みです。職場などで人間関係に悩む人にとって優れた啓発本なるのではないでしょうか。

「自己満足」が良い影響をもたらす?

アドラー心理学では、「共同体感覚」という概念を非常に重視しています。共同体感覚とは、個人は全体の一部であって個として存在するわけではなく、「その全体と共に生きている」と感じることです。ここで言う“共同体”とは会社や学校といった組織だけでなく、最終的には宇宙にまで広がっていくとアドラーは定義しています。そして、共同体感覚を得るためには他者を“仲間”として認識し、自分のためだけでなく仲間の利益のために行動することが重要だと考えるのがアドラー心理学です。

なぜ仲間への貢献が重視されるのかというと、他者への貢献は共同体の中での自己の役割や存在価値を見出すことに繋がり、ひいては自分自身の幸福へと繋がっていくからです。しかし、他者へ貢献する中で他者からの見返りを求めることは良い心構えとはされません。

もし、相手から見返りがなかったときに怒りや悲しみを感じるなら、あなたの感情は他者の行動によってコントロールされているということになるからです。自分が幸せになりたいと思うのなら、「相手がどのような反応をするか」に囚われず、「相手の役に立っている」ことに幸せを感じることが重要なのです。

現状を認識することが、第一歩に繋がる

他者との関わりだけでなく、「自己信頼感」も共同体感覚を得るには重要です。アドラー心理学における自己信頼感とは「自分は他者に貢献できる」という自信を持つことです。その気持ちがあれば、目の前にある共同体に対し気後れせず入ることができるからです。それがないと「自分には何の価値もない」といった考えに囚われてしまい、仲間の輪の中に入れなくなる恐れがあります。すると、他者への貢献感も得られず、幸せは遠のいてしまうでしょう。

そして、自分に自信を持つためには「不完全さを認める」ということも重要だとアドラーは言っています。恐らく、自信が持てないという人の中には自己が作り上げた「理想の自分」が存在しており、現在の自分との間に乖離を感じてしまうのです。しかし、人の価値観は人それぞれであり、世の中に“完璧な人間”などいません。ありのままの不完全な自分を受け入れ、その自分でもできることがある、と考えていくことが自己信頼感へと繋がります。

この本には、ここまで書いてきたような内容が事細かに書かれており、アドラー心理学を理解するのに役立つでしょう。著者である岸見一郎氏は日本におけるアドラー心理学の第一人者であり、アドラー心理学に関する書籍を複数執筆しています。その中でもベストセラーとなったこの本には、人間関係の改善を目指す人にとってヒントになる内容が散りばめられているはずです。

幸せは自分の力でやってくる?

アドラーの言う「共同体感覚」を得るためには、他者のために行動し、自分自身のことを認めてあげることが非常に重要です。悪いところも含めて“自分”を受け止めることで、“完全”ではない他者の存在も認めてあげることができるようになるはずです。

また、完全でないことを認めるからこそ互いに協力し、助け合いながら人間関係を築くことができるのではないでしょうか。本の中には、アドラー心理学についてここでは紹介しきれなかったことがいろいろと解説されています。その理論を知り実践を重ねていくことで、周囲の人との関わり方について学ぶことも多いのではないでしょうか。人間関係について悩むことが多い人は、ぜひ手に取ってみてください。

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