テーマ別!「序破急」と「起承転結」を用いた文章の違い

文章の構成には「起承転結」と「序破急」が存在します。丁寧に論理を構築していく「起承転結」と、読者にインパクトを与える「序破急」は記事の内容ごとに使い分けたいテクニックです。
どちらが優れているというわけではなく、両方とも使いこなすことでwebライターのスキルアップへとつながるでしょう。
ここでは、同じテーマの記事を「起承転結」、「序破急」を用いて比較していきます。テーマに沿った構成の重要性を確かめていきましょう。
「起承転結」を使って時事問題を書く例文
以下、時事問題について起承転結を使って執筆します。テーマは「生活保護バッシングの背景」です。
ある市役所では担当者たちが生活保護の不正受給者を非難するロゴの入った上着を着用し、職務を行っていたことも話題になりました。
こうしたバッシングが増えている背景には、不況が続く日本全体に精神的な余裕のなさが広がっている点が挙げられます。
貧困を身近な問題と捉え、思いやりの心を持つ必要が問い直されています。
時事問題では「事実」を伝えることが重要です。
そのため、「起承転結」によって事実を慎重に積み重ね、多くの読者に共有できる結論を導き出す文章が適しているといえるでしょう。
「序破急」を使って時事問題を書く例文
以下、時事問題について序破急を使って執筆します。テーマは同じく「生活保護バッシングの背景」です。
こうしたバッシングが増えている背景には、不況が続く日本全体に精神的な余裕のなさが広がっている点が挙げられます。人々の生活から余裕が無くなるほど、他人を攻撃して「自分はまだ余裕がある」と確認したい防衛本能が働くと片田珠美女史は著書『「正義」がゆがめられる時代』で述べています。
貧困を身近な問題と捉え、思いやりの心を持つ必要が問い直されています。
事実を伝えるには展開が急で、筆者の主張が強すぎる印象を受けます。時事問題を淡々と伝える文章で序破急を採用すると、読者の反感を買うリスクが強まるでしょう。
「起承転結」を使って美容のテクニックを書く例文
以下、美容のテクニックについて起承転結を使って執筆します。テーマは「洗顔の方法」です。
それは、洗顔に使うスキンケアアイテムが肌にダメージを与える可能性があるからです。毎日のようにメイクをする女性は、肌のダメージが蓄積されていきます。クレンジングの方法も見直す必要があります。
そこで、クレンジングの際にはあえてぬるま湯だけで洗顔してみましょう。時間はかかるものの肌のダメージは軽減されます。
真冬や真夏など肌のコンディションが気になる季節ほど、ぬるま湯の洗顔はおすすめです。
書いている内容が正しかったとしても、回りくどい印象を受けます。
読者がほしいのは「洗顔の情報」であり、それ以外の理屈は読み飛ばしてもいいくらいだからです。
「序破急」を使って美容のテクニックを書く例文
以下、同じテーマ「洗顔の方法」について序破急により執筆します。
そこで、クレンジングの際にはあえてぬるま湯だけで洗顔してみましょう。時間はかかるものの肌のダメージは軽減されます。スキンケアアイテムに含まれる添加物が肌に蓄積されるデメリットが解消され、肌の潤いを保ちやすくなります。
真冬や真夏など肌のコンディションが気になる季節ほど、ぬるま湯の洗顔はおすすめです。
「ぬるま湯で洗顔する」という主旨が伝わりやすくなっています。
スキンケアの方法を求めてサイトにやってきた読者も満足できるでしょう。
こぶたのまとめ
「起承転結」と「序破急」の使い分けでは
- 事実を客観的に伝えられるのは「起承転結」
- 読者が求めるコンテンツを強調する際には「序破急」
それぞれの長所を活かした文章構成をマスターしましょう。