読みやすさアップ!冗長表現を削って文章をスリム化
webライティング初心者は、記事を書く際に文章が冗長になりがちです。慣れないうちは文章を飾り立てて少しでも見栄えをよくしようとしたり、内容に自信がなくて表現が迂遠になったりするのがその原因でしょう。
しかし、記事を書く目的は読者に必要な情報を端的に伝えるためです。したがって、読者が長ったらしいと感じるような無駄な贅肉は極力そぎ落とす必要があります。
そこで、冗長な文章の実例を挙げつつ、それをスリムにしていく方法について説明をしていきます。
冗長表現の代表例!「という」「こと」
最初に以下の文を読んでください。
これは冗長な文の典型例です。「という」や「こと」といった表現は無意識のうちに使用しがちですが、多くの場合、情報を伝えるうえでなんの役割も果たしません。
情報量は増えずに無駄な贅肉となってしまうのでこれらの表現は極力削ってしまいましょう。ちなみに、上の文章から無駄な表現をそぎ落とすと以下のようになります。
こうすれば、文がすっきりとし、読みやすくなります。
もし、下書きを読み返して「という」や「こと」を多用していた場合はそれらを削れないか考えてみてください。
回りくどい文だなと感じたら文末をチェック
文の末尾は冗長表現の温床となるので特に注意が必要です。例えば、以下のふたつの文章を読み比べてください。
上の文の「ものである」という表現は文の意味を伝えるのに全く寄与しておらず、無駄に字数だけを増やす結果になっています。
こういった表現も文章を推敲する段階で削り落としてください。文末をいかに短くまとめるかは文章をスリム化するうえで特に重要なポイントになります。
読者の理解を阻害する二重否定
小説などでは普通に使われるものの、コラム記事では極力使わない方が無難な表現に二重否定があります。
一読して分かるように、二重否定は文末を回りくどくしてしまい、否定文をもう一度否定するために意味の把握を困難にしてしまうのです。確かに、小説などではあえて回りくどい表現をすることで独特の効果を挙げる場合があり、コラム記事においても二重否定が有効に作用するケースもあります。
ただし、あくまでもそれは例外であり、多用すると読者を混乱させるだけです。それをよく理解し、二重否定の文は極力避けるように心がけましょう。ちなみに、上の文は以下のように書き換えが可能です。
この方が、意味の理解がはるかに容易になります。
読みやすさを大きく左右する読点の位置
読点は日本語を書くうえで必要不可欠な存在ですが、明確なルールが定められていません。そのため、ひとつの文に何度も読点を打ったり、逆に全く読点を使用しなかったりする人がいます。しかし、どちらの場合も非常に読みにくい文章になってしまいます。
そこで、意識してほしいのが読点の比率です。ひとつの文の長さを平均50文字前後だとして、その中にひとつかふたつ読点が混じっているのが読みやすい文章だといわれています。
したがって、ひとつの文に4つも5つも読点があったり、読点のない文が延々と続いたりする文章は手直しを考えた方がよいでしょう。
ちなみに、読点がよく使われるのは「長い主語の後」、「重複・複文の区切り」、「接続詞・副詞の後」、「並列関係にある単語の区切り」、「誤解釈を防ぐため」などといったケースです。
読点を使用する際には、本当にそこに必要なのかをよく考えて適切な場所に配置できるようにしましょう。
気をつけないと見逃してしまう重ね言葉
文章のスリム化を図るポイントとして最後に指摘したいのが重ね言葉です。これは知らずに使用しているケースが多いのでよく気をつけなければなりません。
例えば、「まず最初に」といった場合、「まず」と「最初」は類語の繰り返しなのでここで文が重くなってしまいます。この場合は「まず」か「最初に」のどちらかを削る必要があります。
また、「血痕の跡」と言った場合、「血痕」には跡という意味が含まれているため、これも重ね言葉です。その他にも、同様の間違いとして「馬から落馬する」、「過半数を超える」、「一番最後」などがあります。ちなみに、正しい表現はそれぞれ「馬から落ちる」、「過半数に達する」、「最後」です。
ひとつひとつはあまり気にならないかもしれませんが、それが積み重なるとボディブローのように効いてきて文章全体から軽やかさが失われてしまいます。
以上のように、文章が冗長になってしまうのにはさまざまな原因があります。それをひとつずつ除去していき、スリムで読みやすい記事を目指しましょう。
こぶたのまとめ
冗長な文章を防ぐためのポイント
- 「という」や「こと」といった、文をいたずらに長くする表現は極力削る
- 文末表現はなるべく簡潔に
- 二重否定はできるだけ使用せず、肯定文に直す
- 読点は平均でひとつの文に1~2個程度が適切
- 「まず最初に」のように類語の重複がないかをチェックする