冗長表現という名の贅肉!無駄をそぎ落としてスリムな文を作ろう

サグーワークの非承認理由のひとつに「冗長表現」があります。冗長表現とは、無駄に長いために、言いたいことが伝わりづらい文のことです。
文章を書き慣れていない人は、これが頻出する傾向にあります。そこで、今回は冗長表現の主なパターンとその修正の仕方を解説します。

文を重くする類語の重複

以下の文を見てください。

まず最初に、言っておきたいことがあります。

何も考えずに読むと、おかしな所はないように感じます。しかし、注意して見てみると、「まず」と「最初に」という類語が重複していることに気づくはずです。

これは、どちらかひとつを削っても意味の通る文です。実際の会話の中では、しばしばこのような表現が出てきてきますが、書き言葉でそれをやると、くどい印象を受けてしまいます。

最初に、言っておきたいことがあります。

こうするとすっきりします。他にもいくつか例を挙げておきましょう。

類語重複

炎天下のもと、ボクシングの試合が始まった。

【修正文】炎天のもと、ボクシングの試合が始まった。

A選手は、自ら墓穴を掘って試合に敗れた。

【修正文】A選手は、墓穴を掘って試合に敗れた。

血痕の跡が、試合の壮絶さを物語っていた。

【修正文】血の跡が、試合の壮絶さを物語っていた。

「炎天下」、「墓穴」、「血痕」には、それぞれ「もと」、「自ら」、「跡」の意味が含まれているので、重複する言葉を削って文を軽くしたわけです。

まわりくどくて読みづらい!二重否定と冗長な文末表現

ブログ記事などを読んでいると、言い回しがまわりくどい文をよく見かけます。内容は問題ないのに歯切れが悪く、言いたいことが読み手に響いてこないのです。
その主な原因は、二重否定や冗長な文末表現の多用にあります。

二重否定

弱点を攻めれば、勝てないわけではありません。

【修正文】弱点を攻めれば、勝てます。

ふたつの文を比べた場合、上の文は歯切れが悪く、説得力に欠けることは明白です。このような二重否定を多用すると、記事そのものの信憑性まで疑われてしまいます。
さらに、否定を否定する行為は、読み手の誤読を招きがちです。100%そうとは言い切れない場合でも、二重否定は避け、肯定文で表現することをおすすめします。

二重否定

弱点を攻めれば、勝てないわけではありません。

【修正文】弱点を攻めれば、勝てるかもしれません。

肯定文で書くことにより、より理解しやすい文になります。

次に文末表現ですが、「~することができる」や「~であるものである」などの言い回しを多用すると文章が非常にまどろっこしくなります。リズム感が失われるのです。

冗長な文末

3カ月特訓すれば、彼に勝つことができるだろう。

【修正文】3カ月特訓すれば、彼に勝てるだろう。

この勝利は、非常に価値のあるものである。

【修正文】この勝利は、非常に価値がある。

リズム感のない冗長な文章は、読み手の集中力を奪います。せっかく有益な情報を盛り込んでも、最後まで読んでもらえないかもしれません。
意味が変わらないのであれば、文末はできるかぎり短くするのが理にかなった書き方です。

ちなみに、「~することができる」という表現は、「これまで彼に勝ったことはない。今戦っても敗北は必至だ。だが、3カ月特訓すれば、勝つことができるだろう」という具合に、「できる」をことさら強調したい時に使用します。

このように、長い言い回しをするには、はっきりとした理由が必要です。自分の感覚だけで、文章を引き延ばすことがないように気をつけましょう。

意味の混乱を招く!単語や助詞の繰り返し

ひとつの文の中に、同じ単語が繰り返して出てくると、文章の流れがよどみ、読み手の混乱を招きます。

同じ単語の繰り返し

試合は序盤から激しい打ち合いとなり、壮絶なKOで試合は終わった。

【修正文】試合は序盤から激しい打ち合いとなり、壮絶なKOで終わった。

さらに、同一助詞の反復も文の理解を阻害します。特に気をつけなければならないのは、「の」の繰り返しです。助詞の「は」や「が」は、続けて使用すると書き手もかなりの違和感を覚えるために間違いに気付きやすいのですが、「の」は違和感が少なく、無意識に繰り返すことが多いからです。

同じ単語の繰り返し

私は、従弟のボクシングのデビューの試合を観に行った。

【修正文】私は、従弟のデビュー戦を見るためにボクシングの会場へ行った。

助詞の「の」は3回以上続けると、係り受けの関係があいまいになって、言いたいことが伝わりづらくなります。読み返して該当する部分があれば、必ずわかりやすい文に書き直してください。

スリムな文を効率よく書く方法

無駄のないスリムな文は読者の負担を減らし、内容の理解を促します。

しかし、冗長表現のない文章を一発で書けと言われても、意外に難しいものです。人にはそれぞれ、長年の間に染み付いた自分の書き方があります。それを無視して、最初から正しい文を書こうとすると筆が進まなくなる恐れがあります。

そこで、おすすめしたいのが、下書きの時は表現にあまりこだわらず、見直しの段階で無駄な部分を削ぎ落しながら文を整えていく方法です。

下書きの段階で多めに書いておけば、削りすぎて文字数が足りなくなることもないでしょう。

最初から完璧な表現を目指すよりも、2つの工程に分けた方が効率よく文章を書けるはずです。そして、見直しの時に学習を積むことで、自分の書き方と正しい書き方との齟齬は次第に小さくなっていきます。

▼すっきりした文章を書くことを意識していけば、伝わりやすい記事作りのコツが掴めるはずです
早速サグーワークスでたくさんライティングをしていきましょう!
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こぶたのまとめ

冗長表現は記事作成中は気づきにくいもの。文章を書き終わってからチェックしましょう!
★チェックポイント

□類語重複
□二重否定
□文末の冗長
□同じ単語、助詞の繰り返し
 

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みんなの感想文

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  • まず、タイトルの「冗長表現という名の贅肉」という語感の良さに衝撃を受けました!タイトルを見て、思わず記事を読みたくなるようなものを私自身も書けるように頑張りたいと気が引き締まる思いです!また、最初から完璧を目指さずに、工程を分けて取り組むといった方法は、これからぜひ取り入れていきたいと思います。
  • 冗長表現については、何度読んでも難しいと感じてしまいます。単語の繰り返しなどは、読んで書き直すことはできるのですが、冗長表現や、類似重複に関しては、ハードルが高いなと思いました。文章を書くのは難しいと感じる記事でした。
  • ライティングのお仕事をする際、よく同じような表現を繰り返してしまいます。前から直さないといけないと感じていただけに、非常に勉強になる記事でした。無駄な表現を取り除き、出来る限り読者が分かりやすい表現をとれるようになりたいと思います。
  • 文章を書く際、ついつい無駄な文章を入れて長くしてしまいがちなので、非常に勉強になりました。無駄を省くコツも書いてあり、すぐに実践できる内容だったので、これから気を付けて案件に取り組んでいきたいと思います。
  • 冗長表現について具体例を挙げながら何処が問題なのか、改善ポイントは何かを簡潔に解説してあり、分かり易かったです。特に類語重複は、普段何気なく使っている言い回しが例文に挙げられていたので、今後文章を書くときに注意したいと思います。
  • 無駄に長い文章は読んでいても苦痛になってくるので、文章の文字の数は稼げないがわかりやすい文章が承認への近道だとわかった。自分も回りくどい文章はせずにはっきりとわかりやすい文章で提出します。そのためにも文章のスキルを上げます。
  • 冗長表現の無い文章の具定例がいくつか載っていたのでわかりやすかったです。自分の文章もスリムな文章を心がけたいと思いました。そのコツとして下書きの段階では表現方法に拘らず多めに書き、見直しで削れるようにすれば良いと学べたので参考になりました。
  • 気がつかないうちに、まどろっこしい文章を書いてしまっているかもしれないと思わされました。国語表現の知識も文章を作る上では必要ですね。ライティングにおいては簡潔な文章を書くことも大切なので、これからは意識したいです。
  • 類語の重複を違和感なく読んでいました。違和感がないということは恐らく自分でも文章を書くときに犯してしまっているのだと思います。二重否定も読んでみると理解がしづらいということが分かりました。大変参考になりました。ありがとうございます。
  • 最後のチェックポイントが分かりやすかったです。文章を気ままに作成していますと、類似表現の繰り返しや二重否定、そして文末の冗長表現や同じ単語の多用など、ついしてしまいがちなことがチェック出来て助かります。
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