会社員なら必ず受けなければならない健康診断!その概要と注意点!
会社に入ると必ず課される健康診断ですが、実は法律で決められているというのをご存知でしょうか。
労働安全衛生法という法律に定められており、従業員を雇用する事業主は、その従業員に対して定期的な健康診断を受けさせなければならないとされています。ここでは、会社員として働くのであれば必ず受ける健康診断について取り上げます。
会社で行う健康診断は法律で決められている
冒頭でも紹介した通り、会社で行われる健康診断は、労働安全衛生法という法律のなかで定められています。通常は1年に1回、常時雇われている従業員を対象に健康診断を実施しなければなりません。これには例外はなく、従業員(正社員)が1名以上いる会社であればすべての会社が当てはまることになります。
もし、従業員がパートタイマーやアルバイトだけの場合にも『1週間のうち4分の3以上を勤務』という条件を満たす場合には、正社員同様に健康診断を受けさせる義務があります。
健康診断の内容は、会社や実施機関などによってさまざまです。例えば、血圧の測定や血液検査などの基本的なものから、肝機能検査などの本格的なものまであります。尿検査などは学校でも実施されていますので、なじみ深いかもしれませんね。これらの健康診断にかかる費用は、原則会社側が負担することと同法律で定められているため、労働者側の負担はありません。
会社側に義務はあっても労働者側に義務はない?
会社側が健康診断を行う義務については法律に明記されていますが、労働者がこの健康診断を受けなければいけないことについては明文化されていません。つまり、労働者がこの健康診断を受けなくても、違法にはなりません。
ただし、会社側が行う健康診断をもし受けなかった場合には、何らかの原因で健康を害し、会社側に過失が認められるときに過失相殺損が行われ、害賠償請求を全額行うことができない可能性があります。過失相殺というのは、被害者にも過失があると認められた場合に、損害賠償額の減額が認められるという法律上の仕組みです。
健康診断を受けるように促されているにもかかわらず、それに意図的に従わない場合には、労働者側にも過失があるとされ、いざという時に損害賠償請求などができないこともあるのです。そのため、一般的には違法でないとしても、定期的な健康診断は面倒くさがらずに受けるようにしましょう。
健康診断を受けるうえで注意したいこと
健康診断を受ける際には、ある程度の拘束時間があります。もし、何らかの問題があって再検査となった場合には、再度時間を取られることになりますので、なるべく1回でパスできるようにしたいものです。そのためにも、検査前に注意すべきことを頭に入れておきましょう。
まず、健康診断が行われる予定時刻からさかのぼって、10時間以内は何も食べないようにしましょう。特に、検査当日の朝食などは要注意です。健康診断では多くの場合血液検査が行われますが、食べ物を食べた後には血糖値やコレステロール値が、一時的に急上昇します。この状態で検査を受けたとしても、適切な検査結果を得ることができずに再検査になってしまうので、注意が必要です。
また、普段からお酒を沢山飲む人や喫煙をする人の場合には、前日から断酒と禁煙をするようにしましょう。これは健康的な体にするためというのが目的ではなく、喫煙をしてすぐの場合にはX線などが上手く反応しなかったり、アルコールによって血圧が変化してしまったりする可能性が考えられるためです。
健康診断は必ず受けるようにしよう
会社員が受けるべき健康診断について見てきましたが、いかがだったでしょうか。面倒くさいと思われがちな健康診断も、実は法律で定められた義務だったというのを、初めて知った人も多いのではないでしょうか。会社組織の一員として価値のある仕事をする以前に、健康維持や体調管理といったことは、社会人としての基本です。このような観点からも、会社の行う健康診断は必ず受けるようにしたいですね。