わかりにくい文章をわかりやすい文章に変えるための3つのポイント

わかりにくい文章をわかりやすい文章に変えるための3つのポイント

選挙に立候補した人が、自分の政策について書いたチラシを想定して、わかりにくい文章の具体例を考えてみましょう。

「雇用問題を抜本改革します。保育所の問題を解決し、女性が働きやすい環境を提供します。あらゆる地域住民との対話を大事にします」

これを、よりわかりやすい文章に書きえてみましょう。

「私は、仕事や働き方に関する問題の解決に取り組みます。待機児童を0にするよう、保育所の受け入れ態勢やベビーシッターとの連携を含め、子育て世代の女性が働きやすい環境を整える取り組みを行います。私はこれらの実現のため、様々な地域住民の方と積極的に対話をしていきたいと思います」

書きかえる前と書きかえた後で何が変わったのか、3つのポイントを解説します。

わかりやすくするポイント1・わかりにくい言葉は使わない

まず、最初の「雇用問題を抜本改革します」ですが、「私は、仕事や働き方に関する問題の解決に取り組みます」と書きかえました。また、「雇用問題」を「仕事や働き方に関する問題」、「抜本改革」を「問題の解決に取り組みます」と変化させています。

四字熟語、専門用語、横文字、ことわざ、故事成語などは、少ない文字数で表現できるのがメリットである一方、内容がわからない人にはストレスを与えてしまいがちです。

専門誌のように、読み手がある程度限定されている媒体の文章ならまだしも、webのように様々な人が読む可能性がある媒体に掲載する文章であれば、わかりにくい言葉は使わない方が無難でしょう。

もし、文章を書きあげた後に読み直して、「難しい言葉が多い」と感じたなら、どうにかしてわかりやすい表現に書きかえられないか考えてみましょう。

時間に余裕があれば、他の人にも読んでもらって、アドバイスを仰ぐのもおすすめです。

わかりやすくするポイント2・早い段階から具体的な話を盛り込む

次に、「女性が働きやすい環境を提供します」を「待機児童を0にするよう、保育所の受け入れ態勢やベビーシッターとの連携を含め、子育て世代の女性が働きやすい環境を整える取り組みを行います」に書きかえた際のポイントを解説します。

「女性が働きやすい環境」といっても、それがどんな環境なのか、そもそも、どんな女性を対象にしているのかはわかりにくいです。そこで、環境と対象とする女性を明らかにするため、具体的な話を盛り込みました。

具体的な話を盛り込む、というのは、文章で書き手なりの結論を明らかにすることとも共通します。早い段階でこれを行うことで、読み手に「この文章は何が言いたいか」が的確に伝わるのも、このポイントに気をつけたい理由の一つです。紙媒体の文章と、web媒体の決定的な違いとして、「途中で読んでもらえなくなる確率は圧倒的にwebの方が高い」という点が挙げられます。

つまり、結論が見えない状態で文章が続いていくと、「何を言っているかわからないからいい」と読み手に飽きられてしまうのです。これを防ぐためにも、早い段階から具体的な話を盛り込むようにしましょう。

わかりやすくするポイント3・基本的な文法に気をつける

最後に「あらゆる地域住民との対話を大事にします」を「私はこれらの実現のため、様々な地域住民の方と積極的に対話をしていきたいと思います」に書きかえる際に意識したポイントを解説します。

書きかえる前の文章には、主語がありませんでした。これはweb媒体に限ったことではありませんが、わかりにくい文章は基本的な文法が守られていない場合も多いです。主語が抜けていたり、接続詞や助詞の使い方がおかしかったりすれば、当然読み手は違和感を覚えるでしょう。

やはり、文章を書く際は、基本的な文法から外れないものを書くのが最低限のマナーです。しかし、いきなり難しいことをやる必要はありません。最低限、「文章内に主語は含まれているか」、「接続詞の使い方は間違っていないか」、「てにをは、など助詞の使い方は適切かどうか」を意識するだけでも、各段に文章は読みやすくなります。

文章を書いたら見直す癖をつけよう

ここまで挙げてきた3つのポイントを意識した文章が書けているかどうかをチェックするには、文章を書いたら見直すのが効果的です。例え、納期がタイトであっても、少し時間を置いて見直せば、「この文章はわかりにくい」という問題点に気づきやすくなります。

また、文章のわかりやすさとは直結しませんが、誤字・脱字がない文章を納品するためにも、このプロセスはとても大事です。ついつい焦ってしまうと、自分でも信じられないようなミスをしている場合もあるので、一度深呼吸して見直すことをおすすめします。

こぶたのまとめ

  • 四字熟語や専門用語など、わかりにくい言葉はわかりやすい表現に言い換える
  • 早い段階から具体的な話を盛り込めば、読み手をひきつけられる
  • 基本的な文法に気をつけて文章を書くのは最低条件である
  • 文章を書いたら提出するまえに深呼吸して見直しを!

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