何気なく読んでいた本を有効活用!読書感想文でライティング能力アップ
ライターの中には、読書が大好きで文章を書くようになったという人も多くいるでしょう。本は、知識や文章表現の幅を広げてくれる、ライターには欠かせない存在です。
しかし、ただ本を読むだけではもったいないところ。読書感想文を書く習慣をつけることで、さらにライティング能力が向上します。
ライターが知っておきたい、読書感想文の書き方のコツや、ライティングへの活用方法をご紹介します。小学生の頃、読書感想文が苦手だったという人も、これで安心です。
読書感想文の基本構造
読書感想文を書くメリットとしては、1冊の本を深く掘り下げることで読解力・理解力・洞察力が増す点、あらすじや感想を分かりやすくまとめることで文章力が向上する点などが挙げられます。こういったメリットを念頭におきながら、読書感想文に取り組んでみると良いでしょう。
しかしいきなり本を渡されても、どう読み、どう感想文を書けばよいか分からないかもしれません。まずは読書感想文の基本構造をおさえたうえで、それを満たせるように本を読み進めましょう。
読書感想文の基本構造は、(1)本の内容(2)感想や評価(3)本から得たもの、の三段構成です。
この3点に関連する部分に線を引く、付箋を貼る、余白やメモに感想を書き留める、といった工夫をしながら本を読むのがおすすめです。
(1)本の内容では、裏表紙や出版社のサイトに書かれているあらすじを引用するのではなく、自分が面白いと思った視点からポイントをまとめるのがコツです。
また(2)感想・評価では、単純に「素晴らしいと思った」、「感動した」と述べるだけでなく、「主人公の◯◯という行動に対して◯◯と感じた。なぜなら〜」というように、具体的な箇所を引き合いに出しながら、根拠を加えつつまとめてみましょう。
(3)では、本から得た教訓は何か、それを踏まえて自分が今後どうしていきたいかを述べることがポイントです。
書評ライティングにも活かそう!
読書感想文は自分のためになるだけでなく、書評のお仕事につなげることもできます。ライターが請け負う書評のお仕事では、1冊の本の魅力を伝え、読者に「読みたい!」と思わせることが任務です。
書評の基本構造は、読書感想文と同じ(1)本の内容(2)感想や評価(3)本から得たもの、ですが、より広い読者に訴求するため、少し工夫を加えてみるとよいでしょう。
具体的には、まず(1)本の内容で、単にあらすじをまとめるだけでなく、時代背景やジャンル、作者に関する面白い情報・有益な情報をプラスしてみましょう。そうすることで、本や作者に対する興味をいっそう引くことができます。
また(2)や(3)では、ライター自身の感性を大事にしながらも、幅広い読者に共感される内容を心がけるとよいでしょう。この本をおすすめしたいというライターの熱意と同時に、読者にも「この本を読むとメリットがある!」と思わせることで、充実した書評を書けるようになります。
知識・表現をストックしよう
読書感想文をライティングに活かすもう1つの手段は、本から得た知識や文章表現をストックしておき、自分で使いこなせるようにすることです。
ユニークで内容の濃い記事を書くためには、幅広い知識や、豊富なボキャブラリーが欠かせません。ただし人間の記憶力には限界があるため、読んだ本すべての知識や文章表現を暗記しておけるわけではありません。
そのため読書感想文に、「特にこの知識が有益だった」「この表現が美しく、心に響いた」といったポイントを書いておくことで、後から読み返して使えるネタ帳にもなるのです。読書感想文に書ききれなければ、別途専用のノートを用意するのも良いでしょう。
このように読書感想文を、単に感想を書き連ねる文章とするのではなく、自分のライティングと関連づけて書いていくことで、ライティング能力の向上につながるのです。
こぶたのまとめ
- 読書感想文は読解力・理解力・洞察力の向上や文章力の訓練につながる
- 読書感想文の基本構造は、本の内容・感想や評価・本から得たもの
- 幅広い読者を意識して書くことで、書評にもつながる
- 本から得た知識・表現のストックとしても活用しよう