Webライターの強力な武器!誰にでもできるペルソナの設定

ペルソナ設定の方法

Webライターが記事を書くうえで欠かせない要素のひとつにペルソナの設定があります。これがしっかりとできているかどうかで、文章が読者に与えるインパクトが変わってきます。ペルソナ設定の甘い記事は読者に与える印象も散漫で読み飛ばされてしまう可能性が大です。

しかし、実際問題として、どのようにしてそれを行えばよいかがよくわからないという人も少なくないのではないでしょうか。そこで、具体的なペルソナの設定の仕方について説明をしていきます。

ペルソナの意味と目的

ペルソナとはマーケティング用語で特定の商品に興味を持ってくれる理想の顧客を指します。もちろん、これは具体的な実在の人物を指すわけではなく、売り手側で設定した架空の人物像です。これがいわゆる「ターゲット層」と異なるのはより具体的な点にあります。

「ターゲット層」といえば、せいぜい「40代の主婦」や「20代の独身男性」といった程度のものです。しかし、ペルソナでは性別や年齢はもとより、居住地、職業、収入、家族構成までもが設定されます。例えば、「13年前に結婚し、千葉県の建売住宅に住んでいる40歳男性で妻と小学5年生の娘が一人。年収は500万円で趣味は旅行とゴルフ」などといった感じです。

なぜ、Webライターの記事にはこのような設定が必要かというと、Web記事が紙媒体のそれとは異なるメディアだからです。雑誌などの場合はその雑誌自体に読者がついています。したがって、ライターはその雑誌のコンセプトに合わせて記事を書けばよいわけです。それに対して、ネットの場合はサイトごとに読者がついているといったケースは稀です。読者の多くは検索によって読みたい記事を探します。

しかも、その結果、数多くの似たような記事が検出されることになります。だからこそ、「40代の主婦」などといったあいまいなターゲット像では不足なわけです。ペルソナを細かく設定し、「これは私に向けられて書かれた記事だ」と思わせて初めて読者はその記事に食いついてくれるのです。

設定の細やかさが成功の鍵

ペルソナの設定は細かければ細かいほど効果的です。例えば、具体的な住所や住まいの形態、毎月の生活費や趣味に使っているお金とその内容、幼少から現在に至る経歴や将来の目標などといったものを設定してもよいでしょう。そこまで細かく決めてしまうと、それに該当する読者は存在しなくなるのではないかと心配になるかもしれません。

しかし、何もすべてが実際の読者に当てはまる必要はないのです。そっくりそのままでなくても人は自分に共通する部分がいくつかあれば強い共感を覚えるものです。そして、ネットは不特定多数の人間が自分の悩みを解消してくれる記事を求めて探す場でもあります。紙媒体と比べて検索機能に優れたネットだからこそ、そうした細かい設定は特定の読者を引き込むための武器になるのです。

大事なのは基本データに基づく土台作りと想像力による肉付け

普通、マーケティングの際にペルソナを設定するときは顧客へのアンケートやヒアリングに基づいてその肉付けを行っていきます。しかし、Webライターはそうした手段を持ち合わせていません。それではどうやってペルソナを作り上げていくかというと、テーマ別にこれはどういう人が求めている記事かを考えていくのです。

例えば、「葬式の喪主の役割」というテーマの記事なら、読者は、自分が喪主を務める際の参考とするために記事を読んでいる確率が高いといえます。つまり、高齢者の配偶者か子供が有力な読者候補となるわけです。仮に、平均寿命に近づいた父親の長男が読者だとして、年齢はおそらく50歳前後です。年収は平均値から割り出せば500万円~600万円程度になります。子どもは二人いるとして、30歳前後のときの子だとすると現在では就職するかどうかといった年頃です。

このように、平均的なデータに基づいて基本的な人物像を作り上げ、ディテールは想像力で肉付けしていけばどんどん具体的なイメージが固まってきます。もちろん、クライアント側から「30代の女性」などといった具合に想定読者が指定されている場合はそれを起点とし、同じように人物像を肉付けしていきます。

ただ、この作業は細かく行っていると際限がなくなるので、1記事に10分とか20分とか、あらかじめ制限時間を決めて行えばよいでしょう。そして、出来上がったペルソナを常に頭の片隅に置き、その人物に向けて記事を書き上げれば、万人向けの薄い記事よりも、ずっととがった濃い記事が完成するはずです。このテクニックをマスターし、独自性の高い記事を書けるWebライターを目指していきましょう。

こぶたのまとめ

  • ペルソナとは特定の商品に対する理想的な顧客を指す(Web記事の場合は特定のテーマに対する理想的な読者)
  • ペルソナに向かって記事を書くことで、ペルソナと共通点を持つ読者はその内容に引き込まれていく
  • ペルソナの設定は「30代主婦」という程度のものでは不足であり、ディテールが細かいものほど大きな効果が期待できる
  • ペルソナを考える際はテーマに合致した基本の読者像を作り上げ、想像力で肉付けをしていく

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