読みやすい文章を書くには読みにくい文章を知る!読みづらさの条件とは?

Webライターになるととにかく「読みやすい文章を書いてください」と要求されます。特に、経験の浅い初心者ライターは記事の校正で「読みにくい」と指摘された経験も少なくないでしょう。
しかし、読みやすい文章が何なのか具体的にイメージできなければ、自分で書けません。そこで、参考のためにあえて読みにくい文章にたくさん触れてみましょう。ここでは、読みにくい文章から分かる、文章向上のヒントについて解説していきます。
優れた文章が読みやすいとは限らない
初心者ライターで「読みにくさ」を指摘されてしまう人は、文章力が劣っていると限りません。むしろ、世間一般では名文として認識されるような文章を書いている可能性すらあります。
どうして名文が添削対象になってしまうのかというと、はっきりいって「名文」とは読みにくいものだからです。
「名文」とは人の心理や事象を正確かつ、独特な表現で述べていく文章です。何度も読み返すうちに読者の想像力は刺激され、文章の世界へとのめりこんでいくのは名文の力です。
しかし、Webライティングでは読者が「何度も読み返す」ことを良しとしません。簡潔にまとめた文章によって、短時間で内容を把握してもらうのがWeb記事のあり方です。むしろ、名文にこだわらない人のほうがWebに適した文章を書けてしまうのです。
読みにくい文章は「要点」が分かりにくい
日本語としてはどんなに美しくても、読みにくい文章は「要点」が分かりづらく、記事全体のテーマが見えてこない特色があります。
原因としてはまず、全ての情報を等価値に扱ってしまっているからです。「ケーキが甘くて美味しい」という情報を一番伝えたいのに「触感もやわらかい」、「色もきれい」などの情報にも同じボリュームを割いてしまっては、主題が薄れてしまうでしょう。
要点を際立たせる構成力がないと、読みにくさが発生する場合もあります。読者は段落の最初や最後に集中して読み進める傾向があります。つまり、段落の真ん中に要点が配置されていても、読者は読み飛ばしてしまう可能性が高いのです。
こうした原因に共通しているのは、読者視点を意識していない点です。自分が読者だったらどう思うかを想像して記事に取り組む習慣を身につけましょう。
冗長な文章は読者を離脱させる
Web記事では一瞬で読者を惹きつける必要があります。読者が腰を据えて文章を読んでくれる本や雑誌なら冗長な文章も悪くありません。しかし、Web記事では冒頭から本題を明確にし「この記事ではこういう内容を伝えます」とすぐに知らしめるのが一般的です。長い前置きや、脱線は避けて記事を書きましょう。
一文の長さも重要です。たとえば、以下のような文章があったとします。
非常に読みにくい文章ですが、一文を短くすればもっと読みやすくなります。
接続詞を使いこなせると、一文を短くできるようになるでしょう。
読みにくい文章というものは、どこで読めるのか?
実際に読みにくい文章を読んでみるのも勉強のうちです。前提として、「読みにくさ」は駄文につながるわけではありません。ただし、Web向きの文章ではないのだと理解しましょう。
まず、学術書や評論文です。これらのジャンルは読者にある程度の知識があるうえで書かれているからです。よって、それ以外の読者からすれば冗長で難解な文章に思えるでしょう。
古典小説もまた、読みにくい文章が頻出します。小説では読者に「考えさせる」文章が書かれているので、理解に時間がかかるからです。
意外なところでは、新聞も読みにくい文章に含まれます。新聞は確定した事実しか報道できないため、回りくどい表現で誤魔化したり、専門用語が説明なしに使用されたりしがちだからです。
読みにくい文章に触れれば、読みやすい文章の真髄もつかみやすくなるでしょう。
こぶたのまとめ
WEBライティングにおける読みにくい文章とは
- 美しすぎる文章
- 要点が分かりづらい文章
- 冗長な文章
- 評論や古典小説のような文体
を意味します。読みにくい文章を知ることで、読みやすい文章を書けるようになりましょう。