「読点」は基礎であり応用であり、技でもある。

文章を書くのは簡単ですが、読みやすい文章を書くとなると少しランクが上がります。
では読みやすい文章とはどういった文章なのか。文章とはつまり情報の塊ですが、私たちは一度にたくさんの情報は処理できません。ある程度の長さがある文章は、適切な量で区切る必要があります。また、区切る位置によっては文章の意味合いが変わってしまうこともあります。相手に伝わりやすい言葉遣いも大事ですが、まずは基礎として読点の正しい使い方を学ぶべきでしょう。
文章作成がなかなか上手くいかない方やライターとして基礎を学びたい方などに向けて、例を交えながら読点の正しい使い方をおさらいしてみましょう。

読点を使う上での具体的なルールは?

主語の後に使う。

(例文)私は、文章を書いています。

文章によっては主語の後に使うと意味合いが変わってしまうものもあるため、その場合は使わない方がよい。

一つの文章を二つに分ける時に使う。

(例文)家の鍵を確認して買い物に出かけた。
(例文)家の鍵を確認し、買い物に出かけた。

助詞の「て」を省いて読点で文をつなげる用法を「中止法」といいます。

接続詞の後に使う。

(例文) 文章は書き終えた。しかし、見直しはまだ済んでいない。

独立語の後に使う。

(例文)ああ、なんということだ。

複数の言葉が並ぶ時に使う。

(例文)朝ごはんは、味噌汁、卵焼き、焼き魚の3つだった。

どこまでが主語なのかをハッキリさせるときに使う。(修飾部の区切り)

(例文1)キレイな街の、景色
(例文2)キレイな、街の景色

例文1と2では文章の意味合いが異なってきます。1ではキレイなのは街だという意味合いですが、2ではキレイなのは街の景色という意味合いです。

効果的な読点の使い方は?

上の6パターンは基本的な使い方ですが、読点には文章を「強調する」効果もあります。

(例文1)嘘をつかないのが私のポリシーだ。
(例文2)嘘をつかない、それが私のポリシーだ。

例文2の方が印象が強くなりませんか?「嘘をつかない」という言葉を強調し、文章自体にも抑揚が生まれます。
この抑揚というのはとても大切な要素です。文章を連ねていくと、終始抑揚のないものは読んでいて印象に残る部分がありません。つまり、大切な部分が伝わりにくいのです。読みやすい文章というのは、伝わりやすい文章でもあります。大切な部分を強調することで、読みやすく伝わりやすい文章にすることができます。

そもそも読点は必要ない?減らして文章力アップ。

一通りの用法と例を挙げましたが、読点の扱いを覚えたら次のステップにいきましょう。
読点は文章を読みやすくするためのものですが、実は上手い文章とは「読点をできる限り使わない」文章でもあるのです。
先ほどの5番の例を見てみましょう。このままだと読みにくくはありませんか?読点は多すぎると文章のテンポを悪くし、逆に読みにくいものになってしまいます。
では文章の意味を変えずに読点を減らしてみましょう。

 「朝ごはんは、味噌汁、卵焼き、焼き魚の3つだった。」
「朝ごはんは味噌汁と卵焼き、あと焼き魚の3つだった。」

文章の意味合いは同じですが、後者の方が読みやすいかと思います。
テンポに関しては声に出して読んでみるとすぐにわかりますが、読点の多さは視覚的にも煩わしい印象を与えます。ただ単純に読点を挟むだけではなく、接続詞やちょっとしたワードをクッションとして挟むことで文章は大きく変わるのです。基本的には一つの文章の中に読点は1つまでと考えるのが目安になると思います。2つ以上になってしまう場合は句点で一度文章を終わらせるのが無難です。
普段何気なく使っている読点ですが、目的を意識して使うことで文章は姿を変えます。相手にどう伝えるか、何を伝えたいか、それを意識するのが大切です。読む相手がいてこそ、文章には価値があるのです。

こぶたのまとめ

読点を活用するなら

  • 読点には文章を「強調する」効果あり
  • 読点をできる限り使わない
  • 目的を意識して使う

読点を意識して読みやすい文章にしていきましょう!

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みんなの感想文

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  • ワンパターン化しがちな、読点も多くても、少なくても読みにくくなり、様々な使い方があるんだなと勉強になりました。読み手に応じて使い分けることでスキルアップすることができるとも思えたので、頑張りたいと思いました。
  • 文章を書くときに、何気なく使っている読点の使い方が詳しく書かれていて良かったです。そのルールはあまりよく分かっていなかったので役立ちました。読点の使い方について困った時にまた記事を見直したいと思います。
  • 今までは何気なく読点を使っていたので、使い方次第でより相手に印象付けやすい文章になることが勉強できてよかったです。特に、読点はなるべく使わない方が読みやすいという情報は目から鱗で、とても参考になりました。
  • 読点をできる限り使わない文章が実は上手い文章でもあるというのはとても勉強になりました。読点と合わせて接続詞などをクッションとして挟むことで、文章が姿を変えるのはライターの技でもあると思いました。これからは今まで以上に読点の使い方に気を付けて文章を書いてみようと思いました。
  • 句読点の打ち方は、小学校や中学校で勉強したはずですが、いつの間にか忘れていることもあったので為になりました。今までは、文章を書くときに何となく適当に句読点を使用していましたが、これからは読む人の立場に立って使ってみようと思います。
  • 正直に言いますと読点は適当にやっていました。読点1つにしても、色々な意味が含まれていてとても勉強になりました。今後は読店の使い方を1から学んで読者の方が見やすいように文章を構成していこうと思いました。
  • 読点の使い方の大切さを、改めて認識させられました。実は私自身、簡単なサグーライティングの仕事で「読点を使いすぎている」ということで非承認になった経験があります。不必要な読点を減らす方法についても、とても参考になりました。
  • 今まで、文章を書く時に読点を意識したことはありませんでした。ですが、読点の位置によって文章の意味が変わることを知ることができました。1つの文章に読点1つが目安だと分かったので、これからは意識して文章を書きたいと思います。
  • 読点を文章のどこに配置するか、それだけで印象が変わることをこの記事によって知りました。効果的に使えば言葉の印象を強くしたり、区切りをはっきりさせたりできて、より見やすい文章につながるのだな、ということも理解できました。
  • 記事を書く上で読点の使い方を意識したことはなかったので、読点の正しい使い方はとても参考になりました。読点を使った方が読みやすくなると思っていましたが、できる限り減らしたほうが文章がよみやすくなると分かったので良かったです。
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