コツをおさえれば簡単!アピール力のある書評を書こう

書評

本好きならば一度は取り組んでみたい書評のお仕事。しかし一口に書評といっても、学術的な書評や、レビューサイトでの書評など、場面によって求められる内容が異なっているため、書き方に戸惑う人もいるのではないでしょうか。

ライターに任される書評の多くは、1冊の本の魅力をしっかり伝え、読者に「読みたい!」と思わせることが第一の目的です。ここでは、初心者ライターが知っておきたい書評のコツを、具体例をまじえてご紹介します。

最低限必要なのは本の概要と評価

ライターが取り組む書評では、本の魅力を読者に伝えることが第一の目的です。そのため、あらすじだけを羅列しても訴求力がありませんし、自分の主観だけで感想を書き連ねてもなかなか共感が得られません。書評に最低限必要なのは、本の概要・本の評価という2本柱です。

本の概要では、まずテーマやあらすじなど、本の全体像を紹介しましょう。このとき気をつけたいのは、出版社のサイト、ショッピングサイト、レビューサイトなどからの引用にならないこと、ネタバレを避けることです。各サイトで掲載されているあらすじは、ライターが書いた記事を読まなくても得られる情報であり、オリジナリティがありません。ライターの視点から、ライターの言葉であらすじをまとめることで、個性ある書評ができあがります。

また書評は未読の人に本の魅力をアピールし、購買意欲をそそるためのツールであるため、あらすじを詳細に書き、ネタバレをしてしまうのはご法度です。

本の評価では、ライターの感想や意見を、根拠とともに紹介しましょう。たとえば単に「面白かった」だけではなく、「テンポのよい文体で描かれるアクションシーンが圧巻で面白い」と具体的な根拠を示すことで、説得力が増します。

ジャンルや作者の情報を盛り込もう

たとえば推理小説の書評で、どちらが興味をそそられるでしょうか。

(1)密室殺人のトリックが工夫された本です!
(2)デビュー時より密室殺人を書き続けてきた作者◯◯史上、最も難解なトリック!

どちらも密室殺人トリックをアピールした文章ですが、(2)の方が本の面白みを鋭く伝えられています。これは、本の内容だけでなく、作者の来歴にも触れて、本の魅力を位置づけているためです。文字数に余裕があれば、次のような紹介もできます。

(3)デビュー作『◯◯』で、日本の現代推理小説界に新たな風を吹き込み、◯◯賞を受賞した作者◯◯。唯一無二の密室殺人トリックで、推理小説界の異端児として君臨してきた作者◯◯史上、最も難解なトリックです。

(3)では日本の現代推理小説というジャンルの中に本や作者を位置づけながら、魅力をアピールしています。このように、ジャンルや作者、さらには本が書かれた時代背景などの周辺情報を盛り込むことで、本の重要性やユニークさを説得的に伝えられます。

その本を読むメリットを伝える

本の内容を紹介し、ライター目線からの評価を加えれば、書評の骨子は完成です。しかし、より読書意欲をそそる書評にしたければ、最後に「その本を読むメリット」を紹介してみましょう。

より具体的にいえば、その本のどこが面白いかだけでなく、その本を読んで何が得られるかを伝えるのです。このメリットは本の種類によってさまざまです。実用書であれば「明日からすぐ実践できる」、「この本で紹介されているポイントをおさえるだけで成績が伸びる」など、読者の成長に関わるメリットをアピールできます。

一方で文学であれば、「読むと心が洗われる」、「青春時代に戻ったような甘酸っぱい気持ちになる」といった感情面や、「戦争体験記としても重要な一冊」といった知識面でのアピールができます。

面白い本を紹介したい!という意欲があれば、書評のコツを上手におさえて、訴求力のある文章を書いてみましょう。

こぶたのまとめ

  • 書評の二本柱は本の内容と評価
  • 引用は最低限にし、ライター目線でアピールしよう
  • ジャンルや作者、時代背景に関する情報を盛り込もう
  • 「その本を読むと何が得られるか」を伝えよう

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