フリーランスになったら今すぐ節税対策!確定申告の準備は早い方が良い

フリーランスの確定申告

フリーランスになったばかりの時期は、事業を軌道に乗せることに手いっぱいというケースも多いでしょう。しかし、フリーランスになると原則として確定申告を行う必要があります。確定申告書の作成方法を知っておくことも大切ですが、事業を始める段階から節税に関する準備をしておくことも重要です。領収書などは、確定申告時期になって保存していないことがわかっても遅いでしょう。

また、青色申告をすることで節税できますので、青色申告の準備も大切です。そこで、確定申告で節税するための準備項目である、青色申告や必要経費計上のポイント、会計ソフトの導入などについてお伝えします。

フリーランスにおける確定申告とは?

フリーランスになると、自ら確定申告を行う必要があります。基本的に会社員の場合は、会社が年末調整によって税額計算から納税まですべて行ってくれます。そのため、会社員は原則として確定申告をする必要がありません。一方、フリーランスは雇用契約を結んでいる会社がありませんので、年末調整は行ってもらえません。そのため、自ら税額計算を行ったうえで確定申告書を作成して提出することが求められます。確定申告は義務ですので、絶対に忘れないようにすることが大切です。

確定申告とは、自ら税額計算を行い申告書に記載して税務署に提出することです。フリーランスの所得には所得税が課税されますので、所得税の確定申告が必要です。住民税も課税されますが、所得税の確定申告を行うと、そのデータが国税庁から地方自治体に流れる仕組みになっているため、住民税としての確定申告は必要ありません。そのため、フリーランスは、所得税の確定申告を正しく理解することが大切です。

確定申告の義務があるにも関わらず申告を行わなかった場合は、未納分の税金だけでなく、延滞税や無申告加算税といった余分な税金を支払うことになってしまいます。フリーランスになったら確実に確定申告の対応ができるようにしておきましょう。

青色申告と白色申告にするかの目安は?

フリーランスが行う確定申告には2種類の方法があります。1つは青色申告、もう1つが青色申告以外です。青色申告以外は、俗に白色申告と呼ばれています。青色申告と白色申告を比較すると、青色申告の方が対応すべきことが多くて大変ですが、その分、節税余地が大きいです。フリーランスの場合は、特別な事情がない限り、青色申告を選択した方がよいでしょう。ただし、青色申告のメリットを理解するために、白色申告についてもある程度理解しておくことが必要です。そこで、それぞれに求められる手続きや節税効果などについてお伝えします。

フリーランスで働くなら、青色申告で節税対策ができる

青色申告制度は、正確な帳簿をベースに確定申告書を作成した人に対して、一定の控除の適用が受けられるなどの特典が与えられる制度です。青色申告の適用を受けるためには、事前に青色申告承認申請書を税務署に提出して承認を受ける必要があります。申請しても返事が来ないことが多いですが、自動承認の制度があり、確定申告時期までに返事が来なかった場合は自動承認されていると考えて問題ありません。

青色申告を行うことによって、事業所得を65万円圧縮できる青色申告特別控除が使えるようになります。誰でも使える基礎控除の控除額は38万円ですが、それよりも大きな金額の所得圧縮効果が得られ節税が可能です。また、家族従業員に支払う給料について、必要経費として認められる金額が大幅に増える可能性がある点も青色申告のメリットです。

青色申告の適用を受けるためには、帳簿を作成したり領収書を保存したりする必要があります。そのため、白色申告よりも確定申告書の作成や準備が大変になるという点がデメリットです。しかし、申告書作成の手間は軽減できる方法がありますし、手間をかけたとしても節税効果が高い青色申告特別控除が使えるようになりますので、フリーランスは青色申告を行うことをおすすめします。

白色申告をする場合

白色申告と呼ばれる理由は、青色申告制度が導入された当時の青色申告書は青く、それ以外は白だったことからです。その後、申告書の様式は変わり、青色申告と白色申告の区別なく同じカラフルな申告書類を使うことになっています。ただし、昔の名残で青色申告以外を白色申告と呼び分けています。

白色申告の場合でも、フリーランスは原則として確定申告が必要です。白色申告のフリーランスであっても、確定申告書や必要な種類の提出をする義務があります。

しかし、事業所得が38万円以下であれば所得控除の1つである基礎控除の38万円を控除することで所得はゼロとなり、税負担は生じません。こういったケースのように、事業所得が所得控除を下回る場合は確定申告は不要とされています。申告書への記載事項は、事業収入や必要経費の金額、基礎控除や社会保険料控除、医療費控除などの所得控除の金額です。

確定申告をしなくていい場合

フリーランスは、青色申告か白色申告かを問わず、原則として確定申告義務があります。ただし、一定の場合は確定申告不要とする規定も存在します。そのため、どんなケースは申告しなくてもよくなるのかについても理解しておく必要があるでしょう。申告しなくてもよいケースは、課税総所得が発生していないときです。

フリーランスの場合、事業所得が発生することになります。事業所得は、売上などの収入から家賃や消耗品、旅費などの必要経費を控除した金額です。青色申告特別控除の適用を受けられる場合は、さらに65万円を控除した残額が事業所得になります。基礎控除は適用要件がなく誰でも必ず使えます。そのため、この事業所得が基礎控除額に相当する38万円以下であれば確定申告の必要はありません。

また、事業所得が38万円以上であっても、基礎控除以外に適用を受けられる所得控除がある場合は、事業所得から所得控除を引いた残額(課税総所得)がゼロであれば税負担もゼロとなり、確定申告書の提出も不要です。

今すぐはじめる節税対策。領収書とレシートを保管!

フリーランスが確定申告を行う場合は、節税対策が欠かせません。税法を正しく理解し、適法な節税を行うことによって税負担を減らすことができます。有効な節税方法の1つとして必要経費を漏れなく計上することがあげられます。必要経費を計上するにあたっては、支出したことを証明する領収書などを一定期間保管することが必要です。確定申告の時期は、事業所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日とされています。確定申告書を作成する時期になって、領収書を保存していないことが判明しても、あとからではどうすることもできません。そこで、必要経費の計上や領収書の管理などについて解説します。

どのくらいの金額を経費計上できるのか?

必要軽費とは、原則として、事業収入を得るために直接支出した金額です。例外として、金額が大きく数年にわたって使用する固定資産を購入した支出については、使用している年数にわたって分割して必要経費に計上する減価償却という方法で必要経費を計上するケースはあります。しかし、それ以外については、支出した金額が必要経費になるのが一般的です。

必要軽費に計上できる金額に上限はありません。事業所得は、売上などの総収入金額から必要経費を引いて求めます。総収入金額よりも必要経費の金額の方が大きければ赤字となり、マイナスの所得となりますが、必要経費の計上は可能です。青色申告を行う場合は、総収入金額から必要経費と青色申告特別控除65万円を控除して事業所得を求めます。赤字の場合には青色申告特別控除を計上できない点には注意が必要です。事業所得から所得控除を引いた残額に対して一定の所得税率を適用して税額を計算します。

必要軽費のポイントは、いくら計上できるかではなく、どんなものが必要経費に該当するかを把握しておくことです。漏れなく計上することが節税につながります。必要経費を計上し忘れても税務署は教えてくれません。必要経費を漏れなく計上できる体制を整えておきましょう。

事業に関わる領収書やレシートを保管しておく

必要軽費の対象となる支出は、事業に直接関係があるものに限られます。例えば、取引先との飲食に関しては交際費になりますし、仕事の移動に関わる交通費や宿泊費は旅費交通費として必要経費計上が可能です。

確定申告書は1年に1回作成すればよいことになっています。しかし、1年分の必要経費をいっぺんに集計するのは大変です。まとめて作業をすると計上漏れが発生しやすくなります。そのため、領収書やレシートを確実に保管して、1カ月に1度程度は集計しておく必要があるでしょう。毎月の必要経費を確認することは、事業の収支管理にも役立ちます。仮に、1カ月に1度の集計ができなかったとしても、最終的に確定申告書の作成時期までに集計できれば問題ありません。そのため、少なくとも領収書やレシートは1カ月単位でまとめて保管するなどの工夫をしておくことが大切です。

在宅の場合は家賃や光熱費も経費になる

フリーランスのなかには、在宅で仕事をしている人もいるでしょう。そういった場合は、家賃や光熱費、通信費などを必要経費として計上できる場合があります。漏れなく計上することが節税につながりますので、しっかり把握することが大切です。

在宅で仕事をしているフリーランスが支払っている家賃は、日常生活だけでなく事業のためにも借りている部屋を使っていることになります。こういったケースでは、家賃のすべてを必要経費にすることはできません。ただし、事業として使用している分が明確に分離できる場合は、事業に関わる分だけを必要経費として計上することが認められています。

例えば、家賃5万円の賃貸住宅の場合、生活のために60%、事業のために40%を使用していると証明できるのであれば、5万円の40%である2万円を必要経費として計上することができます。光熱費や通信費も同様の考え方で、必要経費に計上可能です。注意すべき点は、税務署に対して、事業として使用している合理的な割合を使ったと証明できることです。多少の手間はかかりますが、その分税負担を減らすことができますので、しっかり計上するようにしましょう。

確定申告で青色申告は難しいのか?

青色申告で確定申告を行うためには、複式簿記や貸借対照表、損益計算書などの知識などが必要になるため、難しそうだと思われがちです。会計にまったく携わったことがない人には高いハードルだと感じるのも無理はありません。しかし、会計ソフトを使用すれば簿記の知識がなくても複式簿記に則って損益計算書や貸借対照表を作成することが可能です。そこで、青色申告で必要となる複式簿記や決算書、経費の仕訳、さらには会計ソフトなどについてお伝えします。

複式簿記はどのように難しいか

青色申告の確定申告を行うためには、複式簿記のルールに従って事業の売上収入や経費支出を仕訳と呼ばれる形で帳簿に記録し、最終的に利益を計算する損益計算書や事業財産の一覧である貸借対照表などの決算書にまとめる必要があります。帳簿は保存する必要があり、決算書は申告書に添付することが必要です。

複式簿記とは、収入や支出に関して2つの観点から記録していく会計処理ルールのことです。例えば、商品やサービスを販売して現金を受け取った場合、収益である「売上」の増加と同時に、資産である「現金」が増加します。また、交通費を支払った場合、費用である「旅費交通費」の増加と資産である「現金」の減少が同時に発生します。2つの観点で帳簿に記録していくことで正確な決算書が作成できることがポイントです。取引1つ1つの記録は仕訳といいます。会計知識に乏しいフリーランスの場合は、2つの観点でとらえることが難しいと感じるでしょう。

会計ソフトを使うと、とても簡単

複式簿記の記帳と決算書作成のすべてを手作業で行うためには、相当な会計知識が必要になり手間もかかります。しかし、会計ソフトを利用すれば知識不足を補え、簡単に記帳や決算書作成が可能です。ソフトを購入してパソコンなどにインストールするタイプの会計ソフトもありますが、クラウド会計システムを利用する方法が手軽でしょう。

スマホなどからもアクセスできるため、入力の場所と時間を問わないメリットがあります。税制改正にも自動的に対応してくれますし、バージョンアップの手間もかかりません。仕訳の入力に関しても簿記の知識なしで入力できる仕様になっています。例えば、売上の計上であれば、相手先と売上内容、金額、代金の受け取り方法などを指定すればよいので簡単です。

気になるのがクラウド型の会計ソフトを導入した場合の費用ですが、その点も心配はいりません。無料で利用できるクラウド会計ソフトが多数ありますので、まずは無料のものを使用すればよいでしょう。有料に移行すると使用できる機能が増えますが、無料のものでもフリーランスの青色申告に十分対応可能です。

無料の機能では物足りない場合や特殊な事業などの場合は、必要に応じて有料のソフトを利用すればよいでしょう。有料の場合の相場は、標準で年額1万円程度、ハイグレードで年額2万円前後が多いです。一方、パソコンなどにインストールするタイプの会計ソフトの相場は2~3万円程度です。

めざせ年収300万!目標を決めてフリーランスになろう!

フリーランスの平均年収は約300万円だといわれています。フリーランスになったら、まずは年収300万円を目指すとよいでしょう。事業を継続して信用を積み上げていけば十分到達可能です。人によって状況は変わりますが、年収300万円を超えてくると、確定申告義務が生じることが多いです。いざ確定申告が必要となった場合でも慌てることがないように事前に準備をしておくことが大切です。

準備すべきポイントとしては、まず青色申告の準備です。青色申告特別青色申告の承認申請を行うことによって、特別控除65万円の適用を受けることができ、所得を圧縮できるようになります。

また、必要経費を漏れなく計上する準備も必要です。必要経費の支出を証明するためには、領収書やレシートの保存が欠かせません。申告書作成の時期になって領収書が見つからない、何の支出なのかわからないなどの事態にならないように、領収書などの保存体制を整えておきましょう。

さらに、青色申告に欠かせない複式簿記による決算書作成の体制を整えることも重要です。クラウド会計ソフトなどを使用すれば、簿記の知識がなくても対応できます。無料で使えるタイプも多いので、まずは無料で使用できるものを試し、必要に応じて有料のものに移行しましょう。申告に必要だとわかってから操作方法を把握するのは大変です。そのため、フリーランスに興味がある人は確定申告が必要になる前から会計ソフトを導入しておくことにトライしてみましょう。

フリーランスは、軌道に乗るまでは収入が安定せず不安定な時期もあるでしょう。そういった場合は、空き時間を有効に使って収入を得ることができるサグーワークスなどの記事作成サービスを副業として利用することも有効な選択肢です。副業収入を得ながら事業を軌道に乗せていき、年収300万円をクリアして、さらにその先を目指しましょう。

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