序破急と起承転結のどちらで書くべき?Webライティングの場合

序破急と起承転結

序破急や起承転結という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。これらは雅楽や漢詩の構成のあり方を示す言葉に起源がありますが、現在は文章の構成の方法として使われることも多くなっています。

まず大まかにいえば、序破急は文章を3つの部分に分けて構成する方法、起承転結は4つの部分に分けて構成する方法です。

一般的に、文章を構成する際にはこのいずれかの構成方法に従うのが良いといわれていますが、Webライティングにおいてはどちらの方法を選べば良いのでしょうか。具体例を見ながら考えていきましょう。

シンプルな三段構成の序破急

まず序破急とは、文章を序論(序)・本論(破)・結論(急)の3つに分ける構成方法です。最初の序論で一番伝えたい内容を簡潔に示し、本論でその根拠を示し、結論で序論と本論をまとめながら序論で述べた論旨を再び示して文章を締めます。
例えば次のような文章です。

(序論)現在ではスマートフォンのセキュリティを考えることは重要です。

(本論)今や個人情報の漏えいやフィッシング詐欺など、スマホを使用する際に遭遇する危険は多数あるのです。したがって、セキュリティアプリを利用してこれらの危険に備えましょう。

(結論)このように被害防止の対策を行い、スマホを安全に使いましょう。

この例に見られるように、この3部構成においては本論に一番大きなボリュームが当てられます。文章全体で伝えたい論旨を根拠づけて読者を説得する部分であり、文章のメインとなる部分だからです。
また、結論では序論で述べた結論を本論も受けた形で言いかえて締めています。

こういった序破急の文章構成は、シンプルで論旨が伝わりやすいため、文章の構成としては非常に使いやすいものといえます。そのため、論文やビジネス文書、あるいはWebライティングでも有効な構成方法です。
特に、短い字数の中で簡潔に内容を伝えたい場合には、この序破急を採用するのが得策でしょう。

本論の発展や異なる角度も入れるなら四段構成の起承転結

一方、起承転結とは、序論(起)・本論(承)・転回(転)・結論(結)の4つに分けて文章を構成する方法です。序論・本論・結論の役割については序破急のそれとほぼ同じですが、特徴的なのは転回という部分があることです。
この転回は、序論・本論で述べてきたことを異なる角度や視点から発展的に述べたり、異なる内容を展開して文章全体に厚みを持たせたりする部分です。この起承転結を採用した文章の例を見てみましょう。

(序論)現在ではスマートフォンのセキュリティを考えることは重要です。

(本論)今や個人情報の漏えいやフィッシング詐欺など、スマホを使用する際に遭遇する危険は多数あるのです。したがって、セキュリティアプリを利用してこれらの危険に備えましょう。

(転回)ただし、困ったことに偽セキュリティアプリというものも出回っているので注意が必要です。これらはセキュリティアプリを装いながら実際には個人情報を抜き取ったりするもので、インストールする前によく確認することが必要です。

(結論)このように偽アプリにも注意しながら、被害防止の対策を行い、スマホを安全に使いましょう。

ここでは、序論・本論は序破急と変わらないものの、転回で偽アプリという他の角度からの注意について述べています。そのため結論は、転回の内容も受けて書かれています。

このような起承転結の文章構成は、単純な3部構成では済まない、異なる角度の話の展開を入れたいときに有効な方法です。この他にも転回で本論をより発展させて興味深くさせるような書き方もあります。

初心者はわかりやすさ重視の序破急から始めよう

ここまで見てきたように、序破急はシンプルで使いやすい文章構成の方法であるのに対し、起承転結は話の展開を面白くして厚みを持たせる場合に有効な方法であり、それぞれにメリットがあります。

ただ、起承転結はその構成にこだわると文章を書くのが難しくなる場合もあります。
また、転回で書く内容が薄いとわざわざ起承転結の構成を採る意味もありません。無理に転回部を書こうとすると、全体の文章自体が伝わりにくいものになってしまう危険性もあります。その意味では、特に初心者にはシンプルな3部構成の序破急がおすすめだといえるでしょう。

また、起承転結で考えた文章を、序破急で構成し直すことも容易です。転回で書く内容を本論の中に加えながら書けば良いのです。上の文章例でいえば、スマホにまつわる危険の意外な例として偽アプリについても本論で触れるようにします。

このように、序破急を基本としてライティングを重ねながら、機会があれば起承転結の文章構成も検討してみるというスタンスで練習するのがおすすめです。
安定したライティングの中で少しずつ視点を変えた考察を加えていく練習をしていけば、わかりやすさと内容の充実が両立した文章を書けるようになるでしょう。

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こぶたのまとめ

  • 序破急は序論・本論・結論
  • 起承転結は序論・本論・転回・結論
  • 初心者でも使いやすいのは序破急
  • シンプルでわかりやすい序破急を使いこなそう。

 

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