独学でも極められる!?相手に伝わる文章のイロハ!

独学でも極められる!?相手に伝わる文章のイロハ!

「読み手に上手く伝える文章を」と意識するごとに、空回りして纏まりがなくなる経験、ありませんか?
文章を書くことは表現することです。表現するからには、何か伝えたいことがあるのは当然のことですよね。

文章を書くという表現方法を選んだからには、その表現方法の特徴をうまく掴むことが大切です。
文字での伝達では、動画や音とは違った表現の方法があります。一度に伝えられる情報量は少ないですが、
瞬時に情報の核を相手に伝えることも可能なのが「文字」であり、「文章」です。
それでは、どうすれば相手に伝わる文章を書けるのか、より具体的に掘り下げてみます。

伝える相手を具体的にイメージする

「伝える相手」は、「利益を提示したい相手」と言い換えても良いでしょう。
これは広告業界で伝統的に言われることなのですが、「ファクト・メリット・ベネフィット」という言葉があります。
ファクト(事実)、メリット(商品やサービスの利点)、ベネフィット(実際にもたらされた価値)の3要素を使って、上手く消費者に訴求できていることが大切なのです。文章も同じようなことが言えます。特に「ベネフィット」です。
「どういう層に価値を提供したいのか、提供できるのか」をきちんと想定することが大切です。

自分の文章を読んでもらうことで、生活や考えが変わりそうな相手とは、どういう人々だろうと考え抜くことです。
例えば主婦層にしても、結婚して日が浅く子供がいない主婦なのか、既にある程度子供が育っている主婦なのかで、欲しい情報や必要な視点は全く異なります。
「30代後半、子供あり、結婚後10年程度」と具体的に相手を絞ることができれば、話題や文章も具体化しやすいのです。
相手に伝わる文章を書くためには、「利益や価値を提供したい、提供できる相手」を具体化することから始めましょう。

ひとつの記事で伝えることはひとつに絞る!

伝えたいことはひとつに絞る

短い文章に名言を詰め込みたい気持ちはわかりますが、言いたいことがブレてしまいがちです。
「一つの記事で伝えるテーマは一つ」と決めて、「狭く深く」を意識しましょう。

Webメディアの記事に特に言えることなのですが、「記事が全て読まれるわけではない」ことを念頭に置きましょう。
紙媒体の記事を読むのと違い、Webの記事は目が疲れやすいのです。長時間じっくり真面目に読まれることは少なく、ほとんどの人が拾い読みや斜め読みをしているのです。

また、読んでいる時間も通勤通学や、昼休みといった「隙間時間」が圧倒的に多いのです。
極端な話「タイトル+1~2文程度」で要点が伝わるような文章が良いでしょう。
こうなると、必然的にテーマは一つに絞らざるを得ませんよね。
ライティングのスキルとしても、複数のテーマを同時並行で掘り下げる手法は上級者向けとなります。
「1記事1テーマ」の基本を徹底して追及していくことにより、記事の質をあげていければ、複数のテーマを扱う長文記事にも挑戦できるようになりますよ。

最初の100文字で相手を惹きつける重要性

最初の100文字というのは、「パっと見で」目に入ってくる文字数と捉えて頂ければ、理解しやすいでしょう。
厳密に100文字である必要はありません。この部分に、読者が認識しやすい「利益」「結果」「期待」などが込められていると、その後の文章も読まれやすくなります。

Web系のメディアは、誰もが時間をきちんと使って読むものではありません。「基本は流し読み」で、気になったものをピックアップする読み方が多いため、「タイトルと冒頭の文章」がとても重要になります。平たく言えば「掴みの部分」である冒頭100文字前後が、その後の命運を決めるのです。
では「掴み」のある文章とは何でしょうか。

メジャーで分かり易いものは、夏目漱石の「吾輩は猫である」でしょう。
この小説は、冒頭の1文が作品全体のインパクトのほぼ全てを担っています。
「吾輩は猫である。名前はまだない…」と続く奇々怪々な一文は、否応なく読者を引き寄せます。
まず猫が人語を話している、吾輩なんて当時でも使わない、さらに名前もない。気になることだらけですよね。
この強烈な掴みの部分は、そのまま作品の顔となり、現代でも名作として親しまれています。読者を文章へと誘う営業マン。それが最初の「掴み」です。

読みやすさがあってこそ伝わる文章になる

読みやすさがあってこそ伝わる文章になる

文章を書くことに慣れてくると、どうしても凝った表現や言い回しを使いたくなりますよね。それ自体は悪いことではありません。
むしろ今後のスキルアップのために必要な行為です。しかし読者がわざわざ調べなければ理解できないような表現は、好ましいとは言えません。「その場で腹落ちするような表現」を心がけることが大切です。読者は、少しの空き時間に文章を読んで「成程、読んで良かった。得した!」と感じることにより、次もまた同じような文章にアクセスするのです。
これは食事に例えると分かり易いでしょう。

「美味しいと評判」のお店が、高級感漂う、マナーにうるさい店であったとしたら、入店するだけで気構えが生じてしまいます。
行列ができるような人気店の特徴は「敷居の低さ」と「一口でインパクトが伝わってくる美味しさ」なのです。
美食家の玄人を唸らせるようなお店を目指さず、「評判が高い大衆店」を目指して文章を書いてみましょう。
無理に背伸びせず、平易な表現で構成される文章は、読み手にも書き手にも優しいのです。
結果、共感を得やすくなり「言いたいことが相手に伝わる文章」となります。

結論!相手に伝わる文章の書き方まとめ

ここまで、相手に伝わる文章のイロハを解説してきました。整理してみると、

  • 「読者層を具体的にイメージする」
  • 「テーマを一つに絞って狭く深く」
  • 「一目で読者の気をひく掴みの文章」
  • 「伝えるためには何よりも読みやすさ」

という4つのポイントがあることが解りますね。実はこれは文章に限ったことではありません。
日常会話でも無意識のうちに、私たちが実践していることなのです。
文章で伝えるからといって、コミュニケーションの基本から大きく外れることはなく、あくまでも基本は同じです。
誰に言っているのか主語がなく、話題が飛び飛びで、前置きが長ったらしく、難しい専門用語ばかりが出てくる話を黙って聞いていられますか?多くの人が眠気を覚えるか、飽きてしまいますよね。
まず何よりも「サービス精神」が前提になければいけません。
「相手を楽しませよう」「喜ばせよう」「得をさせよう」という精神が、このような具体的なポイントを見逃さないための大前提となります。サービス精神に根差した具体的な手法、これが相手に伝わる文章を書く上での鉄則と言えるでしょう。

こぶたのまとめ

いかがでしたでしょうか。私たちWebライターは、ともすれば「知識」や「テクニック」に偏ってしまう面があります。
勿論、評価される文章を書くためにはそれらは欠かせません。しかしどちらも最重要のものではないのです。
結論でも申し上げましたように、根底にあるのは「サービス精神」です。誰かに何かの価値を提供するためには、サービス精神が無いことには成立しません。
私たちライターが「自己表現の方法」として、得意分野の文章を選択したのと同様に、情報を受け取る相手にも「得意な受け取り方」が存在します。
読者の欲しい情報を受け取りやすい形で提供すること、それを追及する上でのサービス精神、さらに具体的に追及するための知識でありテクニックなのです。
常にそのことを念頭に置き、精進し続けることでプロとしての道が拓けていくことでしょう。

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みんなの感想文

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  • ウェブライターという仕事は専門知識やテクニックに頼りがちだなと思うのですが、それよりも読み手さんに対してのサービス精神が大事なんだなと思いました。最初の導入部分や読みやすさに配慮するなど参考になる部分が多く今後の自分の文章に生かしていきたいです。
  • 読者層を絞ると言う点とテーマを1つに絞って狭く深くと言う点の2つだけなら自分でも無理なく出来そうと思って実践しています。記事のクオリティは自身では判断つきませんが、書いていて非常にスムーズに書けるようになり楽になりました。
  • 「誰に」「何を伝えたいか」を明確にし、わかりやすく説明すること、そして文章を書く上でも相手に対する思いやりが大事なんだと気付きました。わたしも読んだ人の心を一瞬で掴めるような文章を書けるようになりたいです。
  • 記事を読んで、最も頷いたのが、1記事1テーマの部分でした。実際、この間、どうしても書きたい内容が2つあり、1つの記事に無理やりねじ込んだのですが、結果は案の定、非承認となりました。ライティングのイロハと言うのを今一度見直そうと思いました。
  • 自分は知識やテクニックにすぐ目に言ってしまいますが、根底には相手のことを思いやる気持ちが大事だと、今回の記事をみてわかりました。そして、文字は自己表現できるものとして、もっと経験を積んでいきたいと思いました。
  • 読む人にとって、それが自分に何等かの価値をもたらしてくれるものか、簡潔でわかりやすい文章かが大切なポイントであり、その要求に応えられるような短くても読みごたえのあるものを書くのがライターの仕事なのだと感じさせてくれた記事でした。
  • 読者の立場に立った文を書くということが具体的によくわかりました。特に「読者層を具体的にイメージする」というポイントは、今後文を書く時の参考になりました。紙の文章とWeb上の文章の違いもよくわかりました。流し読みでもわかりやすい簡潔な文を書いていきたいと思いました。
  • 隙間時間にライティングの仕事をやってみたいと考えていたのですが、文章を書くということが初めてで具体的にどういう風に書いたらいいのかわからずに悩んでいました。この記事を読んだことによって、どういう風に文章を書いたらいいのかがわかって良かったです。
  • 「読み手にわかりやすい文章を作ろう」と常に考えていましたが、読者の具体化はしていませんでした。確かにそこのターゲットを絞ると断然書きやすくなりますよね。またWebで読む物は確かに「隙間時間」での読み物ですね。短時間で明確になる文章が書けるように今後も頑張ります。
  • ライターの仕事は独学でもスキルアップできるとのことで、私もこれからも精進し続けたいなと思いました。「サービス精神を大切にする」というポイントは納得できたし私も念頭に置いて今後文章を書いていきたいです。
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