うっかり使ってない?抽象的な言葉の落とし穴

うっかり使ってない?抽象的な言葉の落とし穴

多くのライターが、分かりやすい文章を心がけ、誤字脱字、てにをはなど基本的な文法を意識しているでしょう。しかし見落としがちなのが、「抽象的な言葉」の多用です。
リアルタイムの会話では、抽象的でイメージしづらい言葉は相手が聞き返してくれるため、具体的な言葉を補うなどしてお互いの理解が可能になります。

しかしWeb記事では、読者が文字情報のみにもとづき内容を理解するため、抽象的で分かりづらい文章が続くと、最後まで読んでもらえない可能性があります。そこで、抽象的な言葉を減らすためのコツを伝授します。

伝わりそうで伝わらない「抽象的な言葉」とは?

ライティングの中でつまずきがちなのが、抽象的な言葉との付き合い方です。
ここでいう「抽象的な言葉」とは、必ずしも難解な熟語や言い回しだけを指しているのではありません。たとえば美白のコツを紹介するときに「なるべく紫外線を避けるなどのことが大切です」と書いたり、データを提示するときに「この資料がデータつきのものです」と表現したり。

こういった「のこと」、「のもの」は口語で使いがちな言い回しですが、文章にしてみると実に抽象的で、なかなか読者に具体的なイメージが湧きづらいというデメリットがあります。

前者は「日焼け止めをこまめに塗る、上着や帽子などで直射日光を避けるといった紫外線を避ける工夫が大切です」、後者は「この資料にデータが掲載されています」と具体的に言い換えると、とたんに分かりやすくなります。

ポイント(1)主語・述語をはっきりさせよう

このように、抽象的な言葉を回避するためのポイントの1つが、1文中の主語・述語をはっきりさせることです。
たとえば「この資料がデータつきのものです」という例では、主語が「この資料」、述語が「もの」となっており、述語がとくに抽象的になっています。

一方で「この資料にデータが掲載されています」と修正すると、主語が「データ」、述語が「掲載されています」となり、さらに掲載場所が「この資料」と明示されているため、伝わりやすい文章になります。
したがって文章を書いたら主語・述語をチェックし、どこかに抽象的な言葉があれば、具体的な言葉に言い換えてみるか、文章を追加して補足するようにしましょう。

ポイント(2)具体例を追加しよう

しかし「具体的な言葉に言い換える」、「文章を追加して補足する」とは、実際どうすればよいのでしょうか。

簡単なのが、具体例を追加する方法です。たとえば「なるべく紫外線を避けるなどのことが大切です」の例では、紫外線を避けるための手段が明記されていないため、読者はなかなか行動することができません。そこで「こと」を具体例に置き直し、「日焼け止めをこまめに塗る、上着や帽子などで直射日光を避けるといった紫外線を避ける工夫」とすることで、誰でも簡単にイメージしやすくなります。

また具体例を追加することで1文が長くなりそうなら、「ポイントはなるべく紫外線を避けることです。たとえば日焼け止めをこまめに塗ったり、上着や帽子などで直射日光を避けたりするようにしましょう」と分けて書くようにしましょう。
読者に伝わりやすく、訴求力が高い記事を書くためには、具体例は欠かせないポイントです。

ポイント(3)いくつかの要素に分解しよう

もう1つのポイントを紹介する前に、さらに例文を追加しましょう。たとえば「ペットの服選びでは体調管理を重視しましょう」という文章は、一見筋が通っていて分かりやすいですが、いざ実行しようと思うと「体調管理を重視」が抽象的でピンとこないのではないでしょうか。
ここでポイントなのは、「体調管理」をいくつかの要素に分解することです。

「ペットの服選びでは、体調管理を重視しましょう。体調管理では、とくに防寒・乾燥防止・直射日光の回避がポイントです」と分解すると、この3点を意識して服を選べばよいのだということがイメージしやすくなります。さらにこの3点について具体的な選び方を書いていけば、いっそう伝わりやすい文章になるでしょう。

サグーワークスで具体的な表現を使う文章作成を実践していきましょう
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こぶたのまとめ

  • 「もの」、「こと」などの抽象的な言葉は口語で使いがちだが、文章では伝わりづらい
  • まずは主語・述語に気をつけ、抽象的な言葉がないかチェックする
  • 抽象的な言葉への対策は、具体例を追加することと、いくつかの要素に分解すること

 

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