【平成30年(2018年度)最新版】ふるさと納税のメリットとデメリット

ここ数年、急速に人気が高まりつつあるふるさと納税。実際、興味があるという人もいると思います。しかし、いざやってみようとなると、本当にお得なのか、手続き面はどうなっているのかなどわからないことも多いですよね。

そこで、このコラムでは、今さら訊けない?ふるさと納税の基礎知識について紹介します。

そもそもふるさと納税とは?

ふるさと納税は、本来住民税として納めるべきお金の一部を、自分の好きな自治体に寄付できる制度です。寄付した金額のうち2000円を超える部分については、所得税と住民税から原則として全額が控除されます。

通常、市民税や県民税といった住民税は、自分の現住所のある都道府県・市町村に納めるものです。

しかし、ふるさと納税制度を利用すれば、本来住民税として納めるべき税金の一部を「寄付」という形で自分の好きな自治体に支払うことができます。支払い先を自由に決められる税金というイメージが近いかもしれませんね。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税は受け入れる側の地方自治体はもちろん、寄付をする側にとってもメリットの多い制度です。

・自分の好きな自治体を応援できる

ふるさと納税では、全国どこでも自分の好きな自治体に寄付ができます。もともとは「自分の生まれ育った自治体に寄付をする」という理念のもとに生まれた制度ですが、生まれ故郷以外の自治体を応援することももちろん可能です。災害の被害に遭った被災地を支援する、過疎に悩む地域の地域振興に役立ててもらう、といった使い方もできます。寄付金の使い道をわかったうえで寄付できるため、「自分のお金が地域の役に立っている」という実感を得やすいのもメリットといえるでしょう。

・お礼の品がもらえる

ふるさと納税は2000円を超えた部分が税金から控除される仕組みなので、2000円の自己負担が発生します。これだけ聞くと、お得な制度には見えませんよね。

しかし、ふるさと納税には、寄付をした自治体から「返礼品」をもらえることが多いという特徴があります。しかも、寄付した金額によっては返礼品の価値だけで2000円を上回ってしまう場合がほとんどです。

つまり、結果的に実質2000円の負担で各地域の特産品をもらえる制度となっているのですね。ふるさと納税がお得だといわれる最大の理由が、この返礼品なのです。

ふるさと納税のデメリット・注意点

ふるさと納税にはデメリットや注意点もあります。もし、これからふるさと納税を始めるのであれば、メリット以外の点もきちんと理解しておきましょう。

・控除額には上限がある

ふるさと納税で受けられる控除の金額には上限があります。この上限を知るときの目安となるのが、住民税の金額です。住民税の金額は一律5000円の均等割と、課税所得に応じて決まる所得割の合計で決まります。ふるさと納税では、所得割の約2割を控除額の上限として考えておくといいといわれています。

たとえば、その年の所得割の金額が200000円だったとしたら、控除の上限額の目安は約40000円ということになりますね。

この場合、40000円を超える金額を寄付してしまうと、自己負担が2000円を超えてしまいます。したがって、40000円未満の範囲でふるさと納税を行うのがお得ということになるのです。

住民税のうち、所得割額は課税所得によって決まるので、その年の年収や各種控除などによって控除できる金額も変わります。もし、ふるさと納税を始めるのであれば、あらかじめ上限額をきちんと計算しておくようにしましょう。

・返礼品の還元率が下がっている

ふるさと納税のメリットが広く知られるにつれ、より多くの寄付金を集めようと、自治体間での返礼品競争が過熱する事態となりました。こうした状況を受け、2016年以降、総務省が各自治体への自粛要請を強めています(※1)。

ある意味、ふるさと納税の理念に立ち返るための自粛要請ともいえますが、結果的に返礼品の還元率は一時にくらべて減少傾向にあります。

ふるさと納税を行うための手続きについて

当初、ふるさと納税を行うためには確定申告が必須でした。しかし、2015年からワンストップ特例制度がスタートし、ふるさと納税先が5ヵ所以内の場合には、寄付先の自治体に「ふるさと納税ワンストップ特例の申請書」を提出すれば確定申告なしでもふるさと納税ができるようになりました。

その結果、もともと確定申告の必要のない会社勤めの人などにとっては、手続き面でのハードルがかなり下がっています。

ただし、ふるさと納税先が5ヵ所を超えてしまう場合は従来どおり確定申告が必要です。また、自営業の人などもともと確定申告を行っている人についても、確定申告が必要となります。

始めるなら今!メリットの多いふるさと納税

返礼品の還元率が減少傾向にあるとはいえ、ふるさと納税はまだまだお得な制度です。お肉や米などを返礼品にもらえば、家計の足しにもなります。控除に上限額があるなど注意するべき点もありますが、興味がある人はぜひ挑戦してみてはいかかでしょうか。

※1
総務省【「ふるさと納税に係る返礼品の送付について」(平成29年4月1日付け総務大臣通知)】

こぶたのまとめ

  1. ふるさと納税は自治体への寄付金のことである
  2. 寄付をすることでその地域の特産品がもらえる
  3. 寄付金の使い方を自分で選択できる

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