2017年のある出来事から、2018年に目を向けてみる

ライター名:柚兎
プラチナライター歴:2年4ヶ月

禅語のひとつに「規矩行い尽くすべからず(きくおこないつくすべからず)」というものがあります。ちなみに、この規矩とは、現代で言うところのマニュアルです。この禅語は、マニュアルですべてを定めてしまってはいけない、人の行動がマニュアルどおりでばかりではいけない、という意味になります。

現代は「文章を書けない人が増えた」といわれることもあり、またそのためか「良い文章を書く方法」をテーマにした書籍も多数発売されています。いいえ、書籍とまではいかなくても、インターネットで検索すれば文章を書くコツなどは幾らでも出てくる時代となりました。文章のマニュアルは、そこかしこに溢れかえっています。

私は、ありがたいことに文章を書くことでお金をもらっている立場です。世間的にいえば、「文章を書くことができる」部類に属するでしょう。そんな私が密かに実践していたのは、なるべく文章のマニュアルを読まないことでした。恥ずかしいことに、以前の私は驕っていて、自分はマニュアルなぞ読まなくても一定の文章を書くことができる、だからマニュアルはいらない、読む必要がないと断じていたのです。ところが、去年…つまり2017年のある時、一時期自分の文章がぷつりと書けなくなった時期がありました。何度書こうとしても、ただ文字や単語が連なるだけで、どうしても文章になりません。しかし、仕事を受けてしまっている以上「書けません」で済ませられるわけがなく、その時期は本当に四苦八苦していました。

察しの良い方はもうお気づきでしょうが、そのとき私が頼ったのが今まで遠ざけていた文章のマニュアルでした。マニュアルを読みながらその通りに書くと、不思議なことに単語の連なりではなくちゃんと文章になっているのです。それに気づいたときが、2017年でもっとも感動した瞬間といっても過言ではないかもしれません(笑)

この話の最初に、「全てをマニュアルに任せてはいけない」という意味の禅語を紹介しました。正直、今でもこの言葉には頷きます。しかし、マニュアルが完全に不要かというと、そうでもありません。

マニュアルとは、道標です。迷ったとき、わからないときに進む方向を教えてくれるものであり、先が見えないときにその先に何があるのかを教えてくれるものです。だけど、道標に頼ってばかりでは自分がそもそもどこに行きたかったのかを忘れてしまうこともありえます。それでは本末転倒でしょう。

覚えておきたいのは「規矩行い尽くすべからず」というこの言葉はマニュアルに全てを任せてしまうのがいけないといっているのであって、マニュアル自体を否定しているわけではないということです。先述の通り、文章には様々なマニュアルがあります。2017年の出来事で私も改めて痛感しましたが、マニュアルは便利です。頼りになります。しかし、マニュアルはあくまで基本を教えてくれるだけで、応用は自分で考えなければいけません。基本をしっかり押さえて応用に活かす。これが2018年の私の目標です。「規矩行い尽くすべからず」の精神で、2018年はマニュアルを手元に置きつつ頑張りたいと思います。

こぶたからのひとこと

なるほどな。道標がなければ、事故がたくさんおこるかもしれない。でも我々は好きな道を選び生きていく。マニュアルがあってこそ、自分らしさが表現できるのかもしれないね。

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