これぞ物書きのあるべき姿!シビアな映画批評から学んだこと

ライター名:Ant
プラチナライター歴:2年4カ月

ハリウッド大作を斬りまくった一冊

私にもっとも影響を与えた一冊は柳下毅一郎「シネマ・ハント ハリウッドがつまらなくなった101の理由」です。柳下さんは翻訳家や殺人事件の研究家としても知られていますが、もっとも有名なのは映画批評の仕事でしょう。そして、柳下さんが特殊なのは多くの批評家やコアな映画ファンが最初から相手にしていないような作品を鑑賞し、批評している点にあります。近年では、日本映画の「テレビ局資本の漫画原作映画」や「ご当地映画」、「製作団体が怪しい映画」などに関する辛口の文章が人気です。

そして、1996年から10年にわたってアメリカ映画を見続けた記録である「シネマ・ハント ハリウッドがつまらなくなった101の理由」は柳下さんの原点ともいえる内容です。柳下さんはシネフィル好みのアート系映画や社会派映画ではなく、超大作や若者向けの映画からアメリカの世相を浮き彫りにしていきます。量産作品のつまらなさこそ、アメリカの経済や文化の闇をダイレクトに反映してしまっているはずだからです。

自分が学んだ2つの教訓

私は柳下さんの姿勢から2つの教訓を学びました。まず、「世界は高尚な言葉によってのみ語られるのではない」ということです。私も作家性の強い映画や純文学は大好きですが、そういった作品にしか触れていないと本当の世界を見失ってしまいます。世界とはもっと通俗的で理不尽であり、矛盾に満ちています。世界の本当の姿を学ぶためには「流行の映画や音楽、小説がどんな風に面白いか」、あるいは「どんな風につまらないか」を確かめなくてはいけません。私は文章の仕事をするなら高尚な世界も通俗的な世界も、両方を知るべきだと思います。

そして、「かっこいい批評は対象にかかわらずかっこいい」ということです。私は学生時代、素晴らしい題材について書かなければ素晴らしい文章は生まれないと思っていました。しかし、柳下さんは全然面白くない映画も「ハリウッドはどれだけ停滞しているか」「アメリカはどう混乱しているか」などの視点から刺激的に分析していました。物書きは「何を書くか」ではなく「どう書くか」で実力が決まるのだと、柳下さんは教えてくれました。

こぶたからのひとこと

なぜ、つまらないかの分析、面白いね!
文章の話になるけど、「なぜこの記事は分かりづらいか」「なぜこの文章は読みづらいか」を考えて、
批評していくといろんなことが分かるよね★

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