Webライターなら知っておきたい、コンテンツマーケティングのこと
インターネットからの見込顧客のリーチが活発化するにつれ、Web広告を中心した手法では思ったような成果を出すことが難しくなってきました。コンテンツマーケティングは、Webを利用した新たなリーチ手法として注目を集めています。
多くの企業でコンテンツマーケティングの手法を取れ入れようとWebコンテンツの見直しをしていますが、どこにポイントをおけばいいのか、そもそもコンテンツマーケティングはどのようにやればいいのかなど、わかりにくい課題がたくさんあります。
コンテンツマーケティングは決められた手順があるのではなく、マーケティング手法のひとつであると同時に顧客との接点をどのように作るかの概念でもありますので、ここの作業を見るというより大きな枠組みで取り組んでいくことになります。
では、どのように考え、実際に何をすればいいのでしょうか。まずは、コンテンツマーケティング自体について紐解いてみましょう。
コンテンツマーケティングは今に始まったものじゃない
コンテンツマーケティングは、インターネットの普及とともに開発された手法だと思われがちですが、実は、その概念だけを見ると、紀元前にまでさかのぼるといわれています。
太古の昔に洞窟内に描かれた壁画、この壁画がまさにコンテンツマーケティングの元祖ではないかと米コンテンツマーケティング協会では推測しているのです。売りたい商品は壁画に描かれた槍です。槍を売るために狩りのノウハウを壁画に描いているというのが協会の仮説ですが、これはあくまでも仮説に過ぎません。
では、私たちが目にすることができる事実から見たコンテンツマーケティングのルーツは、どこにあるのでしょう。実際にビジネスで使い効果が出たといわれているのは、米国の農機具メーカーであるディア・アンド・カンパニーの農具の販売です。
顧客の課題をコンテンツで提供する
ディア・アンド・カンパニーの創始者であるジョン・ディアは鍛冶職人です。ビジネスをスタートさせたイリノイは、湿地草原が多く粘着性の土壌を農地として開拓させていました。
この粘着性の高い土地では、通常の農機具では開拓が難しく農民はお手上げ状態でした。これが顧客である農民の課題です。ジョン・ディアは、この課題に対して農具の改良によってソリューションを提供したのです。
その後、ディア・アンド・カンパニーは、常に農業に関する最新情報をファロウという雑誌で提供をし続けました。1895年に創刊されたファロウは、現代でも最新の農業技術や農業の事業主として成功するためのビジネストレンドなど農家が必要とする情報を提供しています。
ここで重要なのは、ファロウは、農機具を売るための媒体ではなく、農業情報誌であるということです。農家を支援することが目的の媒体なのです。これこそがコンテンツマーケティングの手法になります。
製品カタログのように直接的なアプローチでないにせよ、ファロウを手にする農家はディア・アンド・カンパニーを特別な企業として認識します。それにより、結果的には、ロイヤルカスタマーを獲得することにつながります。
コンテンツマーケティングは、顧客が有用なコンテンツを継続的に提供することで、顧客との継続された関係を築くことを目的としています。
情報収集の方法が変わった今だからこそのコンテンツマーケティング
自分たちのWebサイトへの誘導方法はいろいろあります。テレビCMや雑誌広告、キャンペーン、Web広告からランディングページへ誘導させることで顧客は商品やサービスを知ることができます。ですが、その顧客がもう一度サイトへ訪問してくれるとは限りません。では、なぜ再度訪問してもらえないのでしょうか。
最初の誘導によって顧客が欲しがっているキャンペーンなどの情報は得ることができます。そこに付随する製品情報に関しては、その時点では欲しい情報ではありません。
製品情報が欲しいときには、顧客は再度Webで検索をして情報を得ます。そのときに、当然のことながら競合の情報も検索しますし、さらにほかの解決策を得るかもしれません。顔見知りの営業担当に聞いていた市場トレンドやソリューションを、現代ではWeb検索で自分自身の手により見つけ出すという情報収集方法に変わったのです。
常に自分たちのサイトにアクセスしてもらうための手法がコンテンツマーケティングです。新規の見込顧客の情報を得ることが目的ではなく、継続的にアプローチできるロイヤルカスタマーを囲い込むことが目的の手法であり戦略です。
情報収集の方法が変わった今だからこそ、情報収集のタイミングから顧客との継続的な接点を持つ必要があります。
情報を押しつけずに自然に接点が取れるマーケティング手法
コンテンツマーケティングで求められるのは、製品の機能やサービス内容ではありません。顧客が今欲しがっている課題に関連するさまざまな情報です。
Web検索のキーワードに直接回答をするのではなく、ソーシャルメディアを通して顧客に有益な情報や面白い情報を提供することで、自然に情報が拡散されるように工夫します。
拡散された情報は、決して顧客の課題に100%直結しているとは限りませんが、そのコンテンツを読んで興味を持つことで発信元にも興味が広がり、常にウォッチしてもらえるようになります。そうすれば、継続的な接点を持つことができ、さらに情報を継続的に提供できます。
セールスのサイクルは、顧客が製品を手に取ったときではなく、製品に関連する情報を収集しはじめたときから始まります。このタイミングがZMOTと呼ばれるステージで、Googleが提唱した考え方です。
このタイミングで生きてくるのがコンテンツマーケティングの手法になります。いかに顧客に有効な情報を継続的に提供し続けるか、継続的な興味を持ち続けられるコンテンツを提供できるかがポイントです。
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こぶたのまとめ
- コンテンツマーケティングは太古の昔からある概念
- 顧客が知りたい情報を提供するのがコンテンツマーケティング
- Webでの情報収集が活性化した今だからこそ活きるコンテンツマーケティング
- コンテンツマーケティングは、継続した関係性を築くことがポイント