タイトルは記事の顔！内容がわからないタイトルVSわかるタイトル

記事のタイトルは読者の興味をあおり、「読んでみたい」と思わせるための重要なポジションです。Webライティングでは一目で内容を把握できるタイトルと、あえて分かりにくいタイトルをつけているケースが見られます。

難しいタイトルをつけることで、読者の興味を引ける一方、やはり分かりやすいタイトルでなければ読者はページに訪れないのではないかとも思えます。ここでは、分かりやすいタイトルと分かりにくいタイトルを比較していきましょう。

検索に引っかかりやすいのはどちらのタイトル？

Webライティングでは「SEO」という概念が重要視されています。「SEO」とは特定のキーワードでインターネット検索したときにページが上位に出てくるよう工夫することを意味します。Webライティングでは、キーワードの指定や使用回数を細かく要求されますが、基本的にはSEO対策を狙う意図があると言えるでしょう。

そして、SEOにおいてはタイトルが非常に大切な位置を占めています。タイトルにキーワードが含まれていなければ、検索結果の順位は下がってしまう傾向があります。たとえ、本文中にキーワードを頻出させて検索結果を上げたとしても、タイトルにキーワードが含まれていないと読者はスルーする可能性が高くなるでしょう。SEOを踏まえて記事を作成するなら、キーワードを含んだ分かりやすいタイトルが求められます。

Webの読者は「親切」ではないと理解しよう

Webの記事を読む読者の特性を考えると「分かりやすいタイトル」のほうがより好まれる傾向が見えてきます。なぜなら、Web読者は「親切」とは言い切れないからです。

紙媒体の読者は自分でお金を出して本や雑誌を買ってくれるため、文章に対して思い入れがあります。難しいタイトルも意味をじっくりと考えてくれる人が多いでしょう。しかし、Web記事は時間をかけて読まれにくい媒体だと言えます。移動中や仕事の休憩中に、慌ただしさを感じながらページを開ける読者も大勢います。彼らは面白そうな記事を注意を払わず探しているので、難解なタイトルを読み解こうとはしないものです。それよりも、内容がすぐに分かるタイトルに引かれ、ページをクリックするでしょう。読者の状況を考えると、分かりやすいタイトルに軍配が上がります。

Web記事で求められているのは「役に立つ情報」である

読書が好きな人たちは、文章を読む行為そのものに娯楽性を見出します。たとえ難解なタイトルや文章が現れても、時間をかけて解読する過程が楽しいのです。しかし、Web記事の多くは文章そのものを楽しみたい読者向けには書かれていません。想定される性別、年代、職業にあてはまる不特定多数の読者に対して提供されているコンテンツなのです。

彼らが文章に求めているのは「役に立つ情報」であって、読書の愉悦ではありません。仕事の効率的な方法や、家事のコツ、あるいは話題のネタになる雑学などを探してWeb記事をリサーチしています。「分かりやすいタイトル」は読者に「ここには役立つ情報があります」と知らせるサインの役割を果たします。内容がわからないタイトルは逆に、敬遠されてしまうでしょう。

読者に「読み方」を教えるのがタイトル

出版された単行本であれば、分かりにくいタイトルをつけるのもアリです。なぜなら、読者は購入した本とともに長い時間を過ごすのであり、ゆっくりとタイトルの意味を知って感動する自由があるからです。

しかし、Web記事はものの数分で消費されてしまう文章です。読者もまた、早く読み終えられるからこそWeb記事をリサーチしていると言えるでしょう。タイトルが分かりやすいと、早く読み終えるための方向性を提示できます。「この文章の主張はこういうことですよ」とタイトルで知らせておけば、読者は過剰に頭を働かせなくてもすぐに内容を理解していくでしょう。

時間をかけて文章に触れ合うのは有意義な時間であり、それ自体は否定されるものではありません。しかし、Webライティングの世界では分かりやすさが優先されるべき要素なのです。