ライターとしてレベルアップ!映画レビューで文章力を鍛える方法

言葉で勝負するライターにとって、文章の表現力は大きな武器です。「この人の文章は表現力豊かで面白い」「イベントの臨場感あふれるレポートだ」というように、同じものを題材に記事を書いても、表現力の違いでライターの評価は大きく変わってきます。ではどうしたら表現力が身に着くのでしょうか?

私に場合は、映画を見ながら文章を作る練習をしています。

映画のストーリーを文章で紹介してみよう

現在は音楽業界の仕事に関わることが多い筆者ですが、以前は映画のレビューなども執筆していました。新作の試写会に行ってレビューを書いたり、旧作から自分のおすすめ映画を紹介したりする文章をWEBサイトに掲載していたのです。

目に見えない音を文章で伝える音楽記事とはまた違い、実際に目に見えるものを紹介するというのは、ともすればただのストーリー説明になってしまいがちです。それに、映画のストーリーが最初から最後まで頭に入っていないと、評論やレビュー記事は書けません。そこで私は仕事以外で、映画のDVDを借りてきて、片っ端からストーリーをダイジェスト的に説明する文章を書いていったのです。

段落ごとに分けて書いてみる

ストーリー説明をする上で、最も難解に感じたのは、「ゴッドファーザー」シリーズです。全部でパート3まである名作中の名作ですが、1作ごとにとても長いため、1回観ただけではなかなかストーリーの全てを把握できない作品です。

そこで私はまず、ストーリーを段落ごとにまとめてみることにしました。例えば、第1段落は「主人公のビト・コルネオーレが築いたファミリーとは」、第2段落は「ファミリー崩壊の危機」、第3段落「訪れた世代交代」、第4段落「新たなるゴッドファーザーの誕生」として、ストーリー展開が変わるごとに文章を区切ってまとめて行ったのです。これを「ゴッドファーザーって長くて話がよくわからない」と言っていた友人に見せたところ、「けっこう面白い話なんだね!改めて観てみるよ」と言ってもらえました。

人に伝えようという姿勢が表現力の豊かさを生む

自信を持った私は、誰に頼まれているわけでも原稿料がもらえるわけでもないにも関わらず、今度は「ゴッドファーザー パート2」のストーリーを書きだしていきました。

「パート2」は時代が行ったり来たりするせいもあり、初作よりもかなり難解なストーリー展開です。そこで私はできるだけ簡単に、古い時代の話と現在進行形の話を分けて説明をしてみました。すると、自分でも当初良くわかっていなかったストーリーの細かい部分がわかるようになってきたのです。これは発見でした。このことで、よりこの映画の魅力を人に伝えたいと思い、どんどん筆を進めることができたのです。

この文章も友人からは好評で、結局「パート3」まで文章を書き、友人に見せることになりました。友人からは「おかげで映画をしっかり理解できたよ。ありがとう!」と感謝されました。

表現力に煮詰まることがあったら試してみては?

こうした文章を書いていたときに気を付いたのは、子どもに紙芝居を見せているような気持で丁寧に簡潔に説明するということが大事だということです。やはり、「読んでもらう人にいかにわかりやすく伝えようか」という気持ちで書いた文章は、絶対にその想いが伝わります。

毎日ライター業をやっていると、締切に追わて仕事の忙しさにかまけて、ついつい気持ちの入っていない文章を書いてしまいがちです。なんとなく流して書いてしまいそうなときは、このときに書いた文章を読み返すようにしています。みなさんも、自分の文章の表現力に煮詰まることがあったら、ぜひこの方法を試してみてはいかがでしょうか。きっとスキルアップになりますよ。

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みんなの感想文

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  • 映画の内容を伝える文章を書くには、自分の伝えようという気持ちも大切なんだと感じました。一番わかりやすかったのは子供に紙芝居を見せる感覚で書くというところです。コツがつかめるようになるような記事だったので、早速参考にして記事を書いてみたいと思いました。
  • 映画のレビューを書くということは、いつも映画を見て終わりになってしまっていたのでやってみようと思いました。書くためによく映画を理解しようとすること、わかりやすく伝えるためにどんな言葉を選ぶか考えることで、確かに文章力を鍛えることができそうです。
  • 映画のコメントで、文章力を磨くと言うのは、目からウロコでした。観たいと思ってもらえるような、興味をそそる文章を考えなければならないので、勉強になりそうです。早速、時間のあるときにトライしてみようと思っています。
  • 映画のレビューがライター修行になるとは驚きました。映画に限らず、テレビドラマやアニメ、小説などでも出来そうだと感じたので、文章力アップのために自分も試してみたいと思いました。同じ題材のものを書いても表現力の違いで評価が大きく変わる、という部分が胸に刺さりました。自分にしか出来ない表現を磨きたいと感じました。
  • わたしもライティングの仕事をはじめたのですが、自分の文章力になかなか自信が持てないことがあります。映画のレビューはなかなか難しそうですが、挑戦して、自分の文章力・表現力をレベルアップさせたいと思います。
  • 映画のレビューを書いて、個人的に文章力をアップするようにしていっているのはすごいなと思いました。誰かに説明することで、自分でも理解できるようになることは自分にもあるなと思いました。文章をうまくまとめることが苦手なので、参考にしていきたいなと思います。
  • 映画を含め、本や漫画などストーリーがあるのもを紹介するのは、確かに難しいなと思いました。実際、おすすめの映画を友人に紹介したとき、自分でも何を言っているのか理解できなくなってしまった時があります。なので、これからは練習として映画レビューを書いてみたいと思いました。
  • 普段から自分の文章力・語彙力のなさが気になっていたので、映画のレビューを投稿するのはいい勉強になりそうですね。段落に分けて書くというのも自分の中で整理ができそうです。人にわかりやすく伝えたい!という気持ちを常に持っていたいです。
  • 今回の記事は目から鱗でした。ライティングスキルを上げる方法として映画のレビューを書いてみるというのは今まで考えたことがなかったからです。でも読んでいくうちに、なるほどなと納得・感心するばかりで、わたしも映画レビューに挑戦してライティングスキルを上げようかなと思いました。
  • 内面の文化的豊かさは文章の技術と別の領域で両方大切であるとしますと、楽しんで映画を見てそのセリフやストーリー特有の名称などを語ったり問題のない範囲でシンプルに記載したりして、エンジョイするのは理想です。それと並行して、文章技術を駆使すればフォーマルで無難な映画のレビューが書ける、ということですね。楽しみを全部仕事の文章にしなくても良いし、文章を書く以外にも大切なことがたくさんあるという視点です。
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