文章力アップに役立つ洞察力の磨き方4つのコツ

読んだ人が参考になったと感じる文章には、必ず複数の視点があり、新たな気づきがあるものです。洞察力をアップさせると、文章に奥行や深みが生まれるので、興味深く説得力のある文章になります。また、洞察力とセットで語られることが多い観察力。この2つはどのような違いがあるか知っていますか。このコラムでは、そもそも洞察力とは何か、洞察力と観察力の違い、そして普段の生活の中で洞察力を磨くためのコツを4つ紹介します。

洞察力とは？観察力は何が違うの？

洞察力とは、外見や表情などの目に見えるもの以外にその場の空気やニュアンスを読み取って、本質を見抜くことのできる力のことです。文章であれば、文字通りに読むだけではなく行間を読むことができたり、示唆する内容を読み取ったりすることができます。高い洞察力があれば、1つの物事を複数の視点でとらえることができるので、一を聞いて十を知るような体験ができます。

一方、観察力はありのままを見て判断する能力のことで、洞察力とは似て非なるものです。しかし、観察力がなければ洞察力を発揮することは難しくなるので、この2つはセットで高める必要があるといえるでしょう。

観察力アップは日常に転がっているネタを探せ

それでは、洞察力を発揮するために必要な観察力を向上させるにはどうすればよいのでしょうか。まずは、周囲のものをよく見てみましょう。人には年をとるにつれて、物事に対して興味や関心がなくなってしまう傾向があります。そうなると、物事に対して無感動になりやすく、新しいアイディアや視点を得ることが難しくなってしまうのです。

見慣れたものでも、改めてよく見てみると周囲のものに共通するポイントや疑問点を見つけられるようになったり、ちょっとした変化に気づいたりするようになります。そうした共通点や疑問点を分析し、掘り下げることで洞察力が磨かれていくのです。

日常生活に複数の視点を取り入れる習慣を取り入れよう

洞察力向上のためには、さまざまな視点を取り入れる行動を日常的に行うことも大切です。具体的には、小説やマンガを読んで、複数の登場人物の視点を通して物語を読み進めていったり、ニュースを見る、映画やドラマなどを見た後で他の人の感想を聞いたりするのがよいでしょう。読書やニュースを見るときは、漫然とではなく考えながら行うことがポイントです。本質は何かを考えるとともに、ニュースでは事実の背景やその後についても考えることで洞察力を向上させることができます。

情報を鵜呑みにするのではなく、対立する意見に触れたり、自分がなぜその意見に賛同するのかについて分析的に考えたりすることも役立ちます。また、知識を増やすことで複数の視点を得るためのベースができるので、情報の真偽を判断することもできるようになるでしょう。多くの視点を集めると、普段は隠れている物事の本質が見えやすくなるのです。

行動パターンを変えてイレギュラーも楽しもう

日常の行動パターンをわざと変えてみることもオススメです。朝起きてからの行動や、通勤経路、乗る電車の車両などささいなことでも構いません。ちょっとした変化を与えることで日常が目新しいものに変わるので、観察力がはたらいて脳が活性化され、結果として洞察力がアップします。

また、慣れきってしまって、もはや意味を考えることもないようなルーティンワークの意味や手順を考えてみることもよいでしょう。意味を見出せるようになると、自分がそれを行う価値に気づくなど新たな発見があるかもしれません。

ポジティブシンキングは対人コミュニケーションでも吉

いつもポジティブでいることも、脳の活性化には効果があります。物事を悲観してしまうと、その時点で思考は停止してしまい、新たな視点や発想を得るのは難しくなってしまうものです。目の前で悪いことが起こっても、どうしたら解決できるかを考える習慣をつけると、問題の根本をとらえる力が身につきます。

物事を良い方にとらえることができるようになると、人に対しても良い面をとらえることができるようになるでしょう。人の良い面を見ることができれば、コミュニケーションもずっと楽になります。